[2024-11-14] マーケット振り返り (日経平均・TOPIX・グロース)
日経平均の動向と背景
2024年11月14日の日経平均株価は3日続けて下落し、前日比185.96円安の3万8535.70円で取引を終えた。朝方は米長期金利の上昇と円安進行により、輸出関連株を中心に一時上昇したが、その後はトランプ次期政権による対中強硬派の人事報道を受けリスク回避の動きが強まり、徐々に下げに転じた。さらに、クウェート投資庁の人事報道がオイルマネーの投資縮小に対する懸念を招き、引けにかけて売り圧力が高まった。
騰落銘柄と業種別動向
東証プライム市場では、値下がり銘柄が全体の6割を超える1000銘柄以上に上り、特に電気ガス、石油石炭、金属製品、海運など24業種が軟調であった。一方で、非鉄金属、倉庫運輸、卸売といった9業種は堅調で、セクターごとの明暗が分かれた。個別銘柄では、ファーストリテイリング、NTTデータ、KDDI、リクルートHDが堅調であったのに対し、東エレクやアドバンテストといった半導体関連株、ソフトバンクグループ、TDKなどは売られた。
米国市場の影響とトランプ政権のリスク
前日米国市場では10月のコアCPIが予想通りだったことで、NYダウが反発し、日本市場にも一時的な買い安心感を与えた。しかし、トランプ次期大統領の政権人事で対中関税強化を示唆する報道が流れると、米中貿易摩擦の懸念が再燃し、相場の重荷となった。また、日本国内では、円安進行が一部輸出株の支えとなったものの、米中関係の緊張や年末の利上げ観測といった要因が売り圧力を増し、相場を押し下げる結果となった。
個別材料に基づく物色と決算発表の影響
市場では、トランプ政権の影響で方向感が掴みづらい状況が続く中、個別の材料に基づいた銘柄選択が行われた。特に決算発表のピークを迎えたことで、業績結果に過剰反応して売られる銘柄も多く、急落した銘柄には見直し買いの動きも見られた。自動車業界の決算では苦戦が目立っており、日経平均が年末に向けて強く推移することが期待しづらいとの見方も広がっている。
東証プライム市場の状況と外国為替の影響
14日の東証プライム市場では、TOPIXも続落し、売買代金は4兆6150億円、売買高は21億4202万株に上った。外国為替市場では円が1ドル=156円台まで下落し、これが輸出関連銘柄の追い風となる場面もあったが、海外短期筋の先物買いの勢いは朝方のみで、日中の上値追いは続かなかった。また、利ざや改善期待から三菱UFJや三井住友フィナンシャルグループといった銀行株には買いが入る一方、円安進行が円建て資産に対する不安感を強める場面もあった。
まとめと今後の展望
全体として、日経平均株価は米国の経済指標や政権人事、国内外の金利動向に敏感に反応し、安定した上昇が期待しにくい展開となっている。特に、米中関係の緊張やトランプ政権の政策方針への懸念が今後も投資家心理を左右する可能性が高い。また、日本企業の決算発表がピークを通過したことで、今後は個別材料を重視した取引が中心となり、日経平均の動きも不安定さを増す可能性がある。