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呪術廻戦:虎杖と真人と多治比の奇妙な関係

漫画もアニメも大成功を収めている呪術廻戦ですが、このたび漫画が最終回を迎えるという発表がありました。

そこで主人公である「虎杖」と敵キャラである「真人」が奈良時代を中心に活躍した氏族である「多治比(たじひ)氏」と関係がありそうなため、最終回を迎える前に紹介したいと思います。

多治比氏とは何か

多治比氏とは、主に奈良時代に全盛を極め、和同開珎・蝦夷討伐・遣唐使などで活躍しましたが平安時代以降は藤原氏の他氏排斥とともに衰退していった氏族です。

自分のニックネームである多治比真人嶋は竹取物語のモデルの一人とも言われいるぐらいに力を持っていたのですが、その割に知名度が低いのではないでしょうか?私は逆に、そんなところに興味を惹かれて調べています。

そんなマイナー氏族である多治比ですが呪術廻戦の元ネタになっているのではないか?と思われるところがあります。ただし、自分の推測によるこじつけしかないので、ネタとして読んでいただければ助かります。





多治比と虎杖とイタドリの関係

植物の「虎杖(イタドリ)」の別名は「多遅比(たじひ)」で多治比の由来


主人公の名字である虎杖ですが、これは植物のイタドリと同じ漢字です。植物の「虎杖(イタドリ)」は、かつて「多遅比(たじひ)」と呼ばれていたことがあります。

そして多治比氏の由来は、反正天皇の産湯に「虎杖の花(多遅の花)」が入り、そのことから「多遅比瑞歯別命(たじひみずはわけのみこと)」の名前が付けられ、養育者に多治比の名前が与えられた逸話からきています。

虎杖は多遅比(たじひ)と呼ばれていた。
多治比の由来は多遅比である。

つまり虎杖 ≒ 多遅比 ≒ 多治比と、名前での関連性があると言えます。

【多治見市史にみる人々】多遅比瑞歯別命
風に乗って白いちいさないたどりの花がひらひらと舞ってきました。虎杖いたどりのことを「多遅比たじひ」と呼んでいたので、居合わせた人々は「これはなんとよろこばしいこと。

MY TT LINE(マイティーライン)



多治比と蝮 虎杖が毒に耐性があるのは・・・

呪術廻戦の作中の虎杖は毒への耐性が非常に高いですが、これは多治比と蝮の関係性から推測できそうです。

反正天皇は名を「多遅比瑞歯別天皇」としたのは前述のとおりですが「之水歯別命」という表記もあります。

また藤原京の宮城門には多治比氏が守る「蝮王門(多治比門)」という門があります。

蝮とはマムシのことで、日本で最も有名な毒蛇と言っても過言ではないでしょう。そのマムシと虎杖と多治比に関連があることは、呪術廻戦の虎杖の毒性が高い設定に生かされてるのかもしれません。仮に偶然だったとしたら、それはそれで歴史と偶然に関係性があったという凄さを感じます。

反正天皇 wikipedia

多遅比瑞歯別天皇(たじひのみつはわけのすめらみこと) - 『日本書紀
蝮之水歯別命(たじひのみずはわけのみこと) - 『古事記

wikipedia

藤原京 
https://japanknowledge.com/introduction/keyword.html?i=2080
藤原宮の四周は瓦葺の大垣(掘立柱塀)で囲まれ、その規模は東西が九二五メートル、南北が九〇七メートルである。大垣各辺には三門ずつの宮城門が開く。 〜略〜 木簡により、北面中門・東門が猪使門・蝮王門(多治比門)、東面北門・中門・南門が山部門・建部門・少子部門と称されていたことがわかる。

