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生産性⑤ 伊賀 泰代

読書ノート(10日目)
さて、この本も今日で5日目ですね。
今までは「生産性とは?」に注目して紹介をしてきましたが、
今回は業務の生産性向上に繋がる研修を紹介します。

・業務の生産性向上に直結する研修とは、ロールプレイング研修
・研修参加者にマネージャーの仕事とは
 「トレードオフが存在する状況において判断を下すこと」と理解させる。
 端的には、決断することと、リスクに備えておくこと
 完全な正解など存在せず、
 リスクを取って決断するのがマネージャーの仕事と理解させるRPG研修
・例として、自分で正解が分からない際に「上司に相談する」を選ぶと、
 「時間が経過し事態がより悪化する」等、資源が限られる状況を作る
・「家庭か仕事か」の問いにも、顧客との会食を優先する際の判断軸として
 顧客と打ち解けて生産性が上がる可能性があるなら今回は接待に行く等
 様々な選択肢の中から自身で状況を判断し言動を決断させる
・状況設定の題目例として「仕事を辞めたいと言い出した部下との面談」
 「大きなミスをした部下との面談」
 「労働組合メンバーに方針説明する場合」
 「5分しか時間の無い上司に電話で業務報告をする際の話し方」など

「生産性」 伊賀 泰代

このRPG研修の特徴として、参加者が新任マネジャーだけではなく現役の経営層(マッキンゼーではパートナー層)も含めてマネジャー以上の全員が参加するという点から、会社がこの研修を重要だと考えているというコミットの強さを感じました。

僕自身、人事企画の仕事をしていた際に研修の企画設計を担当していた事があり、この研修設計に関する話は関心が高い内容でした。
当時は「教え方の科学」であるインストラクショナル・デザインの考え方をベースに研修設計をしていました。
今後もし研修設計の仕事をする機会があればと思い、備忘メモとして以下にインストラクショナル・デザインのポイントを残しておきます。

・学習者検証の原則
教え方が効果的であるかそうでないかは、学習者が実際に成果を上げたかどうかだけによって検証されるとしたものである。
つまり、教授者側の「教えたつもり」や「熱意、努力」ではなく、
学習者が学習目標を達成したかどうかに関心を持つということである。
学習者検証の原則を採用すると、学習成果があがらなかった場合の責任
はすべて教授者にかかってくることになる。

・オーセンティックな評価法の採用
オーセンティックな評価とは、学習された知識やスキルが、具体的な状況や文脈の中で発揮されたものを評価するということである。
学んだ事柄が、日常的、あるいは実践的な文脈でどのように生
かされるか(転移されたか)ということが重要。
それはペーパーテストで測られるような、教室の中だけでの学力ではない。

・コース設計のロケットモデル
まずニーズを把握し、ニーズ分析をした上で、ゴールを設定する。
これによって、ロケットのエンジンとその目標が設定されたことになる。
続いて、授業や研修の中心である活動を設計する。これは学習者がその
コースにおいてどのような活動をするのかという詳細である。その活動を
支えるのは、両翼であるリソースとのフィードバックである。
リソースは、学習者の活動を支える。
また、フィードバックは学習者の活動を修正し方向づけるのである。
ここで重要なのは、教員のレクチャーもリソースの1つであるという位
置づけである。ロケットの胴体である活動は、学習者の活動であって、教
員の活動ではない。ロケットモデルにおいては、学習者の活動が中心であ
るということは基本前提であり、当初からアクティブラーニング的な要素
が組み込まれているのである。

「インストラクショナルデザインの観点を採用したアクティブラーニング」向後 千春
「コース設計のロケットモデル」
引用元:https://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/publications/journal/no17/10.pdf

インストラクショナル・デザイン自体は、第二次世界大戦時にアメリカでその大半が築かれた分野と言われています。
米軍が大量の兵士たちに複雑な銃火器などの操作方法を短期間で効率的に教える為に「教え方を科学」したというのが背景にあるようです。

インストラクショナル・デザインのポイントは、
学習者に焦点を当てて、研修の前後でどう言動が変化したかを研修効果として評価するという事。
その学習効果を高めるために必要な事は全て設計の対象になるという考え方です。(なので「研修を実施したから良し!」とはならないという事です)

当時の研修設計でのこだわったポイントとしては
研修自体の内容を双方向やRPGでのアクティブラーニングにする以外にも、
・参加者に研修案内をする際に、上司から期待を込めて伝えてもらうなど
 本人の研修参加へのモチベーションや関心を高める方法を考えたり
・事前課題を出して、参加者の理解度に応じてグループ分けを工夫したり
・研修後は何が学びだったかと、今後どう自身の仕事で活用できそうかを
 文章で提出してもらい、事前課題と比較する事で研修効果を測ったり
素人ながら、工夫しながら研修設計していた事を懐かしく思い出しました。

と気づいてみたら、生産性の本の話よりもインストラクショナル・デザインの話がメインになっていました…😅
それではまた明日ー!

Productivity
Reading Notes (Day 10)

Well, today is the fifth day of this book.
So far we have focused on "What is productivity?" but this time I would like to introduce you to a training program that will help you improve the productivity of your operations.

One of the unique features of this RPG training was that all participants were managers and above, including new managers and current managers, which showed the company's strong commitment to the importance of this training.

I was in charge of planning and designing training programs when I was working in human resources planning, so this discussion on training design was of great interest to me.
At the time, I was designing training based on the concept of instructional design, which is the "science of teaching.
I would like to share some of the key points of instructional design as a reminder in case I have the opportunity to work in the field of training design in the future.

Instructional design is said to be a field that was largely established in the United States during World War II.
The background of the field seems to be that the U.S. military "made a science of teaching" in order to efficiently teach large numbers of soldiers how to operate complex firearms and other weapons in a short period of time.

The point of instructional design is to focus on the learner and evaluate the training effectiveness in terms of how their speech and behavior changed before and after the training.
The idea is that everything that needs to be done to enhance that learning effect is subject to design.
(It is not a matter of "we conducted the training, so it's good!")

Other than making the content of the training interactive and using RPGs for active learning, I also considered ways…
・ When giving participants information about the training, have supervisors communicate their expectations to them, and consider ways to increase their motivation and interest in participating in the training.
・Issue preliminary tasks and devise groupings according to participants' level of understanding.
・After the training, have participants submit written reports on what they learned and how they can use the information in their work in the future and measure training effectiveness by comparing it with the preliminary tasks.

I fondly remember how I used to design training programs as an amateur, but with a lot of ingenuity.

And then I realized that I was mainly talking about instructional design rather than the book "productivity "... 😅
See you tomorrow!


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