2022年3月第三週の体操ニュース
国際大会が目白押しの3月ですが、アメリカやフランス、イタリアなんかでは既に国内大会も活発に行われています。
日本は4月に全日本選手権が始まりますが、それまでは国際大会で体操眼を養っておきましょう。
今週のニュースです。
▼パリ市長 パリ五輪へのロシア・ベラルーシ出場禁止を示唆
2024年にオリンピックが開催されるフランス・パリの市長であるアンヌ・イダルゴ氏が、パリ五輪でのロシアとベラルーシの選手の出場禁止を示唆する旨の発言をしたそうです。
inside the games:パリ市長 パリ五輪でのロシアとベラルーシの選手の出場禁止の可能性を示唆。
イダルゴ氏はオリンピックについて「ロシアのウクライナへの侵略と切り離して考えるべきでない」としたうえで、
「オリンピックは地政学の一部であり、(ロシアとベラルーシは)平和の祭典を謳う行事にふさわしくない」としています。
IOCのバッハ会長はロシアとベラルーシに対する制裁を解除する予定はないとしています。
イダルゴ氏は東京五輪・パラ閉会式で小池百合子都知事から旗を引き継がれていたあの方です。
▼芦川うららが所属クラブで最後の練習
東京オリンピック種目別平均台ファイナリストで、2021年世界選手権種目別平均台金メダリストの芦川うららが、所属する水鳥体操館で最後の練習を行いました。
芦川は4月から日本体育大学への進学が決まっており、進学に伴い11年通った水鳥体操館を去ることとなります。
練習後にはセレモニーが行われ、パリ五輪でのメダル獲得を誓いました。
芦川うらら選手といえば北九州世界選手権の予選での”マトリックス”が話題になりました。
▼スニサ・リーが「インポスター症候群」の体験を語る
東京オリンピック女子個人総合金メダリストのアメリカ スニサ・リー選手が、金メダル獲得後に「インポスター症候群」を経験したと語っています。
ESPN:体操のスニサ・リー、東京五輪での金メダル獲得後、「インポスター症候群」の経験を語る
インポスター(詐欺師)症候群とは、自分の能力や実績を自分自身で認めることができない精神状態をいうそうです。
大学1年生になったスニサは、この精神状態の影響で大会を欠場したことも明かしています。
現在は国内大会にも復帰して10点満点を出すなど活躍。
ただ、記事中には"Like impostor syndrome," she said.
つまり「インポスター症候群のようなもの」と書かれているので、医師からそう診断されたというようなことではなさそうです。
あくまで本人がそのような精神状態だったという事のようです。
▼DTB杯 ジュニア・シニアともにアメリカが優勝
ドイツで今シーズン初の団体戦が行われました。
参加国はドイツ、アメリカ、イタリア、フランス、スイス、ベルギー、オランダ、イギリス、カナダ、スペイン、オーストリア、イスラエル、ノルウェー、オーストラリアの14ヵ国。
ブロディ・マローン、ユル・モルダウアー、二コラ・バルトリニなど豪華メンバーがそろっています。
ジュニアの部は
男子
1.アメリカ
2.ドイツ
3.イタリア
女子
1.アメリカ
2.オーストラリア
3.イタリア
シニアの部は
男子
1.アメリカ
2.イタリア
3.ドイツ
女子
1.アメリカ
2.イタリア
3.オーストラリア
ジュニア・シニア・男女すべてアメリカが制しました。
米国体操協会:2022年DTB杯 米国男子がジュニアとシニアで団体優勝
米国体操協会:2022年DTB杯 米国女子がジュニアとシニアで団体優勝
開催国のドイツは男子ジュニア団体2位、男子シニア団体3位でした。
男子ジュニアのチームメンバーである16歳のガブリエル・アイヒホルンはドイツ女子代表エリザベス・ザイツの弟だそうです。
種目別優勝者は以下の通り
男子ジュニア
ゆか:ヒューゴ・カルモナ(フランス)
あん馬:リカルド・ヴィラ(イタリア)
つり輪:ヴァフ・ペトロスヤン(アメリカ)
跳馬:フレッド・リチャード(アメリカ)
平行棒:フレッド・リチャード(アメリカ)
鉄棒:ヴァフ・ペトロスヤン(アメリカ)
男子シニア
ゆか:フェリックス・ドルチ(カナダ)
あん馬:コイ・ヤング(アメリカ)
つり輪:アッシャー・ホン(アメリカ)
跳馬:コイ・ヤング(アメリカ)
平行棒:ニコラウ・ミル(スペイン)
鉄棒:カルロ・ヘア(ドイツ)
女子ジュニア
跳馬:ティアナ・スマナセケラ(アメリカ)
段違い平行棒:ミエラ・ブラウン(オーストラリア)
平均台:ルビー・パス(オーストラリア)
ゆか:キアラ・バルザシ(イタリア)
女子シニア
跳馬:デニル・ペドリック(カナダ)
段違い平行棒:ジョルジア・ヴィラ(イタリア)
平均台:コナー・マクレイン(アメリカ)
ゆか:アンジェラ・アンドレオリ(イタリア)
▼W杯カイロ大会 ダフチャンとコフトゥンが3冠達成
エジプト・カイロで行われているW杯第3戦が終わりました。
DTB杯と同時期に行われたため、アメリカやイタリアなんかはDTB組とカイロ組とに分けられて派遣されたようです。
先に行われたコトブス・ドーハと比べると、中東の国(イスラム圏)からの出場が増えたように思えます。
アイルランド体操連盟:カイロW杯でマクレナガン1位、スティール3位
各種目結果は以下の通り
男子
ゆか:アルチョム・ドルゴプヤット(イスラエル)
あん馬:リース・マクレナガン(アイルランド)
つり輪:ヴァハン・ダフチャン(アルメニア)
跳馬:アルトゥール・ダフチャン(アルメニア)
平行棒:イリア・コフトゥン(ウクライナ)
鉄棒:カルロ・マッキーニ(イタリア)
女子
跳馬:タシャ・キシェーレフ(スロベニア)
段違い平行棒:ケイトリン・ルースクランツ(南アフリカ)
平均台:ユリア・カシアネンコ(ウクライナ)
ゆか:ドリナ・ボゾゴ(ハンガリー)
男子跳馬のダフチャンと平行棒のコフトゥンは、コトブス大会、ドーハ大会に続く3冠を達成!
残るバクー大会で優勝すればW杯シリーズ完全制覇達成です。
こちらのアカウントで演技が見られます。
画像出典
https://mainichi.jp/maisho/articles/20210810/kei/00s/00s/019000c
https://www.insidethegames.biz/articles/1119856/kovtun-batrona-fig-world-cup-cottbus
https://usagym.org/pages/post.html?PostID=27150
https://www.espn.com/college-sports/story/_/id/33225605/olympic-all-champion-suni-lee-scores-first-perfect-10-ncaa-gymnastics-bars-course
https://www.daily.co.jp/general/2021/10/18/0014772208.shtml