
タトゥーは不可侵領域
最近好きなタトゥー(TATTOO)アーティストを見つけましたのでご紹介します。
個人的にはタトゥーは入れないと決めているがアートや主義的な文化でデザインや文字を体に刻むことが興味深く今回はタトゥーについて取り上げてみたい。
タトゥーの起源
古来より入れ墨(イレズミ)としての民族的文化が日本には存在していた。その人の身分や階級を現し、アイヌや琉球もその文化が浸透していた。その文化は魏志倭人伝にも遡り記述があるそうな。
欧米では18〜19世紀頃、記念としたり、身分証として皮膚に特殊な染料でボディペイントしていたり傷をつけて色素を注入していたらしく。太平洋の島国では一般的に施されていたとされる。
イレズミとタトゥーの違い
刺青とタトゥーの違いは呼び方のみであり、どちらも皮膚に針などで着色する行為であり日本語か英語かの違いのみだそうだ。
近年ではファッション的な意味合いでワンポイントデザインで針の深さが比較的浅いものをタトゥー
和彫で比較的、針の深さが深いものを刺青と呼ぶらしい。
タトゥー、刺青の種類
和彫り
一般的に日本伝統の刺青であり、描かれる図柄によって意味がある。日本伝統の刺青には額彫りという技法があり、額とは雲や風、波や岩など、主題を引き立てるように付けられた背景の事を言います。この額の良し悪しで主となる絵柄を生かしたり殺したり、 とても重要な部分であり、彫師の力量が問われるところでもある。浮世絵や錦絵にルーツがあり、和彫りで人気の「龍」の図柄には日本古来からの蛇信仰が関わっており守護神や縁起物としてリクエストが多いそうだ。鯉の滝登り伝説が有名ですよね。また描かれる図柄も神話や武者絵からの下絵が多くあり、武将のご利益や霊的な縁起を担ぐ場合もある。
この様に刺青のデザインひとつとっても、文化的なルーツやメッセージ性が大事にされ現代まで彫り込まれている。
参考:龍元洞雑記帳
アメリカントラディショナル
アメリカントラディショナルの発祥は1900年代初頭。 当時は別称《水夫のタトゥー》とも呼ばれており、船の乗組員(水夫)の間で流行していたスタイルだと言われています。 世界で最初のタトゥーマシンを開発した《サミュエル・オーレイリー》が『—タトゥーの入っていない水夫は、航海の出来ない船と同じだ。』と言われるほど高貴な存在意義をあらわすタトゥーのようだ。
人気のデザインは水夫のタトゥーということもあり錨や帆船、他には薔薇や燕など海の男の象徴のようなデザインが多いそうです。
引用:ABOUT AMERICAN TRADITIONAL
ブラックアンドグレイ
ルーツは獄中刺青。
日本もアメリカも、刑務所の中で刺青を彫ることが禁じられていますが受刑者が、テープレコーダーのモーターやギターの弦やペンを使ってタトゥー マシンを作り、タバコの灰、靴墨、ボールペンのインクを顔料として「ジェイルハウスタトゥー 」(獄中刺青)を看守の目を盗んで 彫られていました。
有名人のタトゥーの影響もあって、ブラックアンドグレースタイルはロスのアンダーグラウンド文化から世界に広まりました。今ではブラックアンドグレーが一番ポピュラーなスタイルの1つとなっています。天使やドクロなど宗教的なデザインが人気なようです。
引用:GOOD TIME INK
トライバルタトゥー
トライバルタトゥーの文化は元来、世界中いたる所に存在していました。それぞれの部族内という閉ざされた環境で進化していったことによって、実に様々なデザインと意味を持っています。デザインは全体的には素朴で抽象的なものが多く見られますが、これらのトライバルデザインには独特の法則性があり、深く、豊かなイメージの世界を感じさせます。中でもマルケサス諸島をはじめ、タヒチ、サモア、マオリなどのポリネシアンタトゥー(polynesian tattoo)と呼ばれているモノは顕著ともいえます。意味的には自分をより魅力的に見せるため、という基本の他に、社会的ステータスを示したり、既婚のサインであったりと様々ですが、宗教的、呪術的に精神世界と深く関わる例も多く見られます。そのような意味合い持つタトゥーの場合、痛みという要素を抜きにしては成立しないのかもしれません。痛みの恐怖に打ち勝つ勇気、そして実際に彫られている時の忍耐。そういった『痛み』を対価として差し出すことによって「何か」を得るのだと考えられています。
またインク染料には煤が使われており人体に安全で優れた染料である。黒一色の塗りつぶが主体。
引用:apocaript
レタリングタトゥー
レタリングとは日本語、英語、フランス語などの文字や文章をタトゥーとして施術したもの。
チカーノタトゥー(チカーノとはもともとはメキシコ系アメリカ人を指す差別用語として用いられてきた”チカーノ”という言葉が、差別の逆境に打ち勝つためアイデンティティを示す言葉に変容していき、独自の文化を築きあげるまでに至る。)と一緒に彫られることが多い。

私の推しタトゥーアーティスト
はじめてタトゥーが美しいと感じた


debrartistさんのInstagram
タトゥーの概念が変わった。
美しい。そしてメッセージ性よりアート性が強く。
色彩鮮やかな彫り込み。
とても人間の皮膚には見えない美しさ。
若気の至りでは見れない、一生ものの芸術作品。
精密かつ精彩なデザイン。
coolとしかいいようがないハイセンス。
もし私が体にタトゥーを入れるときは彼女にやってもらいたい。はじめてそう思えた。
タトゥーは生きた芸術作品なんだって。
一生消えないからこそ、普遍の美しさがある。
その人の魅力を引き立てる様な
美しさがそこにある。
どうやら@Deborah Genchiさんは@Debrart Tattoos©というブランドチームのプロらしい。
デジタル印刷された下書きを皮膚に貼り込み、そこから彫って色彩をつけるので精密なタトゥーになるようだ。手書きの彫師さんもたくさんいるなかでデジタル印刷の下書きはかなりハイクオリティなデザインを提供できると感心した。顧客の満足度も高いことだろう。
何故、不可侵領域なのか?
それはタトゥーや刺青は信仰や信念、アイデンティティを主張するものだからだ。
決して消えはしない。
誰もそれを否定はできないのだ。
流行りや一過性の文化ではない。
古来から人類は体に図柄を彫り込むことで目には見えないスピリチュアルな思想や信念を目視できるように体現してきた。差別や批判的な側面もある中で、進化継承されてきた文化でもある。
個人的には刺青は入れようとは思わないが、刺青を彫っている人の考え方はちょっと分かった気がする。