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マッキンゼー公式のケース例題のより良い解答を作ってみた

マッキンゼーの公式例題を解いてみて、「あれ、解答例微妙じゃね?」と思った方いませんか?僕も友人も解答が省略されててよく分からなかったので実際にここで解いてみようかなと思いました。下記の前回の記事ではケース面接の全体像について話しましたが、今回は実際に解いてみます。

注意事項
- 僕の解答が合格点なのかは一切わかりません笑
- 僕は中の人ではありません。
- ビジネスの経験はないので、感覚的におかしい点もあるかもしれないです。


公式サイトの二問目のスポーツドリンクの問題を解いてみようと思います。実際に時間も本番と近い設定で解いたので思慮が及んでいない点もあるかと思います。見る前に一度リンク先から問題を読んでみてください!


Q0. 問題紹介、質問タイム

まず面接官からケースの説明があり、メモを取ることができます。聞き逃してもあとで聞けばいいので軽い気持ちで下記のように要点だけを書くようにしてました。
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説明のあとはこちらから質問する時間があります。聞き逃したことを聞いたり、不明点を聞いたり、何かしら質問はした方がいいと思います。自分のケースの理解が正しいかを確認するのも大事です。この問題でいうとこんな会話をすると思います。

僕「Electro-Lightの開発までは終了しているという理解でいいですか?」
面「はい。サンプルは完成していて、実際に商品化できるかが論点です。」

僕「会社としてはどれくらいの期間で黒字化できればいいと考えているのでしょうか?」
面「一年を目安にしましょう。」
僕「ではこの一年間は十分な予算を使って、事業を開発できると想定していいですか?」
面「大丈夫です。」


Q1. 思考タイム → 重要な論点は?

ケースの紹介が終わったら3~5分程度自分で考える時間があります。この時間を使ってこのケースの重要な論点について考えます。ポイントはMECEな構造を作ることだと思います。

ここで3Cや4Pといったフレームワークを一気に当てはめる人もいると思うのですが、「フレームワークを知っている」はケースの本質ではないので知らなくても大丈夫です。むしろ使いこなせないなら使わない方がいいんじゃないかと思います。僕はフレームワークは基本使わなかったです。

ちなみに過学習した人はケースを聞いた瞬間に新製品開発パターンと気付き、そのパターンの王道解法を当てはめることもできるそうです笑

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上記のメモを見ても分かる通り、僕の思考の順番はこんな感じでした。

1. どういった条件が揃えば、商品化するのか? → 実現可能 & 黒字化可能
2. (黒字: 売り上げ - コスト > 0)という式の中で、実現不可能というのはコストが非常に大きい時を意味するので、条件は黒字化可能(利益が出るか)だけで考えて良さそう。なのでまずは利益が出るかを売り上げとコストに分解する。
3. 売り上げ = 市場規模 × 獲得できる割合。売上本数 × 価格で考えても、売上本数を予想するために市場規模と獲得できる割合の掛け算に落ち着くのかな。
4. コストはバリューチェーンと費用のタイプの表で考える。
5. 細かい要素に分解して、いくつかピックアップして重要な論点として発表する。バリューチェーン × 費用タイプが全て挙げると多すぎるのでアンサーファーストで重要そうな論点をピックアップする。

といった流れでQ.1を解きました。説明の順番としては、全体の構造を話して、一旦を面接官の意見を聞き、その後①~⑧の要素を説明しました。


Q2. 計算問題

自分で解く分には簡単ですが、いざ面接官を前にすると頭が真っ白になりがちですよね笑 早く解く必要はないので落ち着いて解きましょう。計算問題も多少考える時間があるので全体的にどういう順番で解くかだけははっきりさせておきましょう。細かい計算は面接官と話しながらやればいいと思います。実際に声に出しながら計算すると面接官もついてきやすいのかな。Q2に関しては公式の解答で十分だと思うのでここには僕のノートだけ載せておきます。

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計算が終わった後にシェア12.5%が達成できそうな数字なのかなど、計算の答えの意味について軽く触れてもいいと思います。


Q3. 戦略について考察

続いて、与えられた情報を基に戦略を考える問題ですね。ここでは自分で考える時間はなく、面接官と話しながら答えを一緒に作っていく流れです。ちゃんと面接官と会話をしながら楽しく議論できたら評価は高いんじゃないかなと思います。基本は面接官のガイドに従いながら、疑問点があったら反論して、対等な議論をするように僕は意識しました。

もし使えるのであればQ1やQ2の答えや与えられたデータを使うようにしましょう。話している間にも新たなデータをもらえたりするので、取り入れていきましょう。

ここでも基本はMECEとロジックです。「シェア12.5%を獲得する」というお題に向けての課題をMECEに羅列し、それぞれに対して論理的に効果の出る解決策を提案するという流れです。

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僕が実際に書いたノートはこんな感じでした。思考の流れは以下です。

1. ユーザーに実際に購入してもらう流れを考える。(1. 知る~ 7.共有)
2. たくさんの人に「知って」もらい、その中からたくさんの人に「興味を持って」もらい、... という流れが理想なので、それぞれのステップで有効な戦略を考える。
3. 上記のようにそれぞれのステップでの戦略を話す。
4. 実際に市場の12.5% = 8人に1人に買ってもらうことがゴールなのでそれぞれのステップでどれくらいの人が残るかに触れる。(例、市場のうち70%の人に知ってもらう。その70%のうち60%の人に興味を持ってもらう。
5. 1~4を踏まえて、どの解決策を優先するのかを述べる。僕の場合は「ニーズに合った広告・ブランディング」、「販売チャネル・場所の選定」、「共有する動機付け」の3点でした。

これが実際に僕が解いた流れなんですけど、余裕があればそれぞれのステップと解決策の間のロジックをより丁寧に作れればよかったかなと思います。


Q4. 表・グラフの読み取り

おそらくQ3の途中に面接官からこういった表やグラフがデータとして提供されます。そしてデータを参考により粒度の高い戦略を立案していくという流れです。僕はデータを見た時にまず事実と考察を分けて考えます。(←実験レポートとかと同じです)

事実
1. Leisure drinkとEnergy replenishing drinkのカテゴリーにおいてはトップ2商品が市場を席巻している。一方Healthy natural drinkカテゴリーでは複数の商品が覇権を競っている。
2. その他のドリンクに比べて、スーパーで買う確率が極端に少なく、コンビニで買う可能性が高い。またその他の場所(自販機とかかな)で買う可能性も高い。

考察
1. 事実1より、Healthy natural drinkカテゴリーは他のカテゴリーに比べ市場が占領されていないため参入しやすい。
2. 事実2より、スーパーではなく、コンビニや自販機などを中心に販売した方が購入してもらいやすい。
3. 事実2よりレストランやスーパーでは購入しない可能性が高いが、Q3で述べた通り、認知してもらい興味を持ってもらうことが新製品にとって大切なので少量でもレストランやスーパーに商品を卸す。

といった解答を僕なら答えると思います。基本的には「データからXXX(事実)ということが読み取れるのでYYY(考察)という解決策が有効である」という話し方をするようにしていました。


末筆

多くの場合は向こうから言ってくれますが、僕はケースのフィードバックを必ずもらうようにしていました。次のための勉強にもなりますし、ケースに必要な思考力はコンサルにならなくても生きてくると思います。

感じている方も多いかもしれませんが、この解答例もツッコミどころはあります。ただ時間内に考えるとこんな感じになるのかなと思います。あとは先ほど書いた通り、面接官との議論を通じて答えを一緒に作っていく雰囲気ができたら完璧です。焦らずに議論を楽しんで、自信を持って解答できれば大丈夫です!ケース面接が控えている方はぜひ頑張ってください。記事についてのフィードバックもあれば教えていただけると嬉しいです。

P.S.
いくつか僕のノートを載っけていきましたが、僕は基本ノートを横長で使います。ケースの時は横に要素が伸びていくことが多いと思うので縦向きで書いている人はぜひ横向きも試してみてください。またノート自体も採用評価の一部になる可能性があるので読めるレベルで書くようにしましょう笑

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