現況(ALS診断から288日目)【自覚症状から2年が経ちました】
2023年10月11日にALSの診断を受けて9ヶ月が経ち、2022年7月頃の自覚症状(左脚の運動障害)認識から2年が経ちました。
何とか生きてますので、しばしの間、お付き合いください。
QOL(Quality Of Life)の変遷を分析してみた。
現時点でのQOL評価
ALS患者のQOL評価ツールとして、「ALSFRS-Rスコア」があります。
自分の状況を客観的に把握する必要に駆られて、現時点でのスコアを評価してみました。
発症から現時点までのQOL評価の変遷
上記の評価をこれまでの症状進行のイベント時点ごとにさかのぼって実施してみました。下記のようにまとめられます。
実績を考慮したQOL評価変遷の予測
上記の実績評価を考慮して、今後のQOL評価変遷の予測曲線近似式を大まかに求めてみました。近似式は、多項分布の2次曲線です。誤差が大きいことはあらかじめご了承ください。
QOL= -10^(-5)×T^2 - 0.0002×T + 48
QOL:ALSFRS-Rスコア
T:発症からの経過日数
この曲線に、一般的なALS患者の無治療状態での歩行能力の衰えの経時変化を重ね合わせてみます。なお、ここでは、ALSFRS-Rスコア≒歩行能力、とみなします。
わたしの歩行能力の衰えが概ね一般的な傾向に近いことがわかります。
QOL評価変遷の実績と予測から推測する今後の病状
ここまでの分析から今後の私の病状の進行を推測すると、以下のようになります。
(2024年7月以降)〔54歳〕外出時は車イスの常用が必要
(2025年7月以降)〔55歳〕屋内外問わず車イスの常用が必要
(2028年ごろ)〔58歳〕ほとんどの身体動作機能喪失か?
QOLの改善のためにチャレンジしていきたいこととその準備
実はいまだにALS患者としての自覚が薄く、無意識のうちに現実の受け入れを拒んでしまっている自分がいます。
そうはいいつつも、現状から分析できる未来予想もある。
何とかしてQOLを改善し、出来るだけ長く生きながらいたい。
その実現のための解決策(チャレンジしていきたいこととその準備)の方向性を、以下のように検討してみました。
解決策の分析検討(現状→問題点→課題→解説策および具体策)
下表のように分析検討してみました。
以下に、解決策としてチャレンジしていきたいこととその準備について述べていきたいと思います。
電動車椅子の導入
今注目しているのは、次世代型電動車椅子の『WHILL Model C2(ウィル モデル シー ツー)』です。
なかなかお高めではあるのですが、介護保険(要介護1以上)利用なら、『月額約2,700円でレンタル』ができるようです。
現状、私の介護保険等級は「要支援1」ですので、等級の更新申請が必要です。
装着型サイボーグ“HAL”の治療導入
診断を受けた当初から、ずっと注目している身体機能維持トレーニング用機器に、装着型サイボーグ”HAL”(サイバーダイン社)があります。
治療やリハビリ向けに提供されている製品メニューとしては、以下のものがあります。
医療用(下肢タイプ、単関節タイプ)
自立支援用(下肢タイプ、単関節タイプ、腰タイプ)
医療用タイプは、ALS治療用具として、すでに保険適用となっているのですが…
残念ながら、全国どこの病院でも使用できる状態にはなっておらず、現在のわたしに関わる医療体制では、ALS治療用具としての適用のハードルが高い状況です。
幸いなことに、現在通所中のデイケアセンターは元整骨院のため、アシストスーツ適用の経験がありました。
ハードルは高そうですが、自立支援用タイプをリハビリメニューに取り込むことができるように検討を開始しました。
高用量メチコバール注射液の処方
「メチコバール®注射液」(メコバラミン)は、末梢性神経障害およびビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血の適応で承認・販売されています。
これまでに、既往の承認用量の50倍~100倍量である1回25mg~50mgのメコバラミンの筋肉内投与による短期および長期試験において、高用量メコバラミンがALSに対して臨床効果(病状進行の抑制)を示す可能性が示唆され、医療機関主導により臨床試験が続けられました。
この度、良好な臨床試験結果が得られたことを受けて、製薬会社から日本におけるALSに対する新薬承認申請(2024.01.27付)に至りました。
これまた幸いなことに、この治験に参加していた医療機関に、現在お世話になっている「千葉大学医学部附属病院」と「国立千葉東病院」が含まれていました。
新薬承認はまだ当分先になるかと思いますが、是非とも、この処方を受けたく、今から各先生方に指導を仰ごうと考えています。
身体障害者手帳交付の申請
いよいよ、車椅子利用が視野に入ってきました。
そうなると、逆に今よりは家族に頼らずに外出できる可能性も広がります。
しかし、移動交通費や様々な福祉用品に対する経費も増える懸念があります。
その備えとして、いよいよ、「身体障害者手帳交付の申請」を準備したいと思っています。
身体障害者手帳を取得すると、障害の等級に応じて、各種税の減免・控除、公共料金の割引・減免、障害福祉サービス等を受けることができるとのことです。