理想主義と現実主義、次世代の男性に何を求めるのか! -衆議院選挙2021秋-
政治といえば、女性と人種とマイノリティ。女性がどれだけ現代の社会で苦しんでいるのか、外国人がどれほど排他的な日本で苦しんでいるのか、そしてマイノリティがどれほど関心を持たれないのか、そのような話を何度も耳にしてきたことでしょう。
その他にも貧富の差、教育、少子化、そして誹謗中傷や環境問題など、社会が取り組む問題はたくさんあります。中国とアメリカの関係も複雑で、防衛の問題は深刻です。
しかし、選挙では以上の問題はすべて忘れたほうがいいかもしれません。
確かに差別を受けている人たち、苦しんでいる人たち、困っている人たちのために政治について考えなくてはなりません。政治の影響を強く受けるのも彼らです。
しかし、日本共産党も自由民主党も女性、人種、マイノリティに関してそれなりに真剣に取り組んでおり、そもそも日本が抱える問題のほとんどは政府の能力を超えています。そればかりか女性や外国人、マイノリティの問題は社会運動により解決してきた側面が強いです。
他の細かい問題も、政権交代ではなく社会運動や企業努力により解決せざる得ない問題が多いように思えます(SDGsなど)。
ということで、歯を食いしばって解決する難しい問題は忘れましょう。
もっと伝統的で、古典的で、からりと明るい、単純で方向が二つにはっきりと分けれる、まさに選挙とはこれを選ぶために存在しているのだという問題について考えて行きましょう。
それは何でしょうか?
もちろん、男です。
すべての悪の根源にして、ときにヒーローとなり、社会の原動力であり、まさに宗教や哲学や文化は男はどうあるべきなのかを考えてきたといっても過言ではありません。
女性の恋愛や結婚の悩みは擬似問題で、すべての悩みの正体は、どうして男はこうなのかという問題でしょう。
また、人種問題やマイノリティ問題、貧困の問題なども、問題があるのは彼らではなくてマジョリティです。社会的地位の高い男性です。男がどのように生きるべきなのかが、どのように生きてほしいか、それこそがまさに政治だと断言してしまいましょう。
すべての社会問題の解決を託されるのは男であり、男を変えることにより解決しない問題はそもそも解決しないので考えるだけ無駄です。
女性にとってはパートナー、問題を抱えている人には救い主、自然を征服して社会を発展させ宇宙に飛び出そうとしている気楽で楽観的でときには何も考えていないように思える社会的強者の男性たちについて、今日は考えて行きましょう。
ということで男性について考えて行くわけですが、残念なことに3000年以上世界中で議論されてきたせいで、議論が成熟しており、社会の主役となる男らしさの結論は二つしかありません。
右と左、理想主義と現実主義です。
第一は夢が大好き、夢を語る男性です。
この男性の特徴は高い目標を口にすることが素晴らしい考え、ぺらぺらと日本とは何かを語ります。日本はこうあるべきなのだ、だから私はこのように生きるというのが理想主義の男性です。
理想主義と聞くと、革命的であったり未来的であったりするように思えるかもしれませんが、夢を語る男性たちは社会的な評価や、また過去の経験から理想を口にするので、彼らが革命的であることはありません。注目されるのが好きなのだけです。
しかし、自分で新しい理想を考える能力がないので、彼らには安心して仕事を任せることができます。
常に社会の目を気にして、常に誰かから評価されることを口にして行動できることが彼らの強みです。理想主義ですが、だからこそ社会から外れずに現実的な生き方ができます。自己啓発も大好きです。
この第一の男性たちは褒められるのが好きなので、もちろん女性たちに母親を求めます。
女性を守るよりも、女性に守られるのが好きです。
だから、フェミニズムとか許せないと考えています。彼らは女性を支えるのではなく支えてもらいたいのです。
第一の男性にとって、男らしさとは守られることです。
社会に守られ、女性に守られ、どんどんと社会の階段を上に昇っていきたいロマン主義系の男性が、第一の男らしさです。
第二は夢を実現することが大好き、口よりも行動する男性です。
この第二の男性は好きなことを極めるのが大好きで、そして自分の手で社会が変わっていくのを見るのが好きです。
手を動かしているので、彼らの理想や夢は判明していく現実に合わせて変化していきます。新しい発見を繰り返して、その発見に基づいて次の目標を定めていくのです。
彼らは伝統的な日本らしさに不審の目を向けます。
なぜなら、第二の男性は自分達が日本を育て、作り上げ、そして自分達自身が日本になるという自負があるからです。
彼らにとって伝統とは主張するものではなくて引き継ぐものです。日本人とは何かとか、日本人らしさを口にすることは恥ずかしいと考えます。
第二の男性は、あまり社会や他者に理解を求めません。
結果で語ろうとします。
現実を正確に理解して、それから目標を考える。
このリアリズムが第二の男性です。
また、第二の男性は女性に支えられることよりも、女性を守ることに男らしさを感じます。愛されることよりも愛することに価値を見いだします。
女性が社会で守られていなければ、出産も子育てもできないだろうと考えるのが第二の男性です。少子化が起きる原因は、女性が社会で守られていないことが原因だと考えます。
女性が望んでいることを女性が思いつくよりも先に実現する。
それこそが男性の役割だと考えるのが、第二の男性です。
第一の男性を理想主義者、第二の男性を現実主義者と呼びましょう。
もちろん、今回の選挙では第一の男性こそがこれからも日本を担うべきだと考えるのが自由民主党であり、そして第二の男性を育てなくてはならないと考えるのが日本共産党だと解釈できます。
自由民主党は、日本らしい日本の実現という夢を持ち、そして共産主義と戦うというアニメ的な夢を語ることで注目を集めるのが好きです。
そして、女性が男性を支える社会を理想だと考えます。
こうして、理想主義は自由主義へ向かいます。
また、マルクスとエンゲルスに起源を持つ日本共産党は、もともと人間は生物であるという前提から物事を考えるはずです。
女性が出産して育児を行うためには、家や食料や衣服などの物質的な富が必要なのに資本主義がそれを破壊していると考えます。愛国心で子どもを育てることはできないと考えます。
国家が社会を守り、社会が労働者を守り、そして労働者が商品を生産して母親と子どもに捧げるという世界観を持ちます。
現代の戦争は男性社会で負けた人たちが、大きなことを口にして注目を浴びたいために起こすと考えています。
そのため、天皇や日本のために戦争をするという考えに否定的です。
こうして、現実主義は共産主義に向かいます。
自由主義VS共産主義。この二つの男性像を見ると、フェミニストもマイノリティもおぞましいと感じるかもしれません。
理想と現実? その発想にうんざりなのですが。
しかし、理想主義(自由主義)か現実主義(共産主義)か、どちらかを選びましょう。右も左も古いですが、選挙そのものが古いので、選挙に新しさを求めることに意味はありません。
それに右か左、どちらかを選ぶことにより、それは男性社会の理想の男性像に決定的な影響を与えます。
なぜならば、選挙により男性がどちらを目指すのか、どのような男性が評価されるのかが決まるからです。
理想主義が勝利すると、そちらが良いのかと思い込み、そして現実主義が勝利するとそちらが良いのかと思います。
それは細かい政策や政治家の人柄よりも大切なことです。
なぜなら、社会は政治家ではなくて、社会で活動している多くの男性たちが権力を握り運営しているからです。
彼らに何を期待するのかを、選挙で決めましょう。
そして、右か左で解決できないことは、そもそも選挙で解決しようとせずに素直に社会運動で解決しましょう。
最後に、なぜ理想主義者や自由主義者が、日本古来の伝統的な男女のあり方として女性は男性に尽くすべしという考えを持つのかを考えてみましょう。
直感的に明らかですが、これは思い込みを含みます。
女性が差別を受けていたのは間違いないでしょうし、女性の社会的地位が低かったのも間違いないでしょうが、それは貴族を含めた社会全体の問題であって基本的には男性が女性を支えていたはずです。
そうでなければ、女性は物理的に出産ができません。
核家族に関してもそうですが、保守、あるいは伝統主義者は資本主義により生まれた新しい価値観を「古来より」とか「伝統的」とか「自然な」いう言葉によって昔からあったかのように信じる傾向があります。
肉体労働は女性の仕事、精神労働は男性の仕事。
これは古来よりの男女のあり方と思われがちですが、農民などはがっつり男性が身体を動かしていたはずです。
逆に共産主義とは、真実の意味において、本来の男女のあり方の復活だと考えることもできます。
女性が守られた状態で安心して出産と育児ができる。そのための社会を男性が用意するというのは生物としても、そしておそらくは古来の日本男子において自然であったはずです。
家庭を放置して宗教に夢中になっている男性、夢を求めて堅実に生きることを嫌う男性に価値を感じる女性は、おそらく子どもを残せず、残しても環境が悪いので淘汰されるからです。
何が真実なのか?
選挙とは男女の本来のあり方を考える良い機会です。
今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。