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(1/4)【十分に甘えられた子こそ自立する】子育てハッピーアドバイス(明橋大二)

「うちの子は甘えてばかり。これで将来自立できるのかな?」
「ついつい厳しく接してしまうのだけれど、子どもに嫌われてしまうんじゃないか?」



著者 明橋大二さんってどんな人?

明橋大二さんは精神科医

児童相談所嘱託医・小学校スクールカウンセラー・NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長を歴任しています。

テレビやラジオの出演も多数あり、子育てに悩む親に寄り添いながら日々寄せられる相談に応えている方です。


子育てハッピーアドバイスシリーズは読みやすく、名作ぞろい

子育てハッピーアドバイスシリーズは累計500万部越えの超人気シリーズです。
第1作目のこの本以降、年代(0~3歳、4~6歳、小学生、10代からなど)に特化したシリーズや「大好きが伝わるほめ方叱り方」シリーズなど、次々に発行されています。(私もごく一部しか追えていませんが、どの本も実用的で、読んだ後にほっと安心できます)

さらに、これらのシリーズの特徴は内容をイラストとマンガでわかりやすく解説しているところにあります。

文字がびっしりの紙面ではなく、行間の空いた構成に太田智子さんのかわいくてユーモラスな漫画やイラストがちりばめられ、子育てや仕事で疲れていても手に取りやすいです。しかも何とフルカラー!


この読みやすさは他にないと考え、クラスの保護者の方にこのシリーズの本を貸したり、職員室の共用スペースに置いてみたりしました。
読んだ方からは「おもしろかった!」「役立った!」との声を頂きました。

おすすめしてきた本はいくつもあれど、実際に読了してもらえた本は限られます。この本は読み手の数々のハードル(時間がない、難しそう、本を読む習慣がない・・・など)を乗り越え、私の身の回りで読み継がれた数少ない本なのです。


さて、この本から学ぶことはたくさんあって絞り込むのが大変だったのですが、今回は特に「甘えと自立」という視点から私が特に学んだことを書いてみたいと思います。


甘えない人が自立するのでなく、甘えていいときに十分甘えた人が自立する

甘えさせないことが自立につながるという風潮、ありませんか?
親や教師の言うことを着実に遂行できる子が自立に近づく、多少大変なことが目の前にあっても「粘り強く」「諦めないで」「がんばる」のが自立につながる・・・そんなマッチョな思想の感じ。


そんなイメージに違和感はありつつも、明確に対抗できない私。
著者の明橋さんは、そんなモヤモヤに対してこう答えています。


甘えと反抗、依存行動と自立行動をくり返してだんだんと自立に向かっていく

え?どういうこと?

どうやら自立とは、あるラインに達したから「自立した」と呼ぶような、そんなゴール設定のような捉えではなく、甘え(依存行動)と反抗(自立行動)を往還していく過程の中の一部ということのようです。



自立のためには甘えが絶対的に必要

甘えとは、一言で言うと相手の愛情を求めることです。

甘えの気持ちが満たされると、甘えさせてくれた相手に対する信頼を高めます。
「お母さんは僕を愛してくれる」
「お父さんは私を見ていてくれる」
「先生は私の気持ちをわかってくれる」

それと同時に、甘えの気持ちが満たされると、自分に対する信頼を高めることにもなります。
「僕はお母さんに愛される価値のある存在である」
「私はお父さんに見守ってもらう価値がある」
「私は先生から心を寄せてもらうに値する存在だ」

こうして安心感を育てることに成功すると、人間関係も豊かになります。
他者に寛容になったり、少しのことでへこたれなかったりするのです。


ところが、甘えが満たされないと、相手に対する怒りが生じ、不信感を抱きます。
「お母さんは僕を抱きしめてくれなかった」
「お父さんは私を見ていてくれなかった」
「先生は私の気持ちなんかこれっぽっちもわかってくれない」

それと同時に、自分は甘えさせてもらえるだけの価値のない人間だという認識を強めてしまいます。
「そんな僕は甘えさせてもらう価値のない人間だ」
「そんな私は愛してもらう価値のない人間なのだ」

こうして安心感を育てることができないと、人間関係が希薄になります。
他者を攻撃したりすぐに被害的な思考になったりします。

「幼少期に甘えさせる経験が足りなかった」と後から悔やむのはしたくありません。
今日はさっそく娘の「抱っこ~~」に即応しました。笑





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