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[2024-10-24] マーケット振り返り

日経平均の反発とその背景

10月24日の東京株式市場において、日経平均株価は小幅ながら4営業日ぶりに反発し、前日比38.43円(+0.10%)高の38,143.29円で取引を終えた。前日の米国株安を背景に、朝方には400円近い下落を見せたものの、海外短期筋の先物買い戻しが進むにつれ、相場は持ち直し、日中には200円を超える上昇を記録した。このような反発の動きは、半導体関連銘柄の買い戻しや、短期的な投資家の売り戻しが主要な要因である。

東京市場の状況

朝の取引開始時、日経平均株価は約300円の下落でスタートし、米国市場での株安や米長期金利の上昇が嫌気されたことから、特にハイテク株を中心に売りが優勢であった。しかし、9時半を過ぎる頃から先物主導での買い戻しが加速し、半導体関連株が持ち直すとともに、全体的な市場の流れが変わり、最終的に日経平均は陽線を形成した。特に、レーザーテックやアドバンテスト、東京エレクトロンといった半導体製造装置関連銘柄が上昇し、市場を支えた。

米国市場の影響と国内要因

前日の米国市場では、NYダウが409ドル安と3日続落しており、これが日本市場にも影響を及ぼした。米長期金利の上昇による影響で、ハイテク株や半導体株が売られ、特に米ナスダック総合指数は6日ぶりに反落した。この動きを受け、東京市場でも朝方はリスク回避の売りが先行した。しかし、円安基調や自律反発を狙った押し目買いが入り、相場は徐々に持ち直した。

また、国内では、24日を前に11営業日連続で陰線が続いていた日経平均が、久々に陽線を形成したことが注目されている。半導体関連株が買い戻されたことや、為替市場における円安進行が市場全体の流れを押し上げた一因となっている。

主な銘柄の動向

本日、半導体関連銘柄であるアドバンテストや東京エレクトロンが堅調に推移し、また、三菱重工業やフジクラ、日立製作所も上昇した。一方、東京地下鉄やソフトバンクグループ、ファーストリテイリングは下落し、特にソフトバンクグループが値を下げたことが日経平均へのマイナス寄与度に影響を与えた。また、トヨタ自動車や日本郵船も下げ基調であった。

さらに、東証プライム市場においては、値上がり銘柄数が596、値下がり銘柄数が980と、全体的に売りが優勢な状況が続いた。特に、レーザーテックやアドバンテストといった半導体関連銘柄の買い戻しが相場を下支えした一方で、ソフトバンクグループやファストリなどの主要銘柄が市場を抑える結果となった。

市場全体の展望

東京市場では、27日に予定されている衆院選の投開票が控えており、投資家のリスク回避姿勢が強まる可能性がある。また、米国の長期金利上昇が引き続き不安材料となっており、これが市場全体の売り圧力を強める要因となっている。そのため、投資家の多くは積極的なポジションを控え、慎重な姿勢を保っている状況だ。

ただし、短期的な投資家による売り戻しや先物の買いが相場を押し上げる動きが見られ、半導体関連株が引き続き堅調に推移することが予想される。今後も海外市場の動向や為替相場の変動が東京市場に影響を与えると見られており、これに対する慎重な対応が求められる。

業種別の動き

東証33業種の中では、電気機器やその他製品、倉庫運輸関連、食料品、サービス業といった業種が上昇を見せた一方、電気・ガス業、ゴム製品、海運業、鉄鋼、輸送用機器といった業種は下落した。特に電気・ガス業の下落が顕著であった。

また、個別銘柄では、I-neや航空電子工業、フジクラなどが上昇率上位に位置した一方で、KOAやFPパートナー、日本郵船といった銘柄が大幅に値を下げた。

終盤のまとめ

日経平均は4営業日ぶりに反発し、小幅ながら上昇したが、全体的に市場は不安定な状況が続いている。特に、米国市場の影響や国内政治イベントを控え、短期的な動きが目立っている。半導体関連株の強さが相場を支える一方、他の主要銘柄の動向に注意が必要であり、引き続き慎重な姿勢での市場参加が求められる。

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