3/6【新任内部監査人・必見!】不正リスクを考慮した監査の実施アプローチ(外部委託先選定プロセス)
本シリーズは、6回に渡ってお届けしています。
第1回:「リスク評価編」
第2回:「監査計画編」
第3回:「実施手法編」←今回
第4回:「評価・分析編」
第5回:「原因究明編」
第6回:「改善提案編」
第3回:「実施手法編」~ データ分析を活用した効果的な確認・検証
1. はじめに
第1回では外部委託先選定プロセスのリスク評価、第2回ではそれを踏まえた監査手続の作成について解説しました。 前回作成した監査手続では、以下のような不正リスクへの対応を計画しています。
表1. 監査手続の概要(第2回表3.からの"再掲")
今回は、この監査手続に基づき、特に不正リスクの視点で重要となるデータ分析を活用した効果的な確認・検証方法について解説します。特に不正リスクの視点では、以下のような点に着目して監査を実施します。
委託先選定の傾向分析:特定の委託先への集中状況
価格推移の分析:価格変動の合理性
取引関係の分析:担当者の関与状況
2. データ分析の基本アプローチ
取引や承認のパターンを効果的に確認するためには、データ分析の手法を活用します。通常の監査では個々の案件毎の確認が中心となりますが、不正リスク視点では全体的な傾向把握が重要となります。
表2. データ分析アプローチの比較
3. 具体的な分析手法(例)
システム保守契約の事例では、特定の委託先への集中や価格妥当性などが不正リスクとして評価されました。以下に、これらのリスクに対応する具体的な分析手法を解説します。
表3. 分析手法の比較
4. データの集計・分析方法(例)
効果的なデータ分析のためには、必要なデータを適切に集計し、分析の目的に応じた切り口で可視化することが重要です。
表4. データ分析の実施手順
5. 異常性の判断基準(例)
データ分析結果から異常性を判断する際には、明確な基準を設定することが重要です。通常の監査では基準値との比較が中心となりますが、不正リスク視点ではパターンの異常性を複数の観点から判断します。
表5. 異常性判断の基準
6. 留意事項
データ分析を活用した監査では、分析の客観性の確保と結果の適切な解釈が特に重要となります。
表6. 実施上の留意点
次回予告
第4回「評価・分析編」では、本日解説したデータ分析の結果をもとに、発見事項をどのように評価し、不正リスクの観点から分析するかについて解説します。
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