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10コーチングx内部監査:新任監査人(金融機関)成長ストーリー~配属後6ヶ月間の学びと気づき~

本シリーズは12回シリーズでお届けしています。
00【連載予告】コーチングx内部監査:新任監査人(金融機関)成長ストーリー~配属後6ヶ月間の学びと気づき~|TAIZO

第10回:フォローアップ - 改善状況の確認方法

はじめに

内部監査では、監査報告書の提出がゴールではありません。報告書で提案した改善策が実際に導入され、期待される効果を生み出しているか確認することが必要です。しかし、新任監査人にとって、「何をどこまで確認するべきか」や「効果をどのように評価すべきか」は悩みの種になることが多いでしょう。フォローアップの効果的な進め方について、一緒に考えていきましょう。




1. コーチング手法を活用した対話:フォローアップの基本

佐藤(教育係): 「営業推進部への改善提案のフォローアップはどのように進めていますか?」
鈴木(新任監査人): 「改善計画は受領したのですが、どのようなポイントで、どこまで確認すれば良いのか迷っています・・・。」
佐藤: 「では、提案した改善策の狙いは何でしたか?」
鈴木: 「顧客説明資料の品質向上と、チェック体制の強化です。」
佐藤: 「具体的に、どのような状況であれば、これらの改善が十分であると言えますか?」
鈴木: 「説明資料については、商品リスクが漏れなく記載されていることを確認する必要があります。また、チェック体制では、新しい承認プロセスが定着し、チェックリストに基づいた確認が行われている状態です。」
佐藤: 「その通りです。それでは、これらの点をどのように確認しますか?」
鈴木: 「承認済み資料のサンプルチェック、承認記録の確認、さらに担当者へのヒアリングによって、現場での運用状況を確認します。」
佐藤: 「良いですね。フォローアップの結果をまとめて、関係者に共有する準備も進めてください。」


2. フォローアップの基本的な考え方

効果的なフォローアップを行うためには、以下のような観点から確認することがポイントです。

1.改善策の評価のポイント

  • 十分性:改善策は、提案された内容に十分に見合ったものであるか。

  • 実効性:改善策は、想定した効果を得ているか(再発防止につながっているか)。

  • 持続性:改善策が長期的に機能する仕組みとなっているか。

2.追加的な対応

  • 不十分な点があれば、追加施策を提案する。

  • 必要に応じて、経営層に報告し、支援を依頼する。


3. コーチングのポイント:効果の確認

鈴木さんは、改善の目的に立ち返ることで、より効果的なフォローアップの方法を考えることができました。

問いかけ

  • 「改善策は、当初の目的を達成していますか?」

  • 「改善効果を持続させるために何が必要ですか?」

これらの問いかけにより、フォローアップ時に重点的に確認するポイントを明確化することができます。


4. まとめ

フォローアップは、改善提案の実効性を確認し、組織の持続的な成長を支える重要なプロセスです。改善の目的を再確認し、導入状況と効果を適切に評価することで、改善を確実にすることができます。


次回予告

次回は「品質管理-より良い監査のために」というテーマでお届けします。


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