ジャパンナレッジ

イタドリは痛みを取る植物で主人公の名に相応しい

植物のイタドリは「痛みが取れる」ことからイタドリと呼ばれるようになったとされています。

「痛みを取る」というのが主人公らしいから名付けたのでは?とも推測できます。漫画の主人公は他者の様々な痛みを救済していくのは定番です。

イタドリ wikipedia
和名イタドリの語源は、傷薬として若葉を揉んでつけると血が止まって痛みを和らげるのに役立つことから、「痛み取り」が転訛して名付けられたというのが通説になっている。平安時代初期の本草書『本草和名』(918年)には、イタドリの名前が記されている。漢字(漢名)では「虎杖」とも書き[、軽くて丈夫なイタドリの茎が杖に使われ、茎の虎斑模様から「虎杖(こじょう)」とよばれたことによる。

wikipedia
虎杖の花



八色の姓と「宿禰」と「真人」と多治比

八色の姓の真人と宿禰

次に呪術廻戦の主人公の虎杖と共生する両面宿儺と、渋谷事変の敵キャラ真人の名前に着目していきます。

天武天皇の時代、あらたな階級として八色の姓(やくさのかばね)が設けられました。種類は以下の8つになります。

・真人 (まひと)
・朝臣 (あそみ) 
・宿禰 (すくね) 
・忌寸 (いみき)
・道師 (みちのし) 
・臣 (おみ)
・連 (むらじ)
・稲置 (いなき)

この種類の中に、呪術廻戦でおなじみの真人があります。
そして、宿禰と宿儺・・・・字面が似てると思います(こじつけです)


多治比と宿禰と宿儺

物語の主人公である虎杖は両面宿儺を宿しています。宿儺(すくな)・・・ではなく宿禰(すくね)になりますが多治比と関係があるので紹介します。

多治比氏の由来は前述の通り虎杖とされています。その由来は色鳴宿禰が反正天皇を産湯につけている際に虎杖の花(多遅の花)が湯に入った逸話からきています。そして色鳴宿禰は、後に八色の姓の階位の一つである宿禰が与えられる多治比(丹比)宿禰に繋がっていきます。

さらに反正天皇の兄弟は「雄朝津間稚子宿禰天皇(允恭天皇)」と言いいます。(超ネタバレになりそうですが虎杖と両面宿禰の関係を少し連想させます)

  • 色鳴宿禰

  • 反正天皇の兄弟の宿禰

  • 八色の姓の宿禰

・・・・多治比と宿禰は縁が深いと感じます。

両面「宿儺」と「宿禰」の違いはありますが字面は似ていますし、もしかすると多治比氏は呪術廻戦の両面宿儺の由来の一つと言えるかもしれません。(両面宿儺の元ネタが別にあるのは知ってますので、なかなか苦しい理由ですが・・・)


多治比と真人

そして多治比氏には多治比宿禰とは別系統で、宣化天皇の末裔であり八色の姓の最高位「真人」を与えられた多治比真人が存在します。多治比真人の系譜は源平合戦で有名な平氏に繋がります。(別の記事で紹介します)

時代的には多治比宿禰が最初に存在し、その後に多治比真人が存在した形になります。

  •  反正天皇の系譜 多治比宿禰

  •  宣化天皇の系譜 多治比真人

多治比宿禰の後に多治比真人が現れたのは、呪術廻戦の虎杖・両面宿儺と真人の関係に似ていると言えます。

作中で虎杖と真人の双方が「お前は俺だ」と発言していたのは、作者がこの二人のキャラは多治比氏という同じ元ネタということを匂わせていたのかもしれません。

・・・こじつけが多いのでお許しを

丹比神社|反正天皇と丹比氏の関係とは?
ただ紛らわしいことに、丹比郡を本拠地とした豪族は、異なる時代に「丹比連」と「丹比真人」の2系統存在していたことです。
 ※丹比は多治比とも記載

南河内に何がある?


次の記事は、作者の最終回発表コメント「それでは皆さん!!平にご容赦下さい!!」は、源平合戦で有名な平氏を匂わせていることを紹介したいと思います。

#呪術廻戦 #虎杖 #真人 #多治比 #両面宿儺



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