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(2/2)勉強嫌い、やる気を出せない子へのアプローチをユーモラスに学ぶ!『子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法(篠原信)』
前回の記事はこちら⇩
【親や教師の観察眼の重要性】指示で子どもを動かすよりも前に、よ~く観察して仮説を立てよう
計算問題に取り組めないでいる子が
目の前にいたら、
みなさんはどのようにその子を分析しますか?
「九九やくり下がりに不安があるのかな?」
と考える人は
理解力に原因があると考えてしまう思考の癖が
あるかもしれません。
私たちが相手にしている子どもは
一人ひとり違う特性をもっていますから、
それぞれに抱えている課題はちがいます。
ということは、
手立てもその子に合った手立てが
子どもの数だけあるはずです。
取り組めない原因を
理解力の低さに結論付けるのは
少々短絡的かもしれませんね。
ところが、
大人はそんな子どもに対して
「早くしなさい」
「こうやって計算しなさい」
と、その子のペースを尊重することなく
言葉の指示で子どもを動かそうとしてしまう
ものです。
(学校現場が最たるものかもしれません。反省です・・・)
時間的制約や効率を優先するあまり、
子どもの実態に合っているとは言えない方法を
押しつけ、
その結果主体性や能動性を損ねてしまうのです。
そこで重要なのは、
子どもをよく観察して
問題がどこにあるかを推論し、
仮説を立てて手立てを試していく
という試行錯誤に大人が取り組むことです。
「早く終わること」
「効率がいいこと」よりも、
子どもとのボタンの掛け違えを回避し、
悪循環を生まないことの方が大切なのです。
手間も時間もかかりますが、
その方が子どもが「何かを成し遂げる瞬間」を
たくさん味わうことができます。
とはいえ、
子どもを簡単に「理解する」なんて、
たくさんの児童生徒と触れてきた
ベテランの教師たちにも難しいことです。
そこで、
子どもを観察する様々な「タイプ」や「傾向」を
学ぶ必要があります。
本書の中で篠原さんは
子どもの個性には「意欲型」「放散型」「委縮型」の3タイプがある
子どもの理解の仕方には「なぜ?」さんと「役立つ?」さんの2つがある
子どもの学習スタイルには「毎日コツコツ型」と「ラストスパート型」がある
といった分類を示しています。
これらの分類をうまく組み合わせながら、
「うちの子はこういうタイプなのかもしれない」
と、対応を工夫していくと、
何回かに1回は
「お、がんばって取り組んでいるなあ」
という場面に遭遇できるかもしれません。
(少ない!と思うかもしれませんが、
それがきっかけになって次の成功につながります。
大きな大きな一歩です)
大事なのは
親や教師の指示を的確に遂行させるのではなく、
「その子」をよく観察しながら、
「その子」に合うやり方を
試行錯誤しようとする姿勢なのです。
【子どもを信じて待つ】手を変え品を変えて子どもが成し遂げるのを見守り、一緒に喜ぼう
「信じて待つ」は「放任・放置」とは違います。
子どもを言葉で動かそうとしすぎると
主体性や能動性を損ねてしまいますが、
かといって子ども自身が
ゼロから主体性や能動性を
ムクムクと大きく育てられるかと言ったら
それも違います。
主体性や能動性が発揮されるように、
子どもの好奇心をくすぐってみたり、
時に大人げなく打ち負かしてみたり・・・
手立ては無限にあるのです。
大事なのは子どもが主役になれることと、
子どもと大人のボタンの掛け違えを防ぐこと
です。
時間がかかるかもしれない。
見栄えはよくないかもしれない。
それでも、
子どもが「やった!」「成し遂げた!」という
瞬間に立ち会った時には、
驚き、喜びといった感動を
一緒に味わいましょう。
うちの3歳の娘は
「見てて!」を一日に100回くらい言いますが、
少し大きくなっても
子どもは自分のやっていることを
見ていてもらいたいものです。
自分が苦労して成し遂げたことなら
なおさらです。
その「出来た!」を
「それくらい当たり前だよ」と冷めた目で見るのか、
「できちゃうなんてお父さんびっくり!うれしいなあ」と
感動の共有のチャンスと見るのかで、
その後の主体性や能動性には
大きな差が生まれることでしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
費用対効果や時間対効果、効率といったものが
重視される時代ではありますが、
子育てはそんな単純なものではありませんよね。
私も2児の父として、
日々それを実感しながら
子どもたちと向き合っております。
この本の「おわりに」では、
篠原さんの「楽しんじゃえ」という言葉が
印象的でした。
子どもは未熟な存在ですが、だからこそ
私たちに驚きや喜びを与えてくれます。
意外性がなく、
親のコントロールを忠実に遂行するだけの
子どもがいたとしたら、
それっていいことだと言えるでしょうか。
子育てや教育に携わる私たちは、
もっと子どもたちとの関わりを
楽しんでもいいのではないでしょうか。
そして、
子どもの成長のおかげで
自分も豊かに生きていけることを
味わってもいいのではないでしょうか。
そんな風に思わせてくれる素敵な本に出会うことができました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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