見出し画像

アメリカ初のオリンピックミュージアムがグランドオープン!

2020年7月30日、米国初のオリンピックミュージアム、米国オリンピック&パラリンピックミュージアム(USOPM)がグランドオープンした。

USOPM外観

アメリカに来て間もなく携わって約3年半、USOPM完成は感慨深い。

欲を言えば、コロナ禍でなければ、グランドオープニングイベントにも出席していたはずだったが、まあ、落ち着いたらゆっくり観に行こうと思う。

画像24

私としては「オリンピックミュージアム」には、米国のオリンピックミュージアムのみならず、少し思いがあるので、2010年くらいからのオリンピックミュージアムとの付き合いについてお話させていただきます。

オリンピックミュージアム改装プロジェクト

バンクーバーオリンピックが終わった2010年か2011年だったか、スイス・ローザンヌにあるIOCのオリンピックミュージアム(TOM)の改装プロジェクトが始まった。

1993年に完成したTOMは20年経ち、老朽化が進んでいたので、現在のミュージアムを大きく改装するという一大プロジェクトである。

私が働く会社は、TOM建設時から深く関わっていたので、2010年当時、オリンピックマーケティング担当だった私は、ヨーロッパ統括会社やスイス支社と共にプロジェクトに参画した。

TOM幹部からオリンピックミュージアム2020というプロジェクト名の由来「2020年でも新しく感じるような最先端なミュージアムに」と聞いたとき、身が引き締まる思いもしたし、色々と議論を重ねた。


改装が始まった2012年2月から20ヶ月のTOM閉館、その間はTOMの目の前のレマン湖に浮かべたヨットに仮設ミュージアムが設置されました。

画像1
画像2
画像3


2013年12月、オリンピックミュージアム(TOM)完成から20年の時を経て、リニューアルオープン。スイス・ローザンヌで行われたグランドオープニングセレモニーにも参列させて頂いた。

ジャック・ロゲ前会長からトーマス・バッハ会長へのキーハンドオーバーセレモニーの様子↓

画像4




仮設オリンピックミュージアム in 東京

2013年9月、ブエノスアイレスで開催されたIOC総会にて、東京オリンピック開催が決定。

東京オリンピックまでの7年間、オリンピックに向けて東京都民、日本国民にオリンピックムーブメントをどうやって広げていこうか?と考えていた時に、ふと思ったこと。

東京にオリンピックミュージアムがない!!

1964年に東京オリンピックが開催されているのに、東京にはオリンピックミュージアムがない。札幌や長野にはあるのに、、、。

そうだ!だったら、私たちで東京オリンピックミュージアムを作って、東京2020に向けて盛り上げていこう!

そう、思った。

東京オリンピックを知らない若い世代と東京オリンピックを知っている親・祖父母世代をつなぐことが出来るミュージアム、オリンピックミュージアムを知っている私たちだから出来るテクノロジーのミュージアムを。


東京オリンピック開催決定の2013年9月のIOC総会ではIOCの新会長も決定、現在のトーマス・バッハ会長が就任された。

バッハ会長は、オリンピックムーブメント改革「オリンピックアジェンダ2020」を打ち出され、2013年12月にIOC理事会で取りまとめを決定、検討が始まり、2014年12月に40項目の提言が採択された。

私は、採択される前の2014年5月のTOPパートナー会議で意見交換と、採択後の2015年1月にTOPパートナー向けオリンピックアジェンダ2020会議の2度、ローザンヌにある IOC本社で開催された会議に出席した。

画像5


提言22 オリンピックの価値に基づく教育の普及
提言26 スポーツと文化の融合 *オリンピックミュージアム移動展を含む
提言35 TOPパートナーと各国オリンピック委員会(NOC)との関係の強化

上記は、オリンピックアジェンダ 40提言の内の3提言。オリンピックミュージアムには直接関係ない項目もあるかも知れないが、基本的な考え方・間接的にも、東京に仮設オリンピックミュージアムを作る理由を後押しする提言となった。


2015年10月、パナソニックセンター東京にオリンピック・パラリンピック特別企画展「The World of Sports」を開催。日本オリンピック委員会の共催、日本パラリンピック委員会の後援、東京2020競技大会組織委員会の協力で、まさしく仮設日本オリンピック・パラリンピックミュージアム in 東京を仲間が作ってくれた。

