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渋谷インターナショナルラグビークラブ
【キムタカ 渋谷インターナショナルラグビークラブ 訪問記】
今日は何をされたのですか?
以前ご紹介した、ワールドカップの日本誘致に尽力された徳増さんに誘われて、徳増さんがワールドカップ前に設立された、「渋谷インターナショナルラグビークラブ」に行って来ました。
「渋谷インターナショナルラグビークラブ」とはどういうものなのですか?
多国籍のラグビースクールで、生徒の比率は、日本人半分、日本以外の国の国籍を持つ(以下「外国人」と表記します)子供たち半分という構成です。スクール生は全員で150人くらい、下は小学校低学年から上は高校生まで在籍しています。学年によって、「忍者クラス」「スーパー忍者クラス」といくつかに分けられています。それから、タックルありのクラスと、タグだけのクラスとかもあります。
今までいろいろラグビースクールを訪問されてきたと思うのですが、こちらはインターナショナルスクールということで何か違いはありましたか?
はい、まず指導・会話は全て英語です。でも、子供たちの様子は共通していて、小学校低学年の子達は、「Hello.」とか「I’m happy!」とか言ってきて、ちょっとやんちゃな感じですけど、高学年になると、思春期なのか恥ずかしがる生徒が多かったです。海外の子供達に僕の英語がグチャグチャで馬鹿にされました(笑)ぜーーんぜん大丈夫ですけどね(笑)
通っていらっしゃるお子さんは日本人と外国人が半々ということですが、お子さん達の会話も全部英語なのですか?
コーチ達は英語で指導しますが、日本人同士になると日本語で話してましたね。でも海外の子供達もいるので多国籍交流するときは積極的に英語を話そうとしてましたよ。
日本人のお子さん達は英語を上達するという目的も兼ねてそのスクールに通っているのですか?
子供たちがそこに入りたいと言ったというよりは、たぶん親御さんがそこに通わせているんだと思うんですけど、おそらくほかの国の子達と交流してほしいとか、小学生とかだと、英語の環境は日常ではあまりないことなので、英語でコミュニケーションをとる環境に慣れてほしいとか思われているのではないでしょうか。やっぱり普通のラグビースクールとは全然違うので。
どう違うのですか?
まずコーチ達が、日本人のコーチより外国人のコーチの数が多いんですけど、コーチの国籍を問わずコーチングは全部英語なので、小学校低学年でも生きた英語に触れることができる点、あと外国人の友達ができることですね。
そのコーチの方々も何らかの形でラグビーをやっていた方々なのですか?
そういう方が多いです。保護者でコーチをされている方も多いですし。
リコーブラックラムズで現在コーチをされている方も教えに来ていました。
恵まれてますよね(笑)
スクールでやっている内容に関して、コーチが外国人の方が多いことで面白いなあとか、変わっているなということはありましたか。
そのコーチ個々の練習スタイルにもよりますが、ラグビースキルを上げることにフォーカスしているコーチがいたり、それよりも楽しむ方が大事だというコーチがいたりとか、海外で実践されているいろいろなことをコーチ達が知っているので、練習のバリエーションが多いなと感じましたね。例えば、楽しむ方が大事だというコーチだと、あえて「fun game」とかいう、遊びを混ぜたコーチングが多かったりしました。とにかくユーモア溢れた元気なコーチが多かったですね。
インターナショナルスクールでラグビーをすることによってレベルアップにつながると感じましたか?
オーストラリアとか、ウェールズとか、そういう海外の強いチームでラグビーをしていた保護者の方がコーチをしていたりするので、日本では小さい頃や小中学生の頃は教えてもらえないスキルとかをこのスクールでは学べると思いました。
早い段階で世界の事情とかも学べたりするかもしれませんね。
何が一番いいかというと、小中学生の頃に外国人の友達ができる機会に恵まれることって稀じゃないですか。学校に外国人のクラスメートがいれば、友達になる機会もあるかもしれないけど、こういったラグビースクールで仲間として一緒にボール追いかけながら、小さい頃から英語に触れることができる良さはめちゃめちゃでかいです!
英語だけで練習するという環境のメリット、デメリットは何でしょう?
メリットしか思いつかないです。強いて言うなら、入ったばかりの子で英語ができないと、言っていることを聞きとったり、慣れるまでに少し時間がかかることがデメリットですかね。でもデメリットはほとんどないと思います。
キムタカさんがニュージーランドに行かれた時は英語環境に慣れるためにしていたことはありますか。
現地入りする前にリスニングの強化、英語耳を作ることには力をいれました。英語のビデオを積極的に見たりしました。正直、僕は学校の英語の勉強は人並み程度しかしていなかったので、学校の勉強が役に立ったとか、逆に学校で習った英語とニュージーランドの英語が違いすぎて戸惑ったとかはなかったです。僕は行くって決めてから自分で勉強しました。幸い、ラグビーをやっていたおかげで、周りに英語を話す選手がいたので、そういう人たちと、わざとずっと一緒にいるようにしましたね。
となると、やはり英語上達の近道は、自分から飛び込んで行って友達を作るということになりますか?
