÷複数桁のポイント |基礎計算研究所
ポイント
÷複数桁の筆算も、÷1桁と同様
の4つのステップですすめていく。しかし結論から言うと、繰り返しになるのだが、÷複数桁は÷1桁のような桁ごとの部品化はできない。÷複数桁の部品は、むしろ[たてる][かける][ひく][おろす]それぞれのプロセスそのもの、と考え、その難しさの組合せが÷複数桁の難しさになる、というのが主張となる。
とはいうものの[おろす]のプロセスは÷1桁のときと同じで、次の桁の数1つをおろすだけ(またはおろすものがなくなり計算終了)であり、困難はない。分析軸としては0の扱いだけだが、この場合も他の数と同じに扱う[単なる0]であるので、実質[たてる][かける][ひく]の3つのプロセスが重要となる。
ここでは[たてる][かける][ひく]それぞれのプロセスをまず÷2桁に限定をして見ていくことにするが、このうち[たてる]がいちばん研究が必要なところなのので後回しにし、まずは[かける]と[ひく]の難しさをみていくことにする。
具体的に商がなぜそれになるかは置いておいて、[かける]と[ひく]の難しさは例えば次のような対称的な2問を比べてもらいたい。289÷41はかけ算にくり上がりが生じず、ひき算でもくり下がりがないが、602÷67はかけ算でもくり上がりがあり(d G、カテゴリー6)、ひき算も波及的くり下がりが生じている(ⓢpB、レベル4)。これらを分類の1つの指標にしよう、ということである。
[かける]の難易度
÷2桁であらわれるかけ算は、2桁(わる数)×1桁(商の候補)である。
[ひく]の難易度
÷2桁であらわれるひき算は、高々3桁-高々3桁である。
減法の筆算の難易度は次で分析した。
ここでは4つのレベルを設定している。
[かける]×[ひく]難易度の組合せ
[かける]の難しさと[ひく]の難しさを以上のようなレベル設定とすると、次のような表をつくることができる。
なお、除法筆算の誤答の半分はひき算のミス、残りの大半もかけ算のミスである、という報告がある。(https://cir.nii.ac.jp/ja/crid/1390282680772344448)
したがって、この2大ミス[かける][ひく]を難易度別に分類することは、計算練習問題をつくり、ミスの原因を探るときに、大きな意味があると考える。
さて、[たてる]は?
さて、残る[たてる]についてであるが、じつは教えたり支援したりする上で、厄介な問題があり、稿をあらためることにする。「商の立て方」について、そして「九立商」と「÷95~99」という特別な例について、それぞれ新たな項目を立ててこれらを深めていくことにする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?