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太陽トーク《プロデューサー編》|経営者でもある映像プロデューサーが語る【太陽企画】の変わることと変わらないこと

連載【太陽トーク】は、映像制作現場の話を中心とした太陽企画の社員インタビューです。ここでは、当社への入社を希望される方にも役立つような現場の生の声をお届けします。ぜひ、太陽企画の"いま"を知ってください。
(※このインタビューは当社リクルートサイトで公開している記事を展開したもので、2021年3月に実施しました。)

AIの台頭に、全世界を襲ったコロナウイルスのパンデミック。
今、世の中は大きな変化の中にあります。その激流は制作会社にどのような変革をもたらしているのでしょう?社会が変化し多様化していくなか、映像の作り手として、変わることと変わらないことを、太陽企画の明日を担うお二人にインタビュー。

役員とプロデューサー。
兼職する二人が仕事で大事にしていることとは?


ーー 太陽企画の経営陣として、そして現場でプロデューサーとして活躍されているお二人が、仕事において常に心がけていることを教えて下さい。

永澤:
ずっと考え続けることですかね。映像においても、会社においても、自分自身においても、もうちょっとこうすると良くなるんじゃないかって。

小野﨑:
あ~それ言われちゃったな~(笑)。僕はね、プロデューサーにしろ経営者にしろ、「伝わる」コミュニケーションが大事だと思っています。「伝える」と「伝わる」って違うんですね。「メールを送りました」と言っても相手が理解していなかったらそれは伝わっていないですからね。映像制作は何十人ものスタッフと一斉に仕事をするわけですから、それぞれが理解しやすいように、わかりやすく伝える。意思疎通を円滑にして、ひいては作った映像が世の中にわかりやすく届くように心がけています。

永澤:
わかりやすくするっていうのは、日々の業務でもポイントだよね。僕はスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーの言葉にすごく共感しています。「監督は映画を演出する仕事で、プロデューサーは現実を演出する仕事だ」。何かのインタビューでおっしゃっていたのですが、本当にそのとおりだと。映像プロデューサーの仕事って「クオリティやスケジュール、予算を管理する総責任者」ってよく紹介されていると思うのですが、"現実"は想像しているよりも泥臭くて厳しいものです。そういう現実を受け止めて、いかに面白く映像作りができるか。自分も含め、関わる人たちが、やりがいを感じられるようにもっていけるか。それが「現実を演出する」っていうプロデューサーの仕事だと思うんですよね。

小野﨑:
本当にそうだね。22歳で入社してもう44歳になりましたが、いまだに目の前の"現実"に精一杯ですよ。 プロデュース業務というのは、裏方の仕事です。裏方は180点取れないと目立てない職種です。まぁ僕もだいぶ地味な方だけど、地味なだけにずば抜けた安心感のあるプロデュースをウリにしているつもり。そこにその人なりの面白み、クリエーティブとも言いますが、それをプラスしていくことをきちんとやっていたら、なぜか目立ってくるんじゃないですかね。気がつくとディレクターや代理店、クライアントから厚い信頼を寄せてもらっていて、単なる喜びだけじゃない、緊張感もあわさったヒリヒリ感から逃れられない。僕のやりがいになっています。

コロナ禍で加速する
プロダクションの変化


ーー 世の中はワークライフバランスや、SDGsといった価値観の変遷を迎え、変化の渦中にありますが、それが2020年からのコロナ禍でさらに加速しているように思います。

小野﨑:
コロナの大流行により、人が人間らしい生活する上で辛い時代になりましたね。ライブやコンサートが消え、飲み屋で友達や同僚と集うことが消え、「不要不急」な活動が失われました。そこではじめて僕たちは、人が楽しく生きていくためには、そういったことが「必要」なものだったと痛感していますね。映像やモノづくり、そして顔を会わせてのコミュニケーションも同じではないでしょうか。このタイミングで感じた大事なモノは、未来につながるヒントになりそうです。

永澤:
プロダクションにおける変化については、本当に変わるのはこれからなんじゃないかという気がしています。コロナ禍でリモート撮影や編集が当たり前になったり、変わったこともたくさんあるけれど、僕はコロナ以前からすでにあった技術や方法を、よりたくさんの人たちが使うようになっただけ、という見方をしています。もっとメタ視点でこれからのプロダクションの役割や未来を考える必要がある。だから価値観も含めて、これからが本当の変化の時だと予想しています。

ーー取り巻く環境だけでなく、YouTuberやビデオグラファーに代表される、スモールユニットでも消費者に受け入れられる映像を作り、生計を立てていける時代になりました。そんな中でプロダクションでの映像制作をどう捉えていますか?

