「○○主義」再考

最近になって、「○○主義」をしっかり区別しなければならないな、と思っております。
少なくとも、私はその区別がしっかりできている、というか、たぶんできているだろうと思っているのですけれども、どうも「民主主義」も「資本主義」も「社会主義」もさらには「共産主義」も全く区別がわからないままでいる人が少なからずいるのではないかと思うのですよ。ちなみに、「日本って何主義の国でしょうか」と尋ねられたら、何と答えましょうかね。「ハイッ、日本は民主主義の国です!」とキッパリ答えられますか?いや、やっぱり「日本は資本主義の国です!」とキッパリ答えるのが正しいでしょうか?そう思うと、あれっ?日本って何主義の国だったかな?なんて、何が正しい答えなのかわからなくなってきたんじゃないですか?したがって、ここはしっかり整理しておくべきなんじゃないの?と考えているのであります。

まずは「民主主義」。
この際、民主主義の対義語って何?と考えれば自ずと答えが見えてみますな。
まさか「民主主義の対義語は社会主義」なんてことはありません。この二つは後述しますが、全く別物。
民主主義の対義語は君主主義とすれば良いのでしょうけれど、君主主義というよりも君主制とするべきでしょうね。逆に君主制の対義語を、と考えれば民主制ということになるでしょうな。
つまり、国の統治体制における主権者が国民であるか、王や皇帝の個人または貴族などの限られた一部の人々であるか、といった区分けになるでしょう。
ちなみに、日本国になる前の大日本帝国は「立憲君主制」でありました。憲法が制定されていて、君主は天皇でありましたから。
その意味では、現在の日本国は「立憲民主制」と言えるでしょう。というよりも、多くの国が立憲民主制です。憲法を制定していて、政治は国民が選挙を通じて選んだ代表者によって行われる体制です。そういえば、立憲民主党という政党もあって、まあこれは「立憲民主制の立場を取る政党ですよ」ということなのでしょうかね。
ということで、「民主主義」というのは政治体制、統治体制の表現ですな。

さて、「資本主義」。
資本主義の対義語というと・・・これは社会主義なのでしょうね。
資本主義というのは換言すれば市場経済主義であって、社会主義は計画経済主義をいいますから、これらは経済体制の表現、ということですな。

政治体制と経済体制には様々な組み合わせがあるのですけれども、少なくとも「民主主義」と「資本主義」は区別して考えなければならないと、私は思うのであります。
昨今の混沌とした政治と経済の状況を鑑みて、今一度、どのような体制が望ましいかを議論する場があっても良いのではないかと思う今日この頃なのであります。

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