14.ルンバのリズムはセクシーに香る
惨憺たる結果に終わった初めてのワルツであったが、練習を重ねる内になんとか密着しながら踊れるようになってきた。
しかし慣れとは恐ろしいもので、踊れるようになる頃には密着は当たり前のようになっていたのである。
あの時の私の気持ち、カムバッーク❗
ワルツが一段落した所でどうやらまた新しい種目に突入するらしい。
「今日から新しくルンバやりまーす!」
「ルンバ」はさすがに聞いたことが無い。
「ルンバはキューバが発祥のダンスで、男女の愛や葛藤を表現するダンスだよ。」
へぇー、エモいっすね。
「いろんな説があるけど、もともとアフリカから連れてこられた黒人奴隷が、鉛の足枷を付けられながらも愛を表現する為に踊ったのが始まりらしいよ。」
急にエグいっすね。
「だからルンバはゆっくりとした滑らかな動きが特徴なんだ。鉛の足枷が付いているからね。」
ほほぉ〜、背景がしっかりあるんすね。
「じゃあまずは見本をみせるからね。
じゃあ、入って来て〜!」
先輩が入口の方に声を掛けると、セクシー先輩が登場した。
会場内にどよめきが起こる。
なんと今日はミニスカートだ!
すらりと伸びた両脚が惜しみなく披露されている。
しかも生足である。
さらに右サイドにスリットまで入っている。
脚の付け根までほぼ丸見えである。
ブハッ! 鼻血が・・・。
ここ、お店じゃないよね?
セクシーにも程がある。
しかし何故そのような格好を?
「キューバは常夏の国だからね。服も薄着なのさ。」 (ホントか?)
ラッキー❗ キューバ、ナイス!
「じゃあ踊ってみるよー!」
先輩方が向かい合う。ホールドはしないらしい。
男性の左手と女性の右手だけが繋がっている。
ゆっくりとした4拍子のリズムが流れだし、それに合わせてステップを踏み出す。
手は繋がっているが、お互いに違うステップを踊っている。ワルツのように対称ではない。
そして何かクネクネしている。
腰の動きが異様に激しい。
腰を左右に振ったり、突き出したりしている。
腰を後ろに突き出すとミニスカートから右側のお尻が見えそうだ。
あっ、惜しい。もうちょい。
「女性のあの腰の動きは男性を誘ったり葛藤を表したりしてるんだ。」
誘われてぇ〜❗
ホイホイ付いていっちゃうよ。
そしてその表情も峰不二子ばり。
「ルパ〜ン💋」という声が聴こえてきそうである。
思わず「フ〜ジコちゃ〜ん😍」と言いそうになってしまう。
あっという間にデモンストレーションが終わり、踊り終わったセクシー先輩がこちらへ近づいて来た。
「どうだった、坊や。アタシの情熱のルンバは?」
とってもエロ、じゃないエモーショナルでした!
「早くステップを覚えたら一緒に踊れるわよ。」
はい! ソッコー覚えます!
「ワルツの時みたいに焦らさないでね。早くアタシを楽しませて💋」
頑張りまーす!
こうしてまたルンバにもモチベーション高く練習に取り組むこととなる私であった。
次回、ルンバの情熱がほとばしる!