そうですね。英語を話す友達を作ることが一番の早道だと思うんですが、それが難しいので、そういう意味で渋谷インターナショナルラグビークラブの子達は恵まれていると思いますね。そこでずっと遊べばすぐに英語が身につくと思いますので。僕も小さい頃そういう環境が欲しかったですね。
日本のラグビースクールもそういうチームと交流することで刺激をうけたりできるのではないですか。
そうですね。そういう機会もあった方がいいと思います。
運営は保護者の方が中心となってされているのですか?
それは立ち上げに関わった事務局の方々がしてくださっています。
日本のラグビースクールと比べて保護者の方々の印象に違いはありましたか?
いえ、保護者の方々はずっと外で見ているので、特に変わった印象はないです。
このクラブはどんなところと試合をしているのですか?
この間、このスクールの高校生が都立青山高校ラグビー部の1年生と試合していました。小学生とか中学生とかも同様に他のラグビークラブと戦っているのだと思います。
渋谷だと練習場の広さが心配になりますが、その辺はいかがでしたか?
昭和女子大と提携してそこのグラウンドを使わせてもらっていたので、問題ないと思います。その女子大の中に人工芝のグラウンドが2つか3つくらいあって、各学年を分割して3つの場所でそれぞれ同時に違う練習をしたりできていたので。
今日は気持ちよく晴れましたね。さすが「持っている男」キムタカさんだと思うのですが、いろいろやりたいことができたのではないですか。どんなメニューをやろうと思っていたのですか?
まず自己紹介をして、デモンストレーションをした後、学年によってスキルを教えてほしいクラスもあるからそこに対応してほしいと言われたので、そういった内容を英語でどう伝えようかというのを事前に復習していきました。英語で授業をするのは本当に難しかったです。しかしとにかく“伝える気持ち”が大切だと思うので、そこを意識しました。
今日キムタカさんはどの学年をみたのですか?
全部みたんですよ。各学年で10~15分くらいずつ。
最初に自己紹介した後、デモンストレーションをしてから各学年に合わせた内容で一緒にいろいろやりました。
今日の子供たちの様子で印象に残ったことは?
日本のラグビースクールだと途中で飽きてきちゃう子やふざけちゃう子とかいるのですが、ここの子達は、話を聞く気があって、僕のへたくそな英語でも、ちゃんと聞いてくれていました。あとは、小学校低学年の子たちは、べらぼうに明るかったですね。小学校1年生とか、もうすごかったです。
日本人、外国人関係なく明るいのですか?
そうですね。もう、それは渋谷インターナショナルスクールのカラーでしょうね。みんなに何が大事って尋ねたときに、国籍関係なく勢いよく答えたりしてましたよ。
外国人の子達と日本人の子達は、外国人同士、日本人同士でかたまったりしていましたか?
低学年は完全に混じりあっていて、高学年はちょっとだけかたまっていましたね。女の子は女の子だけでとか。でもそれでもみんなと普通にしゃべっていましたよ
練習は男女混ざって同じメニューをするのですか?
はい。同じです。
チームも男女混合ですか?
そうです。その中で、タックルありの子とタグラグビーだけの子で分けたりはしています。
学年の中でレベル分けはしているのですか?
1つの学年に複数のコーチがついて指導する形です。
ただしレベルの高い子は繰り上げで上の学年のチームに行く事もあるようです。
それと毎回の練習でチームのMVPを決めてトロフィーを渡しているのも、子供たちは嬉しいだろうなーと思いました!そういう工夫が子供達が伸び伸びできる理由なのだと。
このスクールを創設された徳増さんは、このスクールを皮切りに他の地域に広げていこうと考えていらっしゃるのでしょうか。
徳増さんがこのスクールを創ったのは、海外から日本に来た子供たちがラグビーをやりたくても受け入れ先が日本にはないという現状が当時あって、そういう子たちがラグビーを日本の子供たちと交流しながらやれる環境を作りたいという思いで創ったそうです。
各地にできるといいですよね。素晴らしい活動だと思います。
最初15人からスタートして今150人ですからね。各地にもできるといいと思います。
渋谷インターナショナルラグビークラブは積極的に宣伝とかしているのですか?
ホームページもSNSも積極的に使われているみたいです。徳増さんが、けっこうご年配の方なのにもかかわらず(笑)、SNSとかは全部お一人で担っていらっしゃいますね。いろいろ発信していらっしゃいます。すごすぎます!僕もまだまだ負けられません(笑)
https://twitter.com/kojitokumasu?s=20
今日はキムタカさん自身が今まで頑張ってきた英語を実践する良い機会だったと思うのですが、英会話学校に通ったりして頑張った成果は実感できましたか?
