追いついてまた放される
桜も満開を迎え、新年度が始まろうとしている。私にとって新学期というものはそれぞれが歩む道の違いを痛感する時期でもある。
というのも私は1年間浪人して大学に入学したため、周りの友人は私より早く先のステージに進むのである。大学入学、進級、就活、卒業と友人の歩む道に追いついきながらも、また突き放される。そして今年、友人は新社会人への扉を開き新たな人生を歩む。
ここ数ヶ月で自分の人生について考える機会が多かった(noteのおかげでもある)。そして、「自分は自分」と考えるようになり、ワクワクした人生を送っていたが、新社会人を目の前にすると、多少なりとも自分と比較してしまう。
この春休み実家に帰省し多くの友人に会った。浪人や大学で6年を過ごす友人もいるが、数週間後に働き始める友人をみると表現し難い感情に襲われる。羨望、嫉妬、無惨、哀感とはまた違うのである。
正体のわからない感情に対して、率直に「頑張ろう」と思った。これまで様々な場面で頑張ろうと思ったことはあったが、今回ほど心の底から湧いたことはない。友人の存在は、私に心の底にある想いを大切にして、この想いと一緒に自分なりの人生を謳歌しようと思わせてくれるのである。