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福井県|公立高校入試確率問題2022

(※選択問題A・B共通) 

 右の図のように,箱には[2],[4],[6],箱Bには[1],[3],[5]のカードが1枚ずつ入っている。(※波線開始)箱A,Bからそれぞれ1枚ずつカードを取り出す。箱Aから取り出したカードに書かれた数を $${a}$$,箱Bから取り出したカードに書かれた数を $${b}$$ とする。(※波線終了)
 このとき,次の問いに答えよ。ただし,箱Aからのカードの取り出し方と箱Bからのカードの取り出し方は,それぞれ同様に確からしいとする。

(1) ア 積 $${ab}$$ が6となる確率を求めよ。
  イ $${\dfrac{120}{ab}}$$が自然数となる確率を求めよ。

(2) 次の[  ]の文の(ア),(イ)にあてはまる数を書け。ただし,(ア)には,1,3,5のいずれかを,(イ)にはあてはまる自然数のうち最大のものを書け。

箱Bに入っている3枚のカードのうち,(ア)と書かれたカードを,(イ)と書かれたカードと入れ換えて,波線の部分と同様のことを行うとき,$${\dfrac{120}{ab}}$$が自然数となる確率は1である。

分類:17(お互いに影響しない2つの偶然)

表をかこう!

まずは(1)を考えるために、偶然が2回起こるわけですから、とにかく表で考えてみましょう。表をかきます。
表の書き方は、いくつか考えられます。アで$${ab}$$を求めたあと、下の図のようにイの表をもう一つ書いてしまってもいいですし、アのために書いた表をもとに考えてもよいです。

(1)答   ア $${\bm{\dfrac{2}{9}}}$$  イ $${\bm{\dfrac{8}{9}}}$$

次に(2)ですが、ここで「カードを入れ替える」とあるので、AにあるものとBと取り替えるのか、と思った人もいるかもしれません。最初は私もそう読んでいました。しかし、問題をよく読むと「あてはまる自然数のうち最大のものを書け」とあります。自然数なら問題文にない数のカードを用意して入れ替えても良い、というのが題意です。

 文句を言うと、「入れ替える」と言う表現は受験者に間違いを起こさせやすいです。数学的な内容を問うのが主目的であるならば、題意をはっきりさせる補足はあった方がいいのではと思います。(ついうっかり、を超える言葉の問題と思います)

‥ということで、〔6-3〕の組み合わせを避ければよさそうなので、箱Bの3と何かを取り換えてみます。


$${\dfrac{120}{ab}}$$が自然数であるためには、$${ab}$$は120の約数でなければいけません。「最大の」と書いているので、6×(?)を最大になるように考えてみます。

 120の約数は、1,2,3,4,5,6,8,10,12,15,20,24,30,40,60,120で、まず6×(?)が最大の約数120になるように、20を入れてみると、4×20=80で、120の約数にならず、条件を満たすことができません。
 次にその次に最大の約数60になるように6×(?)=60つまり10を入れてみると、4×10=40も、2×10=20も120の約数となり、条件を満たすことができます。つまり$${\dfrac{120}{ab}}$$はすべて自然数になって、その確率は1になります。

 (2)は確率が1,すなわち必ず成り立つ条件を探すと言うことですから、確率の問題になりすました整数・分数の性質についての問題と言ってもいいでしょう。

(2)答   (ア) (イ)10

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