Tajio Kobayashi

都内在住 法学部政治学科1年 関心分野 | 国際政治| 外交政策(FOIP) | 冷戦…

Tajio Kobayashi

都内在住 法学部政治学科1年 関心分野 | 国際政治| 外交政策(FOIP) | 冷戦史 | 国際法 など | 不定期に書評などを掲載する予定です。よろしくお願いします!

最近の記事

激戦の東京3区 自民党、最後の訴え

演説する岸田総理(2021年10月30日19:34品川区大井町駅)著者撮影    31日投開票を目前に控えた今日、品川区大井町駅で岸田総理は最後の訴えを行った。街頭演説会開催前から、駅周辺は厳戒態勢で、行き交う人々も戸惑いながら、騒然とした駅前を眺めていた。丸川前五輪担当大臣もかけつけ、岸田総理と共に、東京3区の石原候補を応援した。 演説する丸川前五輪担当大臣(2021年10月30日19:10品川区大井町駅)著者撮影  昨日、千葉県成田駅で行われた、岸田総理の街頭演

    • 衆院選大詰めー街頭演説から感じたこと

       「やっぱり皆さんワクチンだったんですよ」菅前総理は29日、千葉県佐原駅前における、林候補の応援演説で、アピールした。急遽、安倍元総理の降板によって、総理となった菅氏は、コロナ対策へ奔走した一年だった。「ワクチン一日100万回」の目標は、マスコミ各社で大きく取り上げられ、批判の的となった。しかし、今ではワクチン一回目接種率は、77%を超えている。そのことを念頭においた発言だった。また、演説の中で、携帯料金値下げや、不妊治療、デジタル庁の創設など、個別政策の成功をたびたび取

      • 【書評】 水島治郎 『ポピュリズムとは何かー民主主義の敵か、改革の希望か』中公新書

        問題の所在 「ポピュリズム」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。トランプ大統領の誕生あるいは、イギリスにおけるEU離脱だろうか。はたまた、小泉純一郎元首相だろうか。ただ、それは往々にして、ネガティブな意味をもって、使われることが多い言葉である。新聞各紙を見ると「大衆迎合主義」と訳され、大衆を扇動する指導者の像を浮かび上がらせる。しかし、果たして本当に「ポピュリズム」は民主主義にとって良くないことなのか。そして、そもそも「ポピュリズム」とは何なのか。本書で、著者はそうした素朴な疑

        • 【書評】 前田健太郎 『女性のいない民主主義』 岩波新書

          本書の問い 著者は初めに、日本の政策及びその決定過程、またそれらを分析対象とする「政治学」などの多くが男性中心に構成されていることを指摘している。本書では、全体を通して、政治学の主流学派の学説を取り上げて、そのジェンダー的偏りを述べている。したがって、本書は政治学分野においていかに女性が軽視されてきたのかを解明することを目的に書かれている。以下、章ごとに本書の内容を紹介していく。  論旨の展開1章 政治とは何か   1章では、政治学における「政治」、「権力」の定義を取り上

        激戦の東京3区 自民党、最後の訴え

          【書評】 佐橋亮 『米中対立 ー アメリカの戦略転換と分断される世界』 中公新書

          本書の問い 「米中対立」の時代と言われるようになって久しい。アメリカのトランプ政権の中国に対しての言動は、その最も過激な一例である。では、今日における米中対立の起源はどこにあるのだろうか。なぜ米中は対立をしているのか。本書はこれらの問いに多様な視点から答えるものである。  本書の基本的な方針は、アメリカの対中政策の分析を中心として米中対立を考察することである。中国政府の対米政策はアメリカの政策転換によって受動的に変化したと著者は認識している。したがって、中国の対米政策について

          【書評】 佐橋亮 『米中対立 ー アメリカの戦略転換と分断される世界』 中公新書