丸3年、福岡でフリーランスをやってきて思うこと
元々、そこまでブログを更新することが続かないタイプの人間なので、何かネタがあるときしか更新しない気まぐれブログですが、今回はふと思い立ったことがあるので、思い切ってブログに残してみることにしました。
まずは自己紹介
一応、私の自己紹介を最初にしておこうと思います。
福岡で生まれ、福岡で育ち、現在も福岡在住のフリーランスでデザインの仕事をしている維口(いのくち)と言います。
Twitter:taka11975
Facebook:taka11975
30歳まで博多のデザイン事務所で、約6、7年程Webデザイナーとして勤め、その間いろいろな業務に携わり勉強させていただきました。
なので、メインはウェブの構築、デザインですが、グラフィックデザイン、ロゴデザイン、動画制作、ディレクションなど広く浅くやってる感じです。
今では、たまにイラストも描くようになったし、趣味で一眼カメラなんかも触ってます。
後、習字なんかも趣味の範囲でやったり、実際にモノをつくることも好きです。(アイロンビーズとか、掛け時計作ったり)
趣味はというと、それこそ幅が広すぎるのでここでは割愛します。
気になる人は、Twitterなどを覗いてみてください。趣味が駄々漏れしてるので笑
なぜ、フリーランスになったのか
自分は物事を順序立てて説明していくのがあまり得意ではないので、思いついたことから書き記していきます。
フリーランスになった理由についてですが、実はフリーランスになりたくて前職を辞めたわけではないです。
あまりこういう場で書くことではないかもですが、そりゃ6、7年も同じ会社で仕事していたら、何かしら思うことや嫌なことなどはたくさんあったわけで、辞める数年前からなんとなく「辞めようかなぁ」と思ってはいました。
しかしそのときは、会社を辞めてから何をするとかは決めてなく、むしろゲームが好きだからゲーム会社に就職しようかなと思い、会社勤めしながらひっそりと転職活動をしていました。
当時は結婚もしていたこともあり(今は...)、すぐに会社を辞めるだとか、転職をすることに踏みきれなかったのですが、やっぱり今後の人生でもっといろんなことをやっていきたいというのは漠然とあり、かついい加減当時の会社に見切りをつけたいなーって思っていたところだったので、30歳になる時点で辞めようと決意は固めてました。
辞めてからすぐは、本格的にゲームの関連会社に片っ端から履歴書を送りまくりました。
もちろん、それまでゲームに関する仕事に携わった経験は皆無だったため、書類で落とされることもありましたし、なんとか面接までさせてもらった会社もありました。(福岡では割りと有名なゲーム会社)
しかし、そこまで甘い世界ではなく、当然ながらゲーム会社に就職することは叶いませんでした。
それでもまだ諦めきれず、かつこのままいい年したおっさんがフリーターを続けるわけにもいかないので、派遣登録をして、そこでもゲーム会社への勤務希望のみを出し続けてました。
そんなゲーム一本の活動を続けて5ヶ月近く経ちましたが、まったくと言っていいほどゲームの仕事に携わることができず、とうとう12月も終わろうとし、失業保険も食いつぶしかける自体に陥りました。
フリーランスになる前置きがかなり長くなってしまいましたが、年明け早々にようやくフリーランスになろうと決意しました。
決意した理由は割りと明確ですが、動機は正直不純です笑
それでもゲームの仕事(というかゲームづくりに携わりたい)への想いは未だにあって、例えばゲームの道以外で自分のスキルを活かして、遠回りしてでもゲーム関係にいずれはたどり着く方法はないか考えた結果、自分には「デザイン」の仕事があると思い立ちました。
さらに理由はもう一つあって、数ある職業の中でも「デザイン」という仕事はそう簡単にはなくならないのではと思ってました。
例えば、人間が創りだすあらゆるものは、すべてにおいて「デザイン」が施されている。という発想の元、デザイン業だったら、当面はやっていけるだろうというこれまた甘い考えで、この職種を選択しました。
ここで大事なのは「Webデザイナー」だけを選ばなかったということです。
また別の機会に話すことになるかもですが、「Webデザイナー」という仕事は結構近い将来なくなるんじゃないかと、個人的に思っています。
つまり、私が現在フリーランスとして活動させてもらっている業種のメインは「デザイン」です。
細かく言うと、「デザイン制作」「デザインを活用したブランディング」になります。
ちなみに、「もっと自分のスキルを活かせる職場で、再就職とかは考えなかったのですか?」とかなりの割合で聞かれるのですが、答えは即答でノーです。
理由は単純明快で、もう人の下で働くのが嫌だからです。笑
どんな環境で仕事をしているか
とりあえず、よく聞かれることから書いていきます。
フリーランスになった当時はちょうど3年前でした。
当時の環境は、それまで持っていたiMacをメイン機として活用することにしました。
