2019年-2020年春 本田圭佑から投資をもらってビジネスに苦しんだ時期

この記事は前回の記事の続きです。

読まなくてもわかる内容まとめ

▼本田圭佑を含む投資家から調達!2300万!
▼オフィス書店で味わった社長の苦悩
▼サービスの撤退戦→売却まで


本田圭佑を含む投資家から調達!2300万!

2019年 年始
初めて投資をもらった。
本田圭佑氏を含むエンジェルからの投資と融資を合わせて2300万円。
貯金がなくて毎日具なし焼きそば生活だった僕には目もくらむような大金。
起業してから半年、自分の給料を初めてちゃんと会社から出した。
”起業ごっこ”じゃなくてお金をもらって仕事として起業をしていると言えるようになった瞬間で、初めて親に自分は会社をやっていると告白した。

投資をもらったとき、エンジェルの方々にプレゼンしたのが
企業向けの書籍リースサービス「オフィス書店」

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オフィス書店のビジネスの構造
ここには
・出版社(サプライヤー)
・大企業(お客さん)
・弊社
の3つのプレイヤーがいます。

大企業:
基本カフェテリアスペースというものがあり、どの企業もそこにビジネス書を置いたりしているのですが、そのビジネス書は入れ替わりがないためすぐに利用率が下がってインテリア化してしまうというペインがありました。そこで、カフェテリアスペースに置く書籍を1ヶ月単位で企業にリースし、月額利用料をもらう、というのがこのビジネスでした。

出版社:
書店が全国でどんどんなくなり、出版業界も縮小傾向にあるため、業界として新しい本の売り方を模索していたと言う背景がありました。
特にビジネス書はターゲットとなるビジネスマンが忙しくて書店が遠いとなかなか足を運ばないので、ターゲットが集まる会社にビジネス書をそのまま置けたら本の宣伝にもなるということで出版社は献本という形で無料で書籍をくれます。

弊社:
1ヶ月ごとに出版社から譲り受けた書籍をオフィス書店の利用企業に郵送で受け渡しして、利用料をもらうというビジネスです。
(今でも、システムの開発をするわけでもなくゼロからtoBのサブスクでお金を取れる珍しいビジネスモデルだったと思っています。)

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↑初めて導入されたオフィス書店

このビジネスも最初からこのモデルになっているわけではなくて、
「本を読むのがなんとなく昔から好きだなー。そうだ!本を軸にビジネス作ろう!」みたいな偏差値3みたいな状態から始まったから、
ビジネスモデルは定まらず先行き不安定。
経営方針が二転三転し、チームが何度も分裂しながら形になったのは夏頃。


オフィス書店で味わった社長の苦悩

そこから3ヶ月ほどで、Yahoo, 電通, Sony, 日本郵船, GMO など大手を中心に30社ほど導入されるサービスになった。

当時の営業資料

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↑深夜に自宅で本のポップ作成作業をする僕

こう書くといかにもスマートで順風満帆っぽいけど、実情は全くそんなことはなかった。
導入のコストに対して月額料金が安すぎるのだ。
これでは、企業に導入すればするほど赤字になってしまう。かといって、導入を辞めればランニングコストで残りキャッシュがどんどん減っていく。
会社はこのままだと半年後に潰れることが分かっていた。

でも、一方で初めて自分が作ったサービスが社会から求められている感覚があった。
株主からも、大金をこのビジネスに投資をしてもらった。
なんとかこのビジネスを形にしなくては。

こうして僕は社長という立場で板挟みになった。
事業をどうしたらいいかわからなくて、ずっと出口のないトンネルを突き進んでいるような感覚だった。
だけど、簡単に諦めきれなかったし諦めたくなかった。

オフィスでは、会社の先行き不安な社員と口論になりギクシャク。
夜まで仕事して、そのまま毎日2時まで空いていた代官山蔦屋のスタバで仕事。
夜は今後の漠然とした不安に心臓が痛くて眠れない。
スラックの通知音が怖い。
そういう生活がいつまで続くのかもわからない。
こうして僕の精神は崩れ、最終的に忘れもしない蔦屋からの帰り道。
寝不足とコーヒーの飲み過ぎと事業の考えすぎで"うんこ"を漏らしたのだ。
どシラフでうんこを漏らすのは後にも先にもこれ1回だと思う。

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↑事業のことを考えすぎてうんこ漏らした場所​

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↑メンバーに誕生日を祝ってもらったものの
表情筋が死んでうまく笑えていない


サービスの撤退戦→売却まで

結局、11月でビジネス的な難しさを含めて撤退を決断した。
顧客単価を上げるために研修や人材紹介をクロスセルしようとしたが、自社で商材を抱えていないと営業の難易度が高すぎて難しかったのが原因だ。

サービスの撤退を決めるのはサービスの立ち上げよりずっと辛かった。
今まではイケイケどんどんで、次々サービスを立ち上げよう!というマインドだった。
けど、伸びないサービスを作るということは関わる人間を全員不幸にすることだと初めて知った。
取引することを決めていた取引先、今まで贔屓にしていただいていた取引先、家族がいるのにうちにジョインを決めてくれた社員、うちに大金を出してくれた投資家。全員に申し訳がたたなかった。

結果的に、研修と人材紹介を2つとも持つ名古屋の企業に事業を売却することには成功し、形にはできたが社員は、その時1人も残っておらず個人的には成功とは思えない結果だった。


次回2020年春からの人生予告
今までのビジネスの経験をもとに、自身のビジネス哲学を醸成し出す大浴少年。
作ったサービスを月商5500万円に成長させるまでを書く予定。

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