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アニメ撮影で使える自己流グレーディング/プロジェクトファイル付き

昨今アニメ撮影でもグレーディングを行う作品が増えてきたように思えます。ここでは私が行っている自己流のグレーディングについてメモを書いていきます。様々な手法があると思うので、やり方の一つとして参考になれば幸いです!


グレーディング(カラーグレーディング)とは

カラーコレクションとカラーグレーディングの違い

私の理解でのざっくり要約

  • カラーコレクション

    • 素材を本来の色味に近づけ全体の雰囲気を統一する

  • カラーグレーディング

    • シーンの印象をより引き出すために色調整を行う

要はばらつきのある素材をカラコレで均一化しグレーディングで雰囲気調整するイメージ。
撮影された素材(-1:ばらつき)→カラコレ(±0:均一化)→グレーディング(+1~:表現加味)

ツール類は何を使うの?

色調整ができればグレーディングは可能で(厳密にはマスク切ったりする必要もあるのだが)AEの場合はLooksなど外部プラグインも充実しています。
DaVinciもグレーディング機能が備わっているのでこちらで行うという手もある。

私はトーンカーブ派なので、トーンカーブを使用して解説します。理由は、プラグインはお手軽にそれなりの表現ができますが、そのプラグインがないと対応できなくなってしまう点です。トーンカーブであれば、フォトショップでも対応できるというメリットもあります。

具体的にどんなことをすればいいのか?

ぜんぜんわからない俺たちは雰囲気でグレーディングをやっている
ティール&オレンジにしとけば映画っぽい雰囲気になるのでとりあえずティール&オレンジしとけって感じではあります……!

BASTARDでは意欲的にグレーディングを加え雰囲気向上を図っていたので過去のBASTARD告知まとめを見てみるとよく分かるかも。

※グレーディングを入れる前提の処理をキャラクターにも加えているので、フィルター処理だけではこの雰囲気は出ないです。

簡単トーンカーブ機能説明

さて本題のトーンカーブを使用したグレーディングの解説です。
まずは改めてトーンカーブの簡単な説明を。

簡単トーンカーブイメージ

カーブの右上が明るい部分、左下が暗い部分となっています。
Photoshopとは若干挙動が違うので注意。

元の状態
明暗を強める場合はこんな感じ
上げる方向を逆にするとコントラストが弱まる

RGBごとにも調整でき、明る方へ移動させると、明る箇所でのその色の要素が増え、下げると要素が下がるイメージ。
なのでティール&オレンジにする場合、赤は明るい部分に移動させ、暗部を暗い方向へ下げ、青はその逆にを行う。緑色はお好みで調整。

グラデーションが下地だと色変化がわかりやすいのでおすすめ

グレーディング実践!

アニメ塗りの場合、色情報が少ないのでグレーディングの変化が乏しい場合がありますが、強めにフィルターを入れた上でグレーディングするといい感じになります。

個人的には色は一辺倒になるのを防ぐ意味でグレーディングを行う場合が多いです。※赤系のシーン少し青を混ぜたりして画に深みを出したい
ただ好みの問題や作品の方向性にもよるので、この考えが正しいわけではありません。

いろいろなグレーディング

温かい雰囲気
冷たい雰囲気
温かい雰囲気を更に極端にしたもの
銀残し+グレーディングで戦争映画感
白黒映画感※一度白黒にしています
夕方のシーンなど

これは飽くまで一例なのと参考用に極端に処理をしています。
これがこのまま使用できる訳では無いので、シーン内容によって使い分けが必要です。実際にいじってみていい感じのところを探るのが一番です!

リファレンスサイト、動画

さいごに

これまでの話は誰かに教わったわけでもなく、個人的な感覚や独学でやっていることなので、間違っていることも非常に多いと思います。本来であれば色の意味をしっかり理解して、演出として組み込めるのが理想ですね。

わからないから取っ付きづらいと思っている方も多いと思いますが、私は何となく画に深みが出したかったり、映画の雰囲気を出したい、まわりと差をつけたいという理由で始めました。なので「とりあえずやってみる」でいいと思います。
この記事がグレーディングを始めるきっかけになれば嬉しいです!

また自己流なので「私はこうやっているよ」「これは違うよ」などなどご意見感想をいただけるととても嬉しいです。
その他感想やご意見、お仕事の相談など、ぜひお聞かせください!
皆さんの声が励みになります!

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