うーん(笑)、ホント、悔しいくらいまだまだだったので・・・。
でもまあ、今まで英会話の授業とかいろいろやっていたのはアウトプットできましたね。
ちょっと手ごたえはありつつも、まだまだだなと思ったという感じですね。
やはり大人数を前にすると、なんか飛んじゃうというか、文法がまとめられなかったです。でも、僕、文法とかはぐちゃぐちゃだったのですが、伝えたいことを一生懸命言葉にすればニュアンスをくみ取って理解してくれたりする場面もあり、伝えたいという気持ちが一番大事だなと、今日あらためて思いました。
ちょっとでも英語の勉強をやってきた成果がみえたのは良かったです。
子供達には、諦めない心と、努力すれば夢は叶う事を伝えました。
お子さんでも、キムタカさんが、英語が母国語ではないということを理解して、聞く姿勢をもってくださっていたというのは心強いですね。
そうですね。僕は今では英語できないと馬鹿にされても何とも思わなくなったので大丈夫なのですが、ちょっと笑われたりすると自信なくしちゃう方も多いと思うんです。でも、もし英語で悩んでいる方がいたら、伝えたい気持ちと伝えようとする姿勢が一番大事だと伝えたいです。
英語に自信がない人へ
— 木村貴大 @無所属ラグビー選手(インターン生) (@TakahiroKimura9) October 18, 2020
英語で1番大切なのは、伝えようとする気持ち。
文法も単語もそりゃ大事。
でもまずは、失敗を恐れずトライしよう。話してみよう。 pic.twitter.com/Ok3u3Qp9ek
お子さん達からサイン求められたりとかありましたか?
写真撮ってくださいとか、サインくださいとか今日は結構ありましたね。
結構豪華にスターが来た、すごい人が来た!という演出をしてもらったせいか、たぶん僕のこと知らなくても、子供だからサインほしいってなったんじゃないですかね(笑)。
いえいえ、良かったと思いますよ。これで子供たちもモチベーションが上がるのではないですか。
そうですね。 そうなると嬉しいですね。今日僕を見て「キムタカみたいになりたい。」と思ってくれた子ども達が沢山いてくれたら嬉しいです。それこそがスポーツ選手木村貴大としての価値なので。
キムタカさんはいろいろお忙しい中で積極的に子供たちを教えに行っていらっしゃいますが、ある意味ご自分の時間を割いて行っていると思うのですが、子供たちと接することに関してはどういう意義を見出しているのですか。
うーん、時間をそこにとられているという感覚は全くないです。子供たちにラグビーを楽しく教えたいという思いは一番強くて、あとは子供たちに僕のパフォーマンスを見せて喜んでもらいたいとか、挑戦する子が増えてほしいとかそういう目的を持って行くのですが、それよりも、こういう活動をするといつも僕の方が元気とまた頑張ろうと思うパワーをもらえるので、それが子供たちのところへ行く一番の理由です。
今日の一番のハイライトは何でしたか?
小学校1年生から4年生くらいまでの子供達と僕で、1対26人とか、1対15人とかでラグビーをやったことですね。僕がトライを取りに行って子供たちがディフェンスするというやり方です。それが一番盛り上がりましたね。僕、トライ取れなかったです。(笑)
それだけ人数差があるとさすがのキムタカさんでもむりでしたか。
そうですね。でも楽しかったです!
子供達へ怪我や体のケアに関するアドバイスがあればお願いします。
練習が終わったら必ずストレッチを入念にやることが大切です。体がやわらかいことが大事なので、僕は小さい頃から、トレーニング後はお風呂上りにストレッチとかやっていましたね。それだけで怪我のリスクが減ります。
以前何かでトレーニング後に選手たちが氷水をはった浴槽につかっているのを見たことがあるのですが、あれはどういう効果があるのですか?
あれはアイスバスといって、アイシング効果です。打撲やトレーニング後の張った筋肉を長時間冷やすことで血管が収縮して疲労回復につながるんです。だいたいプロはみんなやっていますし、クラブハウスにもあります。
人数が増えたのはワールドカップの影響もありますか?
それもあると思います。あとは徳増さんの本を読んで入ってくる子も多いみたいです。
本当に素晴らしい本なので、是非読んでみてください。僕の人生のバイブルといってもいいくらいの本になりました。
最後に全体の感想をお願いします。
短くまとめると「渋谷インターナショナルラグビークラブ最高」です!
僕も創りたくなるくらい最高のクラブでした。
というのも、久しぶりに、国内では初めて、多国籍の子供達が混じり合ってラグビーをしながら楽しんでいる姿を見て、こんな環境は最高だなと思いました。あと、僕自身が英語でラグビーを教えるという新しい挑戦ができたことが本当にいい経験になりました。やはりまだまだだと痛感し、将来コーチングするってなったら、もちろん外国人の選手にもスキルを教えたりしたいので、新たに課題が見えたのも有難かったです。今後海外に行っても帰国する度に英語のアウトプットを兼ねて訪れたいと思いました。活動面で素晴らしいので、海外から帰ってきたら毎回行きたいです。
インタビュー投稿。最後まで読んで下さりありがとうございました。
今回もいつもと同様にキムタカ公式ファンクラブ内のメンバーの中からインタビューと文字起こしをして頂きインタビュー形式でnote記事にしました。
ご協力頂きありがとうございました。
引き続きこういった形で活動内容を詳しくnoteで記録として残していきたいので、
ご協力頂ける方はご連絡よろしくお願いします。
いつも沢山の応援とサポートをありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。
木村貴大
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