それ以外は、iPhoneが1台だけ。
職場はもちろん自宅で、昔買ってた作業用デスクと、これも当時、楽天で2000円くらいで買った背もたれ付きのイスが一脚のみでした。
実は、当時はまだ引っ越したばかりということもあり、インターネットすらひいてませんでした。
なので、最初の2〜3ヶ月のうちは、オフライン環境で仕事してました。笑
当時の私は、「Webの仕事はできればやりたくない」という反骨精神もあってか、意地だけでネットはひいてませんでした。笑
当時の環境はいいとして、今の環境はその当時使っていたiMacがまだ生き延びてるので、今でもメインで使っています。iMacに加えて、27inchのサブディスプレイも買いました。デュアル環境は男の夢かなと。
後はサブ機として、Mac Book Airも買いました。
他には、Nexus7が1台、iPhoneは機種変を2回しているので、iPhone4s、5s、6sがそれぞれ一台。
プリンターは1台ありましたが、今は家にはないです。(厳密には印刷はできない複合機が1台あり)
フリーランスになった直後は、実はWi-MAXのようなポータブルWi-Fiを契約していたのですが、いろいろな事情で今はないです。ただ、今となってはスマホで気軽にテザリングができるので、特に困ったことはないです。
仕事場は大きく分けて3つで、1つはもちろん自宅兼事務所。
デスクは当時のままですが、イスを最近楽天で購入し、いつでも寝れるスタイルに切り替えました。笑(ほぼ180度にリクライニングします)
2つ目の場所は、現在友人が経営している会社が天神にあるので、天神・博多付近に行く際は、利用させてもらっています。(立地もいいし、24時間いつでも使えるのはいい。あと光回線がいい)
3つ目は、特定の場所というより、いわゆるノマドスタイルです。
主に利用するのはやはり「スタバ」になりますが、最近では無料でインターネットを使える環境が増えてきたので、スタバ以外のカフェや、インキュベーション施設などもたまに利用します。
でも頻度としては、カフェがほぼです。
収入について
この質問が一番よくされる気がする。笑
ま、実際、私もフリーランスになる直前に一番悩んだのは、やはり「安定収入」の問題です。
ここは結論だけ先に言うと、正直3年経った今でも、決して安定しているわけではありません。
むしろ、僕はお金の管理が非常に下手くそなため、支出が多く、年間を通すと明らかに赤字な気がします。笑
「気がする」という理由は、帳簿などを細かくつけていないので、未だによく把握していないからです。
毎年の確定申告時期に死んでます。
ここだけ聞くと、「やっぱり会社勤めしていたほうが収入は安定するんじゃないの?」って思う人もいるでしょう。
ぶっちゃけ、私もそのとおりだと思いますし、フリーランスで食えなくなったから就職する。ということ自体は否定しません。むしろ、生活していくためには、大事なことだし、冷静に見ると正しい判断だとも思います。笑
例え収入が安定していなくても、ジリ貧な生活を送っていても未だにフリーランスをやめない理由はただ一つで、「自分のペースで、自由に仕事をしたい」からです。
この理由については、賛否ある方もいるとは思いますが、私がそう思っているので、そうなんです。
金額の相場がわからない
気づいたら、ただの質問に答えるコーナーになってしまっているけど、まぁいいや。
これも結構聞かれます。
この質問に関しては、あまり私のケースは参考にしないほうがいいとは思います。
なぜなら、私は未だに細かな価格設定がないからです。
言い値と言われればそうだし、気分と言われればそんな気もします。笑
これには一つ理由がありまして、私の場合、仕事をする上で最も大事だと思っていることが、「金額ではなくどれだけ自分が面白いと思える仕事か」です。
要するに、どんなに金額が高くても、自分が面白いって思えなかったら受けないし、逆にどんなに安くても面白いって思えたら進んで受けます。ぶっちゃけ相手によってはタダで受けることもあります。
これも賛否いろいろ意見はあるかと思いますが、別にいいんです
一番大変だったこと
この内容に関しては、主に「仕事において」と「生活において」で分けて書きたいと思います。
まず、仕事において一番大変だったことは、正直言ってないです。
というより、会社勤めしていたときのほうが、明らかに大変だったし、その環境が嫌だったからフリーランスになったのであって、今はある程度自分の尺度で仕事ができるので、ほぼストレスはないし、会社勤めしていたときに比べて大変だったことは本当にないですね。
もちろん、フリーランスになったことで、労力や責任が直接自分に降りかかってくるので大変だろうと感じる方もいるかもですが、それでも今の環境が好きすぎて、そういうことが大変だと感じたことはないです。
というか、責任なんかは特にですけど、会社勤めしていても大事な要素の一つじゃないですかね?