画像6
画像7

映像はこちら↓


2015年12月 第37回JOA(日本オリンピックアカデミー)セッション「オリンピック・ムーブメントとこれからのミュージアムについて考える」にて、
私から「TOPパートナーの視点でのオリンピックムーブメント推進について」を、当社とオリンピックミュージアムとの歴史や取り組みを交えてお話をさせて頂いた。

画像8
画像9
画像10


2019年9月14日、ついに、「日本オリンピックミュージアム」がオープン。東京2020のメイン会場となるオリンピックスタジアム(新国立競技場)の近くという絶好の場所にあります。

映像・音響機器を使ったさまざまな展示や体験コーナーがあり、来館者と一緒にオリンピックの未来を描くミュージアムになっていますので、是非、足をお運びください。

画像26

シドニーオリンピック代表には、同期の名前があります。
オリンピックに出場したかった。。。

画像27


米国オリンピック&パラリンピックミュージアム

そして、ようやく本題の米国オリンピック&ミュージアム(USOPM)です。

リオオリンピック後の2016年9月、私の米国赴任前に、USOPM案件があるはずだから、と言われていた。

着任後は、初の世界最大の技術見本市 CES2017対応でバタバタ。CESを終えた1月末、さて、どう調べようか、と考えていた矢先の2017年2月末、USOPM関係者からコロラドスプリングス市のUSOPMを核としたオリンピックシティUSAプロジェクトについて話がしたいとLinkedInのメッセージを頂いた。運命だと思った。

たまたま翌週、初めてコロラド州にある当社デンバーオフィスと米国オリンピックトレーニングセンターに訪問予定だったので、3月8日にUSOPMメンバーや関係者と直接お会いして、オリンピックシティUSAとUSOPMのマスタープランについて話を聞くことができ、私もこれまでの活動やオリンピックミュージアムへの思いを語り、意気投合した。

画像11


すぐに、ロンドン2012開会式プロジェクトを共にした技術メンバーと相談して、USOPMメンバーと関係者を含めて、ニューヨークにあるUSOPMデザインを担当する建築事務所とのキックオフ会議を行った。

少し話が逸れるが、建築事務所のUSOPMプロジェクトチームに日本人デザイナーがいたので、これまた、日本人として誇りに思えるプロジェクトとなった。


2017年6月のグラウンドブレイキングセレモニー(起工式)に出席させて頂き、コロラドスプリングス市長のUSOPM、オリンピックシティUSAへの思い(スピーチ)を聞き、

画像12

関係者主賓によるグラウンドブレイキング。この後、私もスコップで地面を掘り起こし、グラウンドブレイキングに参加させてもらった。

画像13


コロラドスプリングスに訪れる度に、工事現場の進捗を確認した。

画像14


2018年1月のCES2018で、テクノロジー戦略パートナーを発表。正式に一緒にUSOPM完成までの道のりを共にすることになった。コロラドスプリングス市長や関係者は当日、ラスベガスまで足を運んでくれた。

画像15


コロラドスプリングスに訪れる度に、工事現場の進捗を確認した。パート2

画像16


2019年9月には、IOC主催のオリンピックミュージアムネットワーク会議が東京で行われ、USOPMメンバーが来日されたので、一緒に日本オリンピックミュージアムを訪問。

画像27
画像28


2020年1月のCESで、2020年初夏にUSOPMがオープンすることを発表。

画像18

当社ブース内にUSOPM展示コーナーを構えて、USOPMをアピールした。

画像19


2020年7月30日、ついにUSOPMがグランドオープン。コロナ禍でオープニングの日に駆けつけることができなかったが、ソーシャルメディアなどでUSOPMとのクロスプロモーション。


コロナ禍なので、まずは地元のみなさん、そして、落ち着いたら、全米から、更には、世界のオリンピックファンに足を運んでもらえるように、微力ながらコミュニケーションなどでお役立ちしていきたい。


コロラドスプリングスには他にも訪れる価値のある観光名所があって、

神々の庭園(The Garden of Gods)という神秘的で荘厳な景色が観れる公園があり、

画像20

アメリカ空軍士官学校(Air Force Academy) も観光名所の一つ。

画像21

パイクスピーク(Pikes Peak)という車でも行ける山は、ハイキングやヒルクライムタイムトライアルレースが行われる場所としても有名で、さらには、米国オリンピックトレーニングセンターも見学することが出来ます。

画像22
画像23

皆さんも米国に来ることがあれば、コロラド州コロラドスプリングスに一度、足を運んでみてはいかがでしょうか?


スポーツが大好きな次世代のために






いいなと思ったら応援しよう!