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÷1桁の0の扱い(3) ひくの0 |基礎計算研究所

「ひくの0」は"末位”か”そうでないか”で違う

 つづいて「ひくの0」である。これは末位にあらわれる0と、末位以外(頭位・中位)にあらわれる0で異なる。そして、この分け方が「水道方式」と道が分かれるポイントでもある。

 というのは、筆算過程で最後に0と書くのか、0以外の数字を書くのかで、わり算の性質が異なる、と言ってよいからである。もったいぶった言い方をしたが、つまりこのわり算が「わり切れるか」「わり切れないか」である。末位にあらわれる[ひくの0]とは「わりきれた」ことを表す0である。そしてこの最後の0は[書けばよいの0]であり、ありがたい0である。

 水道方式では0をすべて「特殊型」と扱うが、むしろ計算結果として0が出てきたなら,そのまま書けばよいので特殊性は弱く、強い特殊の0(特に書いてない0)とは区別してよい、というのがこのnoteでの分析である。
※そしてこの0は、小数のわり算へと進んだとき、わり進みを考えるときに重要なポイントとなる。

末位でない「ひくの0」

 むしろ[書かない0]が出てくるのは末位以外(頭位・中位)での[ひくの0]である。例として3)65を考えてみる。

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 十位の[ひく]の過程であらわれるのは6-6であるが、結果の0は次の計算にとっては十の位となり、この0は書かずに次の5をおろしている。(05を5と同じとみなすのなら,別に書いてもよいのだが)

 このように[ひく]のステップで0となり、次に[おろす]ものがある場合は、0を書かずに次の位をおろす,ということになる。

※整数のわり算筆算の分析なので、余計ではあるが、小数のわり進みなどは,ここで0にならなければさらに次の位に0を見立てて計算を進める、ということになる。

 素過程の記号で言うなれば、uやU・Ⓤの後にo以外が並んでいるもの、たとえば3)658〈uv■〉、3)698〈uu□〉や、3)578〈vU■〉、6)908〈vⓊ■〉などのタイプがある。

 そして、ここで次の位をおろすものがなければ0と書いて計算を終了する、というわけである。素過程の記号で言うなれば、最後の桁がuやUとなっているもの、ということである。(※oは「たてるかけるの0」が関係するので、ここには挙げない)


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