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1/2 職業選択のクライテリア-柔軟なキャリアを構築するアプローチ

はじめに

本記事は、以下の状況に直面している読者の皆さんに向けて書きました。

  • これからどんな職業に就こうか、迷っている人

  • 職業を選ぶ時の判断基準(クライテリア)を模索している人

  • キャリアパスの選択肢を探している人

  • これから職業を選ぼうとしている人にアドバイスをしたい人




1.「最適な選択」を考える

職業選択は、自分と社会との接点を決める重要な決断です。だからこそ、誰もが「最適な選択」をしたいと願い、慎重になります。

「最適な選択」という幻想
しかし、以下のような理由から、「最適な選択」は幻想かもしれません。

  • 別の選択をした場合の結果は、永遠に分からない

  • 同じ選択でも、その後の努力や環境で「選択の良し悪し」は大きく変わる

  • 最終的には、自分自身が「最適な選択」であったと解釈するかどうか

つまり、完璧な選択を目指すよりも、自分なりの判断基準を持ち、その時々で「最適な選択」をしていく柔軟さが大事になるのです。


2. 職業選択の基本的な考え方

「就社」と「就職」という2つの視点
職業を選ぶ際の重要な視点として、「就社」と「就職」があります。
(※どちらが良い、悪いという話しではありません)

就社志向

  • 特定の業界・企業で働くことを重視

  • 企業文化や将来性を重視

  • 様々な職種を経験する可能性を受け入れる

就職志向

  • 特定の職種や仕事内容を重視

  • 専門性の向上を重視

  • キャリアの方向性は比較的明確になっている


3. ハイブリッドアプローチの可能性

実は、「就社」と「就職」という2つの視点は必ずしも相反するものではありません。キャリアの段階に応じて、両方のメリットを活かすことができます。

1. 初期段階のキャリア(就社的アプローチ)

  • 様々な職種を経験

  • 基礎的なビジネススキルの習得

  • 自己の適性の発見

2. 中期段階以降のキャリア(就職的アプローチ)

  • 特定分野での専門性強化

  • 自己の強みを活かしたキャリア構築

  • より明確なキャリアパスの確立


4. 職業選択の実践的アプローチ

A. 従来の就職活動アプローチ

一般的な就職活動(就社的アプローチ)では以下のようなステップを踏みます。

  1. 自己分析で興味・関心を整理

  2. 将来のなりたい姿を想像

  3. 業界研究

  4. 企業研究

B. 業務性質からのアプローチ

就職的アプローチでは、各職種の特性を理解することも重要になります。

経理職
• 性質:ルールに基づく正確な処理を行う
• 求められるスキル:正確性、迅速性、集中力
• 適性:細部への注意力が高く、決められた手順を着実に実行できる人

営業職
• 性質:顧客のニーズを的確に把握し、解決策を提案する
• 求められるスキル:コミュニケーション力、提案力、粘り強さ
• 適性:人との関わりを楽しめて、営業目標の達成意欲が高い人

企画職
• 性質:新しい価値を創造し、実現に向けて調整する
• 求められるスキル:創造性、論理的思考力、調整力
• 適性:アイデアを形にすることが好きで、異なる意見を統合できる人


5. キャリア発展の具体例(内部監査への道)

段階的なキャリア構築

内部監査という専門職種へのキャリアパスを例に、就社から就職へのシフトを見てみましょう。
(※ここでは、「内部監査」を例に挙げていますが、他の様々な専門職種についても、類似の「キャリア構築のストーリー」が描けるでしょう。)

1. 準備段階(入社後3-5年)

  • 経理・財務部門での実務経験

  • 営業部門での顧客対応経験

  • 企画部門でのプロジェクト経験

2. 専門能力の開発段階(内部監査部門への配属後/転職後)

  • 監査の専門知識の習得

  • 資格取得(CIA、CISAなど)

  • 様々な部門に対する監査経験

3. キャリアの確立段階

  • 専門性の追求

  • 組織横断的な視点を獲得

  • 内部監査プロフェッショナルとしての地位を確立

【専門職としての内部監査人の特徴】

  •  経営の視点から組織全体を俯瞰する

  • 様々な部門での業務知識・経験を活かせる

  • 部門としての独立性と個人の客観性が求められる

  • コミュニケーション力が重要

【このキャリアパスの意義】

  1. 幅広い業務経験の活用

  • 複数部門での業務知識・経験が監査業務に直接活かせる

  • 業務プロセスへの深い理解が可能になる

2. 専門性の段階的な構築

  • 基礎的なビジネススキルの上に専門知識を積み上げる

  • より納得感のある監査が可能になる


まとめ

職業選択において重要なのは、固定的な判断ではなく、柔軟な視点を持つことだと私は考えています。「就社」と「就職」を対立する概念として捉えるのではなく、キャリアステージに応じて両方のメリットを活かすことを考えるのです。

最初から完璧な選択を目指すのではなく、様々な経験を通じて自分の適性を見出し、段階的にキャリアを発展させていく。そのような柔軟なアプローチも、今日のキャリア構築における有効な選択肢の一つと言えるのではないでしょうか。本記事が、皆さんにとって自分らしいキャリアの参考になれば幸いです。


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