本当の維新 後編
前回の日記に書いた通り、大阪都構想は反対多数となったわけだが、私は一つ疑問に感じる事があった。人々が「説明が不十分」と感じながらも、『都構想』なるものに67万人もの人が賛成したという事実だ。
そもそも、私の周りの人々は最初は賛成だった。
その賛成の理由を聞いてみると、人々の中に、維新の会に対してある程度の信頼があることがわかった。
主な理由としてはここ10年弱で開発が進んで、大阪全体がキレイなったこと。私学に通学している人や塾の補助がでるようになったのも大阪の人々には高評価だったようである。
一番、例に挙げられるのがかつては周りに浮浪者が多く、汚いイメージの強い天王寺公園が一部民営化され非常に綺麗になったらしいのだ。
見た感じ、良い感じである(*‘ω‘ *)。
確かに、活躍もしているようではあるが、それでも、私の中ではなぜ維新の会がこんなに人気があるのか理解ができなかった。
2015年の大阪都構想の際にも、当初は都構想による財政効果は4,000億円あると言っていたが、その後、突っ込まれまくった結果、効果が数億円にまで落ち込んでいた。この時点で、詐欺確定である。
そして、普通なら前回の都構想が否決された時点で、維新の支持はダダ下がりになるべきで、今頃はもう消えていてもいいはずの政党である。
しかし、その後は知事も市長も議会もすべて維新が押さえている。
なぜだ?
と、疑問だったので少し調べてみたら私はこの動画を発見した。
こちらの動画は、関西学院大学の冨田教授が維新の会の支持基盤を解説していた。富田先生によると、維新の会の議員は選挙期間中、以下のノルマをこなすらしい。
①1日、300握手、②1日、600本の電話営業(無差別ではなく、主に自民党支持層をターゲットに営業)、③10辻立ち
という感じの結構ハードな営業活動を行っているようで、流石、人に生産性だなんだとギャアギャアいうだけの事はあるようだ(;'∀')。やっぱりみんな努力してるんだなぁ。
そして、どういった人が維新を支持しているかの解説があった。私は最初、テレビに影響を受けやすい人々が支持しているのだと思っていた。
しかし、実際はちがっており、冨田教授によると、維新を支持する人々の感覚を代表しているのはこの方らしいのだ↓。
この方は長谷川 豊というフリーのアナウンサーの方(ちなみに私はテレビを全く見ないので、この人知らないw)。この人は昨年の参議院選挙にて、維新の会公認で千葉県から立候補していたが、画像に書いてある滅茶苦茶な主張をブログに書いた結果、当然ながら大炎上し、結局選挙を辞退する羽目になった人である。てか逆にならなくてよかった (-。-;)ホッ。
で、なんでこんな滅茶苦茶な人が、維新の会を支持する人々の代表的な感覚と言えるのか?流石に言い過ぎではないだろうか?
そこで、富田先生が言うには、
「維新の会を支持している人の感覚というのは、例えば、自分はジョギングや新鮮な食べ物を食べて、ちゃんと健康に気を使っている。なのに、片や酒を飲み、しょっ辛いものを食べて、体を壊して人工透析なんかを受けている人がいる。そんな人の面倒を、なんで自分たちが払った税金や保険料で面倒見なけばいけないのか?こうした感覚を持った人たちを維新は惹きつけている。」
自分は真面目に働いている。自分は人一倍頑張っている。そういうわけで、自分は人並み以上に稼ぎがあり、きっちりと税金を納めている。なのに、その税金は自分達には還元されず、あの貧乏人が、あの病人が、あの年寄り達が税金を食いつぶしてしまっている。
こんな世の中許せない。
こう考えた結果、長谷川さんほど極端でないかもしれないが、同じような思想を持った人々が維新を支持するようになるらしいのだ。
何というかもう...、優しさもなければ、社会性もない。
長谷川さんの言うような、暴飲暴食で重病を患った人がいたとしよう。でも、暴飲暴食しながらも元気な間は、人のために一生懸命働いていたかもしれない。誰かにとっては大切な人かもしれない。それを政治家や官僚が査定して、アンタは価値があるから医療費負担します。アンタはクソだから医療費払いません。税金の無駄だから死んでください。って、どういう基準で決めるの?
納めた税金の額で、助ける助けないを決めますか?
国はいつ営利団体になった?
金持ち・貧乏人とか関係なく、社会全体に役立たせる為に、みんなで国を作って税金払ってるんじゃないの??それが民主主義の国なんじゃないの??
アンタは稼いだから高待遇。アンタは稼いでないから追放。100歩譲って、大企業とかの事業再編とかならこういう発想でも良いと思う。でも、維新の会がやっているのは政治のはずである。貧困を是正したり、社会から不安定要素を取り除くことが本来やるべき仕事のはずだ。なのに、なんでいつまでたっても、会社のリストラ業務みたいなノリことしか言わんのだろうか??
可哀想な人たちである。
こうした、「心の余裕の無さ」を体現したような維新勢に対して、今回、大阪市民は自分で物事を調べ、考え抜いてた人が数多くいたと思う。そして、ヤバいと気付いた人はご近所さんにお声がけして、ビラを配って、投票日も会場で「反対してください!」と通りすがる人にお願いをし続けた。そして、巨大な金や権力(自民党も反対していたが、北野とかいうおばちゃんが一人で頑張っただけで、菅政権等は何もしていない。)に頼ることなく、彼・彼女達は大阪市を守り抜いた。私がツイッターで見た限り、特に女性勢の奮闘が光っていたと思う。彼女達の故郷を、生活を、自分の子供の将来を、コミュニティを守りたいという気持ちは、自分には痛いほど伝わってきた。
生産性が無いから消えろと他人に言うのが維新なんでしょうか?
みんながもっと生きていきやすい、楽しい街に変えていくのが本当の維新じゃないんでしょうか??
これまた以前の日記で書いた通り、私は故郷の大阪に何の思い入れもありませんでした。しかし、反対派の人々の活動をみて、私は大阪が少し好きになりました。誇りに思えるようになりました。まだ、他人に対する思いやりや、物事をフェアに考えようという精神があの街に残っていたのがうれしかった。
本当に維新を成し遂げられるのは、茶髪の弁護士とその仲間達ではない。
良識と優しさを持った、一人一人の人間だけなのだ。
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