小野﨑:
もし1人で作った映像で満足していられるなら、今の時代それで生きていったほうがいいと思うんです。フリーランスで活動すれば自分でコントロールできることも増えるでしょう。僕たちがプロダクションで手掛けるのは、大人数でつくる大規模な映像制作です。そりゃ苦労もその分多いですが、得られる感動もひとしおです。スモールユニットでの映像制作時代に育ったみなさんの中で、太陽企画を志望する人が言うのは「もっとスゴイ映像を作りたい」ということだったりします。映像が好きなら自然なことだと思います。

永澤:
今は案件も多様化しているので、数百人が関わる大規模なものもあれば、ほんの数人で最後まで仕上げてしまう案件もある。そういう意味では、プロダクションには両方に関われる選択肢がありますね。それぞれの良さを活かしながらビジネスとして成立させるのも、プロダクションの変化におけるキーワードになるかもしれないですね。

小野﨑:
太陽企画の規模ってちょうどいい。小さな事業規模だと、キャッシュフローや信頼度の面でも、大きなキャンペーンの仕事を受注するのは難しいだろうし、逆に大企業のように効率化優先でシステマチックになり過ぎたり、いわゆる大企業病にかかることもない。社内にポスプロ部門もあって連携が取りやすいし、知見を広げられるメリットもある。上司にも提案をしやすい雰囲気も特徴です。

ーー制作環境のみでなく、視聴者の変化はどう捉えていますか?SNSネイティブ世代においては、テレビ離れも加速していると聞きます。

小野﨑:
実際にうちの息子は、個人が作った映像をYouTubeでずっと見続けています。

永澤:
テレビ離れは確実にすすんでいて、動画を見るメインのプラットフォームは、PCやスマホからアクセスできるオンラインメディアになりつつあります。そうなると当然、表現方法や映像話法は変わってきます。プロダクションは、そういうさまざまなメディアの、さまざまな世代の視聴者に向けて”響くモノ”を作る、アウトプットの最前線にいます。だから、クライアントの意図とターゲットの視聴者たちの「気分」を敏感に感じとっていく必要はこれまで以上にあるでしょうね。

小野﨑:
つまり「人の心がわかる力」はキーワードだと思います。それは僕のようなTV世代にとっても、息子のようなSNSネイティブ世代に向けても変わらず求められるものです。

永澤:
一方でNetflixやAmazonプライム・ビデオ、Disney+といった、映画クオリティのドラマにも日常的にアクセスしていて、ハイエンドからローエンドまで多様な視聴体験ができる時代。そういう事も含め、プロダクションとして多角的に対応していく時期だというのはひしひしと感じていますね。

ーーそういった渦中にあり、お二人が考える「いい映像」とはどういうものでしょう?

小野﨑:
「いい映像」って考えた時、視聴者やクライアントにとっていいモノである前に、自分にとっていいモノでないと誰にも響かないんじゃないでしょうかね。そのためには、自分の実感値を持って、自分で考えているかが大事。「これが幸せですよ!」と言ったモデルケースが世の中にたくさんあるでしょ。そこに妄信的な人にはいいモノは作れない気がします。見たことないモノを作ろうとしてるのに、型の中でしか考えられていないのかな。永澤も言っている、自分で考え続ける力が求められるんじゃないでしょうか。考えすぎてどこまでもいっちゃうような、そういう詰める力のある人材が、人の心を動かすような映像を作るんだろうし、映像のプロとして向いている。誰にでも映像が作れるこの時代において、そう感じています。

ーー小野﨑さんが「アイデアを提案しやすい