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Photo by
momonotane
時の流れ止まれし世界 3
想鐘 虎鷹
何れの御時にか、チェリーマンが、眼を覚ますと、其処では、多くの人らしい者たちが、凄惨な責苦を受け、絶叫が耳に響いている。
如何やら、反宇宙世界の地獄とでも、いうのが適切なトポスであるらしい。
反宇宙であるので、ひょっとしたら、此の世界では、天國であるのかも……
また、此処は、此の世界の何処いら辺の場所に存在するのが、穏当であろう。
と、様様、思考してる内に、獄吏が、彼を責なぶる。
余りの激痛に、最初は顔を歪め、耐える。
だが、程なく、閃き、笑ってみた。
声を挙げて、笑えば笑う程、痛みは軽減し、かえって、楽しくさえ、感じて来る。
すると、他の多くの虜も、笑い出し、いつしか、笑い声が谺し、まるで、極楽だ。
獄吏も遂には、大笑い。
是を天國と思しき処から、観察してた住人は、幸せで、かえって、ウンザリ感じていて、ついぞ、大声で笑う事も忘れてたので、天國の國長に申請書を提出し、移住する者は加速度的に増えて行く。
この出来事により、天國も地獄も、区別のつかぬ、極楽状態──
其処へ、ブロッサムが、やっと、吾が背を見つけ出し、二人は瞬時に、眼から雫が溢れ出し──◯▽✖︎◇……
其れに触発されて、周りの殆ども、万有淫欲の法則に抗う能わず。
こうして、人口というか、個体数は増えて行く。
よく、この吾吾の地球でも、人口が多過ぎると、様様な事がなされている。
でも、其れって、誰かが、如何にかして、操作しなければいけないのだろうか。
力のある人は、秘密裏に事を運んでいる。
其れが、バレたら、膨大な怨みを買う。
其の負の感情を防ぎ切れるだろうか。
其の張本人に良心があったら、多分、自身で自身を裁く結果に。
でも、其れを充分承知で、已むに止まれず、したのなら、其のご本人の純粋性が如何程のものかで、結果は齎される。
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