会社勤めしているから責任感が薄い、フリーランスだから責任感が重いと考えている人は、そもそも考え方が甘い気がします。
じゃあ逆に「生活において」大変だったことですが、単純に「食えない時期があった」ですね。笑
今だから笑い事で済ませられるけど、当時は結構やばかったです。
食べ物がないならまだしも、ライフラインが途絶えた時は本当にどうしようかと思いました。
そのせいか、僕はもうあらゆるローンも組めないし、きっとクレジットカードも当面はつくれないと思います。笑
フリーランスになって良かったと感じること
逆にフリーランスで良かったと思うことは、ありすぎて絞れないです。
収入も安定せずに、食うことにも困る時期があったにも関わらず、それでも「自由」な生き方が自分には合ってるんだなと改めて感じます。
単に「自由」と言うと誤解を招くかもしれないので、別の表現に置き換えると「自分らしく生きれる」という感覚です。
フリーランスにとって大事なこと
ここからはようやく、私の意見を述べたいと思います。
丸3年、フリーランスという立場で仕事をしてきましたが、大事だなと思うことをまずは簡単にまとめてみます。
実は自由ではない
お金稼ぎを目的としない
仲間
人付き合い
自分の時間をつくること
目標
信念
たぶん、他にもあるかもですが、今私が思いつくのはこんなとこです。
では、一つ一つを簡単に解説したいと思います。
実は自由ではない
これは、フリーランスになりたての当時の私が最初に直面したことでした。
「自由」と表現すると誤解を招くと前述したとおり、思ってたほど自由ではないと気付かされました。
「フリーランス」=「自由に働く人」だと、当時はそう思っていましたが、ちゃんとクライアントと向き合って、きちんと仕事をしていけばいく程、ある種の自由は制限されるものだと痛感していきました。
お客さんとの打ち合わせに割く時間、納期に間に合わせるために割く制作時間、いろいろな人との顔合わせや営業活動、その他の活動にも時間を割かないと、よりよくフリーランスとしての活動の幅は広がりませんでした。
なので、ほんっとうに自由気ままに仕事をするという選択肢ももちろんありますが、それだとフリーランスとして、長くはやっていけないんじゃないかなと考えます。
お金稼ぎを目的としない
収入なくて困った時期があったくせに何を言ってるんだと思う人もいるでしょう。
ただ、本当にお金を稼いで、豪勢な生活を送りたいと考えているのであれば、フリーランスではなくて普通に会社でも起こしてやっていったほうがいいと思います。
そっちのほうが、間違いなく多くの利益を生むことができるし、かつ好きなこともできます。
社員が育てば、そのうち自分の手から実作業的なものも離れるでしょうし、いいことづくしでしょう。
それでも私が会社経営、法人運営をやらない理由は、別にお金を稼ぐことが目的じゃないからです。
フリーランスでも、うまくやってる人はお金稼ぎできている人も少なからずいるでしょうが、僕はそういう人は稀だと思ってます。
より多くの利益を生みたいと考えている人は、フリーランスでまずはコツコツと考えている暇があるなら、思い切って会社を起こすことを強くオススメします。
仲間
なんかワンピースみたいなノリになってますが、フリーランスになってからの仲間は本当に大事だと思います。
フリーランスなんて、所詮リソース的には限界があるので、絶対的に他者の助けが必要になります。
その上で、「仕事上の仲間」、さらには「気ままに話せる仲間」といった人たちは、大事な存在となり得ます。
フリーランスで仕事をしていくと、自分の能力・知識では及ばないことに必ず直面します。
そんなときに、損得抜きにして相談に乗ってくれる、協力してくれる仲間は一人でもいいので、見つけておくといいかと思います。
人付き合い
この場合の人付き合いは、仲間とはまた違って、自分を取り巻く全ての人達を表します。
例えば、仕事で関わる人達。例えば、クライアント。例えば、友人。などなどです。
私の場合、「この人ちょっと苦手だなー」と思った人は、さりげなく距離をとって、かかわらないようにすることもあります。笑
こんなワガママな動きをとれるのはフリーランスならではではないでしょうか。
会社勤めしているときは、そうもいきません。
フリーランスにおける人付き合いは、自分にとって良い人・悪い人をきちんと見極めて、思い切って分けていく作業も大事だと考えます。
自分の時間をつくること
私自身、正直言うと未だに自分の時間をつくることはできていませんでしたが、やはり大事な要素の一つです。
ここで言う「自分の時間」とは、「自分が自分らしくいられる時間」と置き換えたほうが分かりやすいかもしれません。
フリーランスという立場は、仕事もプライベートも一緒になりがちですが、私は別に混同してもいいと思ってます。というか立場上しょうがないかなとも思います。
それよりも大事なことは、いかに「自分らしい時間」を少しでも持つことができるかです。
私の場合の「自分らしい時間」は、「一人でいること」ももちろんですが、「好きな仕事(作業)をやっているとき」も割りと自分らしくいれる瞬間なので、仕事をしているときでも苦ではないです。
目標
これがない人は、できるだけ早く目標をたてたほうがいいです。
私の場合、昔から小さなことでも目標を立てるクセがあるので、目標をたてなかった場合を経験したことがないんですが、周りにいるフリーランスの人で、目標を掲げてない人の多くが、自分の方向性も定まらず、うまくフリーランスとして仕事をやっていけてない現状をよく目にします。
というか、目標もないのにフリーランスになるくらいなら、会社勤めをしながら安定収入をもらって生活していたほうがよっぽどマシだと思います。
なので、目標がない時点では、フリーランスにはならないことをオススメします。
信念
最も大事だということで、最後にもってきました。
ここで「信念」とは、という定義の議論をするつもりはないので割愛しますが、あくまで自分自身の考える「信念」に基いて考えてもらいたいです。
当たり前ですが、人は誰しも、何かを成していく上で「信念」を掲げてやっていくことは重要ですが、ことフリーランスに関しては最も重要だと感じています。
フリーランスは基本的には「孤独」です。
そして「孤独」だからこそ、自分が信じる、そして他者に信じてもらえるための「信念」は常に掲げておかないと、どんな仕事も大成しないと持論ですが考えています。
フリーランスにおける「信念」こそが、自身のアピールにつながります。
フリーランスになろうと思っている人に一言
まだまだ言い足りないですが、あまりまとめ上手ではないせいか長くなりすぎてしまったため、一旦ここで締めてまとめたいと思います。
まず、フリーランスになりたいと考えている人は「なぜフリーランスという選択か」をもう一度よく考えてみてください。
今考えていることは、会社勤めしている状態でやれないのか、会社を経営するほうがうまくいくんじゃないのか、別の誰かと協力してやれないか、などなど、方法はフリーランス以外にもたくさんあるということはまず考えておきましょう。
それと、あなたが思っているほど自由ではないというのもわかってもらえたと思います。
自由を履き違えて、「フリーランスで仕事したい」と考えている人は、フリーランスというより、フリーターになることをオススメします。
間違いなく自由に生きていけるでしょう。
それでも、フリーランスについてよくわからない、もっと詳しく聞きたいという方は、福岡の人であればいつでも話を聞きに伺いますし、県外の人であれば交通費さえ出してもらえればそこまで向かいます。
また、思い立ったらこの手のネタは書こうと思います。