[2024-11-15] マーケット振り返り (日経平均・TOPIX・グロース)
日経平均株価の反発:概要と背景
日経平均の動向
2024年11月15日、日経平均株価は前日比107円21銭高の38,642円91銭で取引を終了した。これは4日ぶりの反発であり、直近の3日間で約1,000円下落した反動から自律的な買い戻しが入った結果である。取引量は約21億8000万株に達した。
米国市場の影響と円安の要因
14日の米国市場では、主要株価指数が下落したものの、日本市場への影響は限定的であった。パウエルFRB議長が「早期の利下げの可能性が低い」と発言したことから、日米金利差を背景に円安が進行。円相場は1ドル=156円台後半となり、約4カ月ぶりの安値を記録した。この円安が輸出関連株に追い風となり、特に自動車や機械セクターの買いを促進した。
半導体関連株の強さ
半導体関連株も市場を押し上げる要因となった。オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングのCEOが、今後5年間の売上高が平均8~14%成長するとの見通しを示したことが買い材料として作用。ディスコや東エレク、アドバンテストが大幅に上昇した。さらに、台湾の鴻海精密工業の好調な生成AI向けサーバー生産も、半導体株への資金流入を支える要因となった。
メガバンクや輸出関連株の堅調な推移
三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンク株は好業績や自社株買い発表を受けて堅調に推移。これが投資家心理を改善し、市場全体の安定感を支えた。また、自動車や機械などの輸出関連株も、円安進行により買いが優勢であった。
市場全体の状況
業種別の動向
東証プライム市場では、値上がり銘柄数が813、値下がりが768で拮抗していた。22業種が上昇する一方で、11業種が下落。特に、海運、鉱業、電気ガス、銀行が上昇率を牽引した。一方、サービス業、その他金融、非鉄金属、不動産などが下落した。
売買代金と市場心理
東証プライムの売買代金は約4兆6014億円、売買高は21億8810万株となり、活発な取引が続いた。ただし、週末を控えた慎重な投資姿勢から、積極的な売買は手控えられた。心理的節目である39,000円付近では利益確定売りが強まり、相場の上値を抑える展開となった。
今後の見通し
テクニカルな支援材料
日経平均は下値支持線である200日移動平均線を維持し、これが一定の安心感を市場にもたらした。ただし、主要企業の決算発表が一巡したことから、新たな投資テーマに乏しい状況が続いている。
狭い値幅での推移予想
当面、日経平均は39,000円を中心に上下200円程度の狭いレンジでの取引が予想される。市場では「森より木を見る」姿勢が強まり、個別銘柄の動きに注目が集まりやすい。
結論
全体として、日経平均は自律反発の流れで上昇したものの、週末要因や節目の39,000円付近での利益確定売りにより伸び悩んだ。半導体関連株やメガバンク株、輸出関連株の堅調さが目立つ一方、業種間での明暗が分かれる展開となった。今後は、新たな投資テーマの登場が鍵となりそうである。