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成功事例に学ぶ価格転嫁の具体策(製造業、アウトソーシング業)

価格転嫁は無理と思い込んでいる経営者はいまだに多い。30年以上続いたデフレ経済下において価格転嫁ノウハウを喪失したといっても過言ではありません。しかしまだ遅くはありません。今回は製造業やアウトソーシング業等BtoBにおける価格転嫁成功事例から学びます。


1.SWOT分析により強み・弱みを踏まえた戦略を展開する下請製造業

A社は真空成型やシリコンゴム成型および電子部品組立を行う製造業ですが、取引の7割が下請仕事です。失注や新規の仕事が取れなくなることを恐れこれまで取引先と交渉していませんでした。コンサルタントに支援を受け、上場企業取引先に対し交渉し、原材料分の価格改定には成功しました。これにより売上の50%程度は採算の取れる価格改定ができました。

しかし自動車関係の下請仕事では、他者への転注をほのめかされたり、価格交渉を拒否されたこともありました。A社は価格転嫁を進める上で原材料やエネルギーの価格高騰以外の「理由」が必要と考えるようになり、SWOT分析を経営者・従業員合同で実施しました。シリコンで30色以上の色が出せることは強みである、また取引先から指摘された「他社より当社が高い理由」を考えたり、することを通じて強みと弱みを自覚することで、価格交渉や営業が変わること実感できました。

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