39. フランクフルトと肩甲骨のアブない関係
9月に入り、いよいよ名城対抗戦まであと2週間と迫っていた。
私達のカップルはなんとかコンタクトを離さずに踊り通せるようにはなっていた。
しかしながらデヴィ先輩はまだまだ物足りないようである。
「う〜ん、コンタクトはだいぶ良くなったわね。あとはホールドね〜。」
はぁ。
「後半になればなるほど崩れてきちゃうのよね〜。」
どうしたらいいんすかね?
「そうね〜、まずアナタ達はどこでホールド頑張ってるの?」
もちろん腕っす!
「わ、私も。」
「確かに形を作ってるのは腕だけど、ホールドは肩甲骨から作るのよ。」
へぇ〜。
「腕の筋力だけでホールドしてるからすぐに疲れちゃって続かないのよ。」
なるほど〜。
「ボクちゃん、自分のパートナー何キロあると思ってるの?」
・・・ノーコメントで。
「どんなに軽い子だって40キロ以上はあるのよ。それを2分近く腕の力だけで支えるって無理があると思わない?」
まぁ、確かに。
「ホールドは肩甲骨でつくるべし!」
あの、具体的には?
「まずは肩甲骨をキュッとシメる!」
こんな感じすか?
「そうそう。そのまま組んでごらんなさいな。」
あっ! 何かさっきより女性が軽い!
「でしょ。でもあんまり腕には力が入ってないんじゃない?」
ホントだ! これならイケそうっす!
「次は女性ね。」
「はい、お願いします。」
「アナタはもうちょっとシメないとダメね。ほら、こんなにガバガバよ。」
先輩は彼女の肩甲骨の間に中指を入れグリグリと押しまくる。
「あっ❤️ そんなにかき回されたらアタシ・・・。」
なんかコツとかあるんすか?
「肩甲骨の間にフランクフルトを挟むイメージで💋」
はっ?
「こ、こうですか?」
「そんなんじゃゼッンゼン挟まってないわよ。中でもっとキュッてして。」
「中ですか?」
「そう、中でキュッとシめないとすぐヌけちゃうでしょ💋」
「んっ❤️」
「もっと奥まで💋」
「んんっ❤️」
「いい調子よ! でも固めちゃダメよ。」
「カタくしちゃダメなんですか?」
「そう、潰さずヌカさずよ💋」
「絶妙な力加減なんですね。」
「アタシのはちょうど良くシマってるわよ💋」
そう言うとデヴィ先輩はホールドを作り私達に背中を見せる。
「ちょっとイれてみなさい💋」
「し、失礼します。」
パートナーが指を2本入れてみる。
ズブッ!
「あっ、こんなに奥まで入っちゃう❤️」
「どう? アタシの締まり具合は?」
ん? このセリフどっかでも聞いたような。
まぁ、いいか。
「すご〜い、こんなの初めて〜❤️
全然ヌケないのにカタくない!」
「フフッ。でもアナタのもさっきより大分良くなったわよ。組んでごらんなさい。」
早速ホールドしてみる。
おっー! めっちゃ広くて軽い!
「ホントだね!」
「そのホールドで踊ってみるといいわ。」
それで踊ってみると最後までホールドは崩れず、疲れも今までの半分くらいだ。
「あとはそれを当たり前にすることね。今は意識しないとすぐ崩れちゃうからね。」
そう言うとデヴィ先輩は去っていった。
次回、邂逅編リブート!
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