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中学生がメルカリ出品(の手伝い)で学べること

休業・休校の余波で自宅内の片付けをする時間が増え、不用品が次々と出てきました。大切にしてきたものを捨てるだけは芸がない。それまではメルカリは買う方専門だった我が家も、出品に挑戦してみようという話になりました。
使うアカウントはもちろん保護者のものですし、進行の要所要所ではその都度、保護者の確認を得ながらですが、せっかくの機会なので、長期休校中のわが家の中学生に、出品すべきかの見きわめから、商品撮影や説明の下書き、梱包発送までの実務全般に挑戦してもらいました。

そもそも売れそうかを見きわめる

最大手のメルカリだからと言って、何でもかんでもが売れるわけではありません。
たとえば、回数が少なくても着用済みの洋服なら、自分が買いたいと思えるキレイさか? 品物の状態を売り手ではなく、いったん買い手の側に立って判断するところがスタートになります。
また、ブランドものか、そうでないか。サイズアウトで頻繁に買い替えが必要なキッズ向けなのか、大人向けなのか。同じ種類の品物でも適正な価格帯は全く違ってきます。

どのカテゴリーに位置づけるかも大切です。
同じ水筒を出すにしても、アウトドア用品なのかキャラクターグッズなのかで反響は変わります。趣味性の高い分野であれば、古くてもビンテージだとして希少価値を認めてもらえるケースもあるわけです。

自分で梱包発送できそうな品物なのかも、最初の段階でおおよそのメドを付けておく必要があります。

具体的にいくらで出品すべきか(値づけ)

次に、類似の(あるいは全く同じ)品物が、いくらで出品され、どれが成約しているのか。そして、その差は何なのか(外箱のありなし、状態、写真の様子など)を調べる作業は欠かせません。

自分で梱包・発送する手間と、送料も値づけの重要なポイントですね。わが家の中学生も、何度か繰り返すうちに、パッと見ただけで「これは60サイズに収まりそう」などと言えるようになっていました(笑)。

値づけをするということは、モノの価値を客観的に表現するということ。原価からの積み上げではなく、買う人の視点に立って見直す経験は、中学生にとって、かなり新鮮なものだったようです。

写真を撮る

品物の売れ行きを左右する大きな要素に、写真があります。
わが家ではiPadのカメラで撮っています。カメラの性能以上に、照明がキチンと当たって光量が十分かどうかで、印象がずいぶん違います。暗ければ暗いほど、カメラ側の負担が大きい(高性能が求められる)。その意味では、高いカメラよりも、照明器具などを買う方が安上がりかもしれません。

照明器具というよりも、「十分な光量かつ大きな光源」ですね。へんな影が出ないようにするには、上記のようなソフトボックスなど、光を拡散させるための一工夫が必要不可欠だと思います。わが家にはたまたま動画撮影用に手持ちがあったので、そのままメルカリ撮影にも流用できました。

また、左右の余白は適切か、品物が傾いていないか、何を背景にするのか(木の床なのか、畳なのか、塗り壁なのか、クロス貼りなのか、余計なものが写り込んでいないか、雑然としていないかなど)、ブツ撮りをするプロにはもちろんかないませんが、素人でも最低限気をつけられるところはたくさんありました。

その意味でも、気軽にどんどん撮れて、その場で大きい画像を見ながらチェックもできるのはiPadの良いところです。

ちなみに、品物が大きいほど、撮り方に悩みます。(iPadなど広角寄りだと歪みも気になりますし)。メーカーのウェブサイトなどの公式写真から、その商品の「一番カッコいい構図」を学ぶのも有用でした。

写真は一枚だけでなく、外箱と中身の両方、正面と後ろ向き、アピールできるポイント(ブランドが売りなら本物だと伝わるタグか何か)など、多いほど買う方は安心できるでしょう。
なお、写真が足りないからと、Amazonなど他サイトから写真を転載してくるなど、他者の権利を侵害する行為の有無については、大人が自分で出品する時にも気をつけておきたいポイントですね。

紹介文を書く

写真がだいたい揃ってきたら、紹介文を書くわけです。
なるべく簡潔に、かつ丁寧に、過不足なく魅力的に書くというのは、中学生にはとても良いトレーニングになりました。

ここでも、売りたい側の気持ちではなく、買ってくれるだろう人が、どんな人なのかを的確に想像し、その人が知りたいことを挙げる、順序を考える力が必要です。

誤字脱字はもちろん、変なていねい語とか、それだけで買い手を不安にさせ、出品物の品質も疑われてしまいます。何度も何度も書き直すことで、次第に表現力もアップしていきました。

何より、悪いことも良いことも、余すことなくバランスよく誠実に書くことが求められているということを、次第に習得できるようになりました。

コメント対応や価格交渉

出品後も、時々状況を確認し、質問への回答や、条件交渉に適宜応じていく必要があります。

わが家の中学生、最初はしょっちゅうiPadのメルカリアプリを立ち上げては、何件ハートが付いた、全く反応がないとかで一喜一憂していましたが、それもまた困るわけです。

自分の生活リズム最優先、せいぜい朝昼晩の三回ぐらいで十分。ただし、発送完了の報告や相互評価、いただいたコメントについてはそこで温めるのではなく、可及的速やかに対応すべし、という方針にしました。

出品しても売れないと、すぐ値下げしたくなるのも、最初の頃はよく見られた反応でした。値づけのところで、しっかりと検討できているのであれば、わずか数日で値段をいじるのは正しくありません。リアルでも、お店を出している側は、じっと待つ強さが求められるということを学べたように思います。

成約〜品物の発送

価格が折り合い、いざ発送の段になると、何より大切なのはスピード感です。後回しにせず、最優先で作業を進めることを心がけました。

コンビニによって提携している運送会社が異なることや、品物のサイズによって、選択すべき発送手段が変わることも、実体験を通して知ることが出来ました。同じコンビニチェーンでも、店舗によって、受け付けの応対は千差万別です。保護者の側も気づきがたくさんありました。

5月の販売実績は

これまでに10件ほどが売れて、(送料等を引いた)売上は3万円を超えました。すぐ現金化するのではなく、そのままメルカリに残して、次回以降の買い物に使う予定です。

中学生も、細かな努力の結果が、自分の洋服やカバンなどの購入に役立つということで、大いに納得している模様です笑。

そろそろ長期休業も終わりが見えてきましたが、これからも機会を見て、参加させたいと思っています。


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