下手でも、とりあえず書けばいい
「自分には文才がない」と思って、書くことを避けている人もいるかもしれません。しかし、それは非常に勿体ないこと。たしかに、商業ライターはクライアントから発注された記事を制作する場合、論理構造やテクニック、レギュレーションなど、様々な点に注意を払いながら記事を執筆します。
ただ、それは記事を商品として仕上げるときの話。「誰かに、何かを伝える」ことを目的とするのであれば、とりあえず言い回しや誤字脱字などは一旦無視して、ざっと書いてしまえばいい。文章の目的は本来、「文章が上手いと思われる」ことではなく、「自分の意見を伝える」ことだからです。
ブックライターとして有名な上坂徹先生は、「ビジネスにうまい文章など必要ない」と明言していて、僕もその意見に全く賛成です。文章の中に主張があれば、下手でも相手に届くと思います。
それに、これまで数々の記事を書き、読んできましたが、必ずしも反響がある記事のコピーが上手とは限りません。むしろ、キャリア1、2年目の新人が熱を込めて書いたコピーの方が効果が良かったりすることは往々にしてあります。
もし、「文才がない」「うまく書けない」と思って、書くことを躊躇しているのだとしたら、とりあえず書いてほしい。書けない人は、書けないのではなく、自分の思考や想いをアウトプットすることを恐れているだけ。もしくは、言いたいこと(意見)がないだけ。
誰だって生きていれば思うこと、感じることがあるはず。それをただ、文字にすればいいのです。コミュニケーションインストラクターの山田ズーニー先生はこうおっしゃっています。
「あなたには書く力がある」
たしかに。たった200文字を書くのに毎回3時間かかっていた僕が10年以上ライターをしているので、間違いないでしょう。