14/15 内部監査という選択:多様な人財が活きる新たなキャリア(第14回)
内部監査キャリアの総括:多様なバックグラウンドを活かせるフィールド
本連載では、内部監査という職業が持つ可能性や魅力を、私自身の20年以上にわたる経験をもとに、全15回にわたってお伝えしています。
はじめに
これまで8回~13回にわたり、様々な立場やバックグラウンドを持つ方々に向けて、内部監査というキャリアの可能性と魅力をお伝えしてきました。
今回は、それぞれの視点を総括し、「内部監査」という職種が持つ多面的な魅力と、多くの方が新たなキャリアを築ける可能性についてお伝えします。
1. 内部監査というキャリアの魅力
内部監査は、様々なキャリアのステージや異なるバックグラウンドを持つ方々にとって魅力的な職種の一つです。その具体的な理由を振り返ると、以下の特徴が挙げられます。
多様な経験を活かせる
内部監査の対象は、企業内のあらゆる業務に及びます。そのため、リスク管理や各種業務プロセスに対する評価・改善を行う上で、過去のキャリアや専門分野を活かすことができます。例えば、ゼネラリストの多角的な視点や専門職の深い知識など、重要な武器となります。キャリア形成の可能性
内部監査の経験は、経営企画やリスク管理など、組織内の他の分野での新たなステップにつながる可能性も秘めています。新卒やキャリアチェンジを目指す方にとっても、成長の場になります。社会的意義の高い仕事
内部監査は、組織の透明性や持続可能性を支える重要な役割を果たします。組織内の様々課題や問題を識別し、改善提案を行う機会や、経営層に対し直接に提言する機会などを通じて、やりがいを感じることができます。
2. 読者層ごとの「内部監査」の可能性
これまでの記事では、読者の立場に応じた視点で内部監査の魅力を紹介しました。以下に、それぞれの立場ごとの総括を示します。
新卒/第二新卒向け(第8回)
組織全体を俯瞰し、経営層に直接影響を与える内部監査という職種には、社会人としてのキャリアの初期段階から幅広い視野を養う機会があります。ゼネラリスト経験者向け(第9回)
幅広い経験を持つゼネラリストは、内部監査の中で専門性を磨くことで、キャリアを拡大できる可能性があります。俯瞰的な視点や調整力は、内部監査において大きな価値を生みます。ライフイベントを経た方々向け(第10回~11回)
出産や介護などを経て復職を目指す方にとって、内部監査は柔軟な働き方とキャリアの両立が可能な選択肢です。組織によっては、時短勤務やリモートワークにも適応しやすい環境が整っています。専門資格を持つ方々向け(第12回)
公認会計士や税理士など、財務や会計分野の専門資格を持つ方にとって、即戦力として活躍できる職場であると同時に、キャリアの可能性を広げるフィールドです。役職定年・定年退職を迎える方々向け(第13回)
長年の経験を活かしつつ、新たな挑戦をしたい方にとって、内部監査はやりがいと成長を提供する分野です。次世代育成や知識の継承を通じて、豊富な経験が社会的意義を持つ仕事に直結します。
3. 新たなキャリアへの一歩を踏み出すために
内部監査への挑戦に向けて、以下のようなアクションを推奨します。
内部監査の基礎知識を学ぶ
即戦力となるために、事前に/改めて、リスク管理や内部統制、具体的な監査手法などの基本的知識を習得することが重要です。また、資格取得(例:CIA、CISA)を目指すこともキャリアの後押しになります。柔軟な働き方を意識した選択肢を探る
各自のライフステージに合わせた求人(有期雇用や業務委託契約)を視野に入れることで、無理のないキャリア形成が可能です。これまでの経験の棚卸しを行い、活用方法を明確化する
内部監査の経験は、幅広い分野へのキャリアの展開を可能にします。過去の業務経験を整理し、それらを内部監査の場面でどのように活用するかを明確にすることで、転職や職場復帰の可能性が高まります。
4. まとめ
内部監査は、あらゆるバックグラウンドを持つ方々にとって、新たな可能性を切り拓くキャリアの選択肢です。多様な経験や価値観が活かせるこの分野で、新たな一歩を踏み出してみませんか?
次回は最終回として、内部監査という職種が今後どのように進化し成長していくのか、その将来性と新たな可能性についてお伝えします。