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リース・マクレナガン(アイルランド)のあん馬/2018年欧州選手権種目別決勝の演技

アイルランドから唯一の出場となるあん馬のスペシャリスト、リース・マクレナガン選手。
2019年世界選手権種目別あん馬で銅メダルを獲得。アイルランド勢初のメダル獲得となりました。
東京オリンピックでは種目別あん馬の金メダル候補の1人です。

リースは北アイルランドの出身。
北アイルランドは厳密にはイギリスの領土なのですが、リースには、国際大会に出場する際、イギリスかアイルランドかどちらかの代表として出場する事ができるそう。(そんなことが可能なんですか⁉)

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                         (google mapより)

アイルランドからのサポートが手厚かったことからアイルランドの代表として出場しています。
ちなみに、英連邦加盟国間で競うコモンウェルスゲームズという大会には「北アイルランド代表」として出場し、金メダルを獲得しています。

FIGが勝手に言ってるだけかもしれませんが、「あん馬のプリンス」と呼ばれているそう。

さて、今回はあん馬のプリンス・リースの演技を見ながら、移動を伴わない下向き転向(ロシアン)の技を3つ紹介します。
下向き転向は普通の旋回と違い、体を下に向けたまま旋回する動きのことでしたね。

ロシアン

まず、ひとつのポメルの上で下向き転向を3周する《Gコンバイン》です。
これは、これまで紹介した《コンバイン》という技の最高難度。
これまで《Dコンバイン》《Eコンバイン》と紹介してきました。
《Dコンバイン》はひとつのポメルの上で2回旋回+下向き転向180°(半周)
《Eコンバイン》はひとつのポメルの上で2回旋回+下向き転向を360°(1周)回す技でしたね。

ポメルというのは画像の②④の部分です。

あん馬の名称

同じようにひとつのポメルの上で2回旋回+下向き転向を1080°(3周)回すと《Gコンバイン》になります。Gと書いている通りG難度です。
G難度とあって、実施する選手は少ないですが、リースはこれを難なく決めてしまいます。

Gコンバイン


次に【馬端下向き1080°(以上)転向】です。

これは馬端(画像の①⑤の部分)でロシアンを1080°(3周)回すとD難度が得られる技です。1周だとB難度、2周だとC難度、3周でD難度ですね。

馬端ロシアン

これはD難度なので実施する選手は多く、よく見られる技ですね。


3つ目は【あん部馬背で下向き1080°(以上)転向】
「あん部馬背」は画像の③の部分。両馬端の上をロシアンで通さなければなりません。
同じ動きでも馬背でやると難度が上がってE難度になります。
馬背だと、1周でC難度、2周でD難度、3周でE難度です。

馬背ロシアン


リースのあん馬は《バックセア倒立》のあと、冒頭に《Gコンバイン》をやっています。ひとつのポメル上で4回旋回する《Eフロップ》の後、【あん部馬背で下向き1080°転向】、移動技を経て【馬端下向き1080°転向】から終末技へ向かうという構成です。
リースはこのヨーロッパ選手権の演技で金メダルを獲得しています。
この翌年に世界選手権で銅メダルを獲得しました。

画像1

リースが尊敬する選手は、イギリス代表のルイス・スミス。北京・ロンドン・リオと3大会で種目別あん馬のメダルを獲得している選手です。
「スミスはイギリス体操界の歴史を作った。今度は自分がメダルを獲ってアイルランド体操界の歴史を作る」と話しています。

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