今の仕事との出会い
奇病も完治(だと思う)し、通院・投薬治療しながらも無理やり習い始めたヒップホップも3年目となった頃、インストラクターの資格を取得してシルバーコミュニティでダンスエクササイズを教えるようになった。
まだまだ体力が回復しきらない当時(今も病前までには戻ってないが)、高齢者向けにプログラムされたこのダンス体操ならできそうだと思って挑戦したのだった。
まだコロナ蔓延る以前の事で、デイサービスセンターやシルバー健康教室やらに講師として招かれるようになったり、翌年には定期講座も3か所になったりと、まあまあ需要があった。
定期講座に通われている生徒様方は皆、「肩や腰の痛みが小さくなってきた」とか、「あちこち動くようになった」とか、「ここに来た日はよく眠れる」・・・等々で喜んでくれていた。………なんですが………。
やっぱり年齢による衰えには勝てぬものかー・・・何年か経つうちに、不調や病気が進行して参加ができなくなる生徒様もぽつぽつ出るようになる。
80代の方もいらっしゃる健康教室ではまあ、仕方ない。
筋力低下を少しでも遅らせて要介護にならないようにしようってコンセプトのダンス体操だしね。
でも、すごく元気だったまだ60代の生徒様が一夜にして不随となってしまったのにはさすがにショックだった。
直前までピンピンしていたのが、脳溢血で突然動けなくなって救急搬送されたそうで。
2週間後くらいにお見舞いに行くと、「最初は自分で椅子に座って上半身を維持することも、しゃべる事もできなかったんだよ」
と、弱弱しい声で話してくれた。
今は右腕だけちょっと動かせるようになったこと、食事がうまく吞み込めないこと、杖で歩けるようにリハビリが始まること・・・でも、脳には障害が残ると言われた、という事も・・・・・・
以前のでっかい声でベラベラとよくしゃべる彼女とはまるで人が変わったかのように小声で(病院だからかもしれないけど)ゆ~っくりと語る姿を目の当たりにして本当にショックで…
どんなに筋力維持の努力したって、たった一瞬でこんなに動けなくなるなんて・・・わたしのやってる事に意味なんてないんじゃー・・・…………と。
そんな風に感じながらもこの高齢者向けのダンスエクササイズも教え続ける日々の中、幼児にダンスを教えるインストラクターを募集している広告を見つけたのだった。