見たい景色の先に 切り離した世界 境界をこえて ぐらりぐらり 脳が揺れる 本質の手前で 煽り煽られ 相変わらずの 空しさならば なおさら どこにもない ひたすら 歩き続けて あれから どれだけ 歩き続けて もちろん ここにも かなしみの向こう 空から降り注ぎ 眩しく瞬く間 再び空へ戻る 今という光
朝を待つ ぼんやりと 今日を動かす まわりだしたら ただ流れに任せる 上へ上へ 引きでみる世界 魂と時間と空間 右へ左へ 操ってるようで 操られてた、として 今日のところは 今日のところは 命を待つ ジリジリと 仰向けの蝉 ひと夏を全うし 巡り巡り繋がって
空のいろ雲のかげ 過ぎし日々重なる 水面を覗き込む いつかの川辺 誰をどう生きてる 構えていた昨日 二極で揺れたまま それはたしかなこと 受け入れるまで そこをどかない あるときは美しく ざわめきながら 時折逆らって楽しむ 躍るような日々 明るい方へひらけ いつかの川辺 光の粒を追って 何度でも感じていい あますことなく尊い
うだるような季節 飲み干してもまだ 砂漠から逃れ逃れて それでもまだこれから 辺りがゆがむ 記憶がゆがむ キーンと尖る しーんと沈む 膨張してぶつかる なだれ込む冷たさ 境界線を探り合う 似た成分を辿って もっと自分に注いで やっと向けられた矢印 手動で変えられる幸せ もたれた冷たい壁 戻りたい夏はない それでも涼に黄昏
ひと雨ごとに夏は近づく どうにもならない豪雨 盛大な拍手に聞こえだす 足元は去年のサンダル ペタペタ歩いてく 置忘れた傘の行方 最近の予報は的確で 予定調和な世界 まどろむ耳に まとわりつく雨音 ひと雨ごとに梅雨は去り 雨上がり傘振って歩く 日の長くなった夕暮れ 下手なりに生きれる ペタペタした世界で
週のあたまのあたま こんな朝が来るなら 休みなんてなくていい それくらいごねたい朝 目覚めの気分はすぐ消えて 寝たりないのは君も同じ きっと同じような朝を きっと同じような顔で 鏡に呪文唱えてるはず 週末はどうして 設定変えないのに 1.5倍速で流れてくの 週末はどうして 話したいこと溢れて 他愛もないことで ちぎれる程笑えるの 離れる時はへその緒切られ ちがうプラグを抜き差し この世界からも切り離され 暗くなるけど終わりじゃない 切り替わっただけ こ
整ったフレーズ くりかえし 並べただけの ことばあそび どうにも乗らない日 それでも なにかを 創作したい欲求へ 言葉と自分と向き合う シンプルに素直に 感じた手触りの 意味から離れ 自分からも自由に 心晴れる 駆け上がる空 風が鳴る
コーヒーの香り 急かす湯気を見送って 深煎りを沈め うすめた言葉で 朝のトーンを探る こころの縁をなぞりながら コントラストを下げて やわらかくゆるやかに なじませていく このこころも そのこころも 見えなくていい 見せなくていい 光と影と 陰と陽と くり返しくり返し 引き合い寄り添う 注いだ二杯目 変化するバランス こころを此処に戻し それぞれの空間へ 調整をかける
ふわふわと とりとめなく しらしらと 浮かんでは消え そう 今日こそは すこし とおくへ かんがえるひと 置いてくる あふれるままの 走り書きを ひと晩寝かせ 手間を惜しまず こしらえる うんうんと 唸り紡ぐ日も ぐるぐると 巡り巡らせる日も するすると 降りてくる日も 探しあぐねた ことばたちが 否応なしに どこかへ連れ出す
今日を切り取る 見出しはない 計算もない いまのそれ 最後だなんて 知らない最後が なにげなく 通過していく 逃さぬように 撮った瞬間さえ ぎゅっと 詰まってるようで もう味がしない 蒸し暑い日 リクエストの シチューを作る 6月の夕方 むらさきの雲 あじわう空
少し歩いてみようかな まだ旅の途中 ゆるいテンポで きのう取り過ぎた 水分を飛ばして きのうの気になる 話題は少し寝かして また考えよう いじわるな返しで 弱い粒がこぼれて ついつい拾うと 疲れちゃう 正解はないなら 今日はスルー なんとなく なんとなくね 少し歩いてみようよ まだ旅の途中 同じ歩幅で そうしたら 見慣れた景色も いつの間にか 変わってること すっとなじんでる それぞれで また歩いていこう 遠くに見えるくらいで もうちょうどいいかな 新しいをみつ
台風が近づくと 眠くなる 何度寝かのすえ 残る眠気に 珈琲が勝り カーテンを開ける 通り過ぎていくと 水かさの増した 濁流に よく降ったと 讃えたくなる 単純さ とっくに 知っていたよね 低気圧に 負けること 揺さぶられ生きる 大人にはなるまいと 思っていたのにね シーズン到来 まだまだこれから 耳の奥の叫び声 揺り戻す日々 塞がず動け 清々しく 汗になる 走れる日々よ どうか 続け
風は聴いている 人が心底思ったとき こぼす音を 日々 交わされる 当たり障りのない 天気の話の途切れた間も じっと聴いている 煩わしい音がする 寒くないか暑くないか 絶えず聞く母のよう とどまろうとする 憂鬱と執着に 風がふく いらない熱と共に そっと奪って つきることのない ぐるぐるの森に 風がふく 全部、気のせいだと そっと抜けて
今日ね と始まると お家の人は 聞く人になる そんな毎日が そんな夕食の会話が あったよね 数え切れないほど とりとめのない やりとりが なんとなくつづく そんなふうに思ってた すぎていったのは 時間でしょうか すぎていったのは 成長でしょうか すぎていったのは 日常という音 すぎていったのは 日常という跡
またすぐに 日々 淡々と 慣れていく 群れを抜けて また違う群れに 吸収されてく ペース取り戻す なんてことない 何回も繰り返し ペースを掴むまで あるような ないような ふとした気配 ふとした病み 赤い日のない 6月飛ばして 7月8月へワープ 喜びを先に 希望を先に 楽しみな日に◯ またくる 日々 淡々と 塗りつぶしてく 日々 淡々と 有り難く 稼働
曖昧な歌詞のまま 耳について離れない歌 動き出せない朝は 雨雲レーダーを追って 早回しの空 降りそうで降らない グズグズな日 マリーちゃんとおおあめ 脳内で丁寧に抑揚つけ 読み聞かせてみたり 機嫌をとって メロンフラペチーノを 与えてみたり グダグダを ぼぉーと眺めて 肯定し尽くす 毎瞬 毎瞬 新しくなる 突破できる 見捨てないで 気長に エンドレスに流れる歌 眩しい光と音は 魔法をかける