ERCPの基本テクニック

胆道30 巻2 号189~197(2016)

低侵襲医療に対するニーズが高まるなか,胆道疾患診療においてERCP 関連手技はますます不可欠のものとなっている.ERCP を行う際には,防護シールドなどを用いた放射線被曝軽減への対策機器配置などが重要である.近年のERCP は処置が中心となるため,確実な胆管挿管が求められる.カニュレーションでは,乳頭開口部の形状を把握したうえで,もっとも適切なカニュレーション法で対処することが基本である.選択的胆管挿入困難例には多くの対処法が報告されている.同じ方法を漫然と繰り返すのではなく,状況に応じた方法で対処することが重要である.術後再建腸管症例とくにRouxen-Y 法再建腸管に対するERCP ではバルーン内視鏡を用いた良好な成績が報告されている.ERCP 関連手技をより安全かつ確実に行うためには,その基本についてよく理解し,手技に習熟する必要がある。

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