ローテクノロジーのススメ
いよいよケネディスクールでの授業が本格的に始まりました。英語力以前に、あまりの課題の多さに悶絶しており、1週間に1回更新という目標は、はかなく崩れましたが、ここまでの感想を思いつくまま書いていきたいと思います・・・。
課題多すぎ問題
公共政策学修士の秋学期は、以下の必修科目から成り立っています。
ミクロ経済学2コマ、統計学・プログラミング2コマ、政策デザイン2コマ、交渉理論・実践3コマ、人種と人種差別2コマ。その他に補習が2コマ程度。(1コマは75分です。)
これだけで平日の半分が潰れるわけですが、それぞれの授業の前後でかなりの量の課題が出されます。数十ページのリーディング、数時間かかるグループワーク、R言語のコーディング・・・が次々押し寄せてきて、毎日、明日を生き抜くことしか考えられません。まさに自転車操業。まあ勉強しに来たので文句はありませんが(笑)
大学や学部によると思いますが、私が卒業した学部では、どちらかというと学生は放牧されて勝手に(自由に)頑張ってねという感じだったので、割と新鮮な体験。
それもこれも、学生を徹底的に伴走支援して育てようという姿勢の表れでもあると思います。
いつでも相談できる大学スタッフが一人一人に割り当てられていたり、授業の補習をTAの人たちがしてくれたり、課題の提出に漏れがないようにリマインドが来たり。あとは教授陣との距離が近いですね。キャンパスも小さいので、しょっちゅうすれ違います。
ちょっと手取り足取りすぎない?と思わないこともないですが、留学生としてはありがたい限りです。
高すぎる学費はどこへ
この大学、学生同士の交流を目的として、毎週金曜の夕方に軽食が出るのですが、なんとビールまで無料で提供されます。
ただ、外の庭で提供される場合は、大学関係者ではなくとも、紛れ込んで飲み食いすることが可能(だと思う)。ビールが飲めるのは嬉しいし、こうした場所で新しい交流が生まれるのも確かですが、学費の使い方が豪快だなあ。
さらに、ウーバーのように利用できる学生専用の相乗りバスもあります。キャンパスから半径2キロ圏内くらいを運航していて、アプリで呼べば10分程度で来てくれるのですが、まさかの午前3時まで使えます。それまで勉強していることを想定しているのか、飲み会帰りの学生の安全のためなのか・・・?
一方で、学内のコピー機で印刷すると少しですがお金がかかります。そこは無料じゃないんかい。
ちなみに、文科省のデータ(※)によれば、2020年の日米の学費はこんな感じになっています。ハーバードやスタンフォードはこの金額よりはるかに高いです。学費でがっぽり稼いでます。
・日本の国立大学の平均学費 82万円
・日本の私立大学の平均学費 136万円
・アメリカの州立大学の平均学費 101万円
・アメリカの私立大学の平均学費 353万円
※「諸外国の教育統計 令和6(2024)年版」 https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/syogaikoku/1415074_00022.htm
ローテクノロジーのススメ
あと、意外に面白いなと思ったのは、授業中の電子機器の使用を(コーディングをする授業を除き)ほとんどの教授が禁止しているということです。理由は全集中できなくなるからで、ノートテイクでiPadやパソコンを使うのも基本的にダメ。
紙だとノートの管理や資料の準備が面倒だなあと思いつつ、郷に入れば郷に従えということで、ノートテイクをiPadから紙とペンに切り替えました。当たり前の感想ですが、確かに気が散らないし合理的。自分がLINEやメールをいかに無意識にチェックしていたかがよく分かりました。
(必ずしもローテクというわけではないですが)授業中に手元の紙に書き込み、その様子を投影しながら説明をする教授もいます。割と新鮮に感じたのですが、長年の経験から教授法として最も優れていると考えているそうです。少なくとも、文字が柔らかいので気分が和みます(笑)
ちなみに、授業以外はこれでもかというくらいオンラインで完結していて、資料の配布も最小限です。授業だけは多少面倒があっても最高の集中力で臨むべしという哲学ですね。
日本では、小中学生もノートパソコンを使って授業を受けています。学校によっては小学生がクラウドを使いこなすような時代。どうやったら学びを最大化できるのかを考えるのは結構大事ですね。
・・・・さて、課題に戻ります(汗)