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12/15 内部監査という選択:多様な人財が活きる新たなキャリア(第12回)

公認会計士や税理士など、専門資格を活かした転職を考えている方へ(専門資格を活かす新たな挑戦)
本連載では、内部監査という職業が持つ可能性や魅力を、私自身の20年以上にわたる経験をもとに、全15回にわたってお伝えしています。

はじめに

前回は介護などの家庭の事情を抱えながらも、キャリアを諦めたくない方向けに、内部監査というキャリアの可能性についてお伝えしました。
今回は、公認会計士や税理士といった専門資格を活かし、その専門性をさらに拡大しようと考えている方々に向けて、内部監査の魅力と可能性をお伝えします。




1. 専門資格を活かして挑戦できる内部監査

内部監査は、公認会計士や税理士など、財務や会計分野の専門資格を持つ方にとって、即戦力として活躍できる職場であると同時に、キャリアの可能性を広げるフィールドです。

  • 財務や会計の知識をベースにさらなる成長が可能
    専門資格で培った知識は、財務報告のリスク評価やJ-SOX監査などの分野で即戦力となります。内部監査には経営監査や業務監査、コンプライアンス監査など、様々な種類の監査がありますが、まずは財務報告のリスク評価やJ-SOX監査で即戦力を発揮しつつ、他の監査領域に担当を広げていくことを推奨します。

  • リスク管理やコンプライアンス分野へのキャリア展開
    内部監査では、財務だけでなく、IT監査や規制対応など、幅広いリスク分野に携わることができます。このような機会を通じて、専門性をさらに拡大することが可能です。

  • 経営層への提言の場として活躍
    内部監査では、経営層に直接提言を行う場面が多くあるため、経営の視点を学びながら、企業の成長に貢献する経験を積むことができます。

(※)IT関連の資格を持つ方へ
本記事では財務や会計分野の専門資格を例に挙げていますが、CISA(公認情報システム監査人)やシステム監査技術者などの資格を持つ方にとっても、内部監査は有力なキャリアの選択肢です。


2. 内部監査で得られる新たなスキル

公認会計士や税理士が内部監査を通じて新たに習得できるスキルは、将来のキャリアをさらに充実させるための重要な要素です。

  • 業務プロセスの分析スキル
    財務会計だけでなく、業務全体を俯瞰し、リスクや改善点を特定するスキルを磨くことができます。

  • ITスキルとデータ分析力
    IT監査やテクノロジーを活用したリスク評価が増えており、ITスキルの向上が求められます。これにより、データ駆動型の意思決定にも強くなれます。

  • 他部門と連携するスキル
    内部監査は、さまざまな部門と協力して進める業務であるため、コンフリクトマネジメント力や(納得感を醸成しながらの)説得力といったコミュニケーションスキルをさらに強化できる機会があります。


3. 専門資格を活かした次のアクション・ステップ

内部監査に挑戦し、専門性を広げる際には、以下のステップが参考になります。

  1. 内部監査におけるスキルを磨く研修や講座を活用する
    内部監査の基礎知識やIT監査の最新トレンドを学べる講座を受講し、即戦力としてのスキルを強化しましょう。

  2. 企業の内部監査部門や関連部署の情報を調査する
    内部監査部門の位置付け(独立性:ポイントは監査委員会や監査等委員会への直接のレポートライン)や役割、求められるスキルを調べ、転職活動で有利な情報を集めておくことが重要です。

  3. 専門資格を活かせる内部監査ポジションに応募する
    比較的規模が大きい企業や多国籍企業を選ぶことで、より専門資格が活かせる可能性があります。転職活動では、資格や経験をどのようにして役立てることができるかを明確にしてアピールすることが重要です。


4. まとめ:専門性を広げ、経営層に近づく内部監査

内部監査は、公認会計士や税理士が持つ専門資格を活かしながら、さらなるスキルを身につける場として魅力的な選択肢の一つです。リスク管理や業務プロセスの分析、IT監査などのスキルも磨きつつ、経営層と直接対話のできるパートナーとして、重要な役割を担うことができる可能性も広がります。

次回は、「役職定年や定年退職を迎える方」に向けて、内部監査でキャリアを再スタートさせるための具体的なステップをご紹介します。


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