[2024-10-30] マーケット振り返り (日経平均・TOPIX・グロース)
日経平均株価の動向
10月30日の日経平均株価は、前日比373.71円(0.96%)高の39,277.39円で取引を終了し、3日連続で上昇した。これにより、終値で39,000円台を回復し、15日以来の高値水準に到達した。この上昇は、米国市場でハイテク株が買われ、ナスダック総合指数が3カ月半ぶりに最高値を更新した影響を受け、日本市場でも半導体関連株が買い進められた結果である。
米国市場の影響
前日の米国市場では、NYダウが154ドル安で反落した一方、ハイテク銘柄の多いナスダック総合は連騰し、過去最高値を記録した。特にAI関連の半導体需要の拡大期待があり、米国の半導体関連銘柄が買われたことが東京市場にも波及し、投資家心理が改善した。
東京市場の状況
東京市場は、米国のハイテク株高を背景に買い優勢で始まり、終日堅調な値動きを見せた。海外投資家のリスク許容度が高まったことにより、半導体関連株やTOPIXのリバランスに関連する銘柄に資金が集まった。特に、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の上昇が東京市場での半導体株への資金流入を後押しした。
半導体関連の主力銘柄
個別銘柄では、ディスコが大幅高で売買代金5000億円を超え、最も注目された。その他、レーザーテックやアドバンテストも活況で、ソフトバンクグループや日立製作所も上昇した。これらの銘柄の上昇が、日経平均の上昇を支えた要因となっている。
マイナス寄与銘柄
一方で、中外製薬や住友ファーマ、ニトリホールディングスなどの銘柄は下落し、日経平均の上昇を一部相殺した。特に、中外製薬は大きく売られ、日経平均へのマイナス寄与が目立った。
売買代金と市場全体の動向
東証プライム市場の売買代金は、約8兆円に達し、8月5日以来の高水準となった。これは、TOPIX構成銘柄の浮動株比率の変動に伴うリバランスの影響によるものである。全体の売買高も34億3300万株と活況だった。
業種別の動向
東京証券取引所の33業種中26業種が上昇し、特に電気・ガス業、非鉄金属、機械、精密機器、ガラス土石製品が高い上昇率を記録した。一方、ゴム製品、証券商品先物、その他製品、医薬品、小売業は下落した。
今後の見通し
国内の長期金利の低下や、日本銀行の金融政策決定会合での政策金利据え置きの見通しもあり、投資家の警戒感は低下している。ただし、上昇の中で利益確定売りも出やすく、後場では上値の重い展開となった。引き続き米国の決算シーズンや、日銀の政策動向が市場の方向性に影響を与える可能性が高い。