内視鏡治療での局注
①局注液
近年では新しい局注液も登場している。主には0.9%生理食塩水、グリセオール、ヒアルロン酸ナトリウム溶液がある。
グリセオールなど粘稠度(ねんちゅうど)の高い局注液を用いてもよいが、病変の適切な居城ができなかった場合は、病変がなかなか元にもどらずに逆に切除しにくくなる場合もある。スネアリング時に膨隆が固く、スネアリングが難しくなり、リカバーしずらくなることもある。
EMR=0.9%生理食塩水(NS)、ESD=膨隆の維持ができないと、繰り返しの局注が必要となるので、維持力の高いヒアルロン酸ナトリウムを使用。
②局注針
太さ:太い方が入りやすいが液漏れ多い。細いとフローは弱い、注入抵抗大。
針先形状:鋭針は切れ味〇。しかし、刃面が長くなるので、壁の薄い食道や大腸では液漏れのリスクがある。鈍針だと刃面が短いので突き抜けや液漏れのリスクは低いが、切れ味△刺入角が小さくなると粘膜の上ですべてしまう。
突出長:3㎜と4㎜が主流。長いと貫通リスク大。短いと抜けやすい。近年はハイフロータイプが主流。
③正しい局注を。
局注のいれはじめは、まずはゆっくり少量から注入していく。粘膜下層の膨隆を確認してからつうじゅのスピードで注入する。
1.局注針で粘膜を貫く。ある程度の力が必要で、針先が粘膜を突き破ったあとは針先はやや深い層にあると考える。
2.針を少しだけ引く。まずはゆっくり少量から注入して、
3.膨隆を確認する。急峻で高い膨隆が得られる。粘膜下層の膨隆を確認したら、そこからしっかりと局注する。
4.針先をやや進めて安定させる。そうすることで、針がふいに抜けることを避けられる。また、以降の針先コントロールが容易になる。
③膨隆をデザインする。
なるべくすくない回数で有効な局注を得られるのが理想。針先の向きも重要となってくる。大きな病変では複数回の局注が必要となる。口側から局注針を刺入して徐々に局注液を注入し、ある程度の隆起を形成させた後に肛門側からも局注を行い、病変部が少し肛門側へ傾くように膨隆させる。
④局注の実践
いくつか刺し方のポイントがある。
1.右手のスナップを利かせて刺す
2.針を左手で刺す。
3。針をスコープで刺す。
4.針を出して刺す。
5.脱気して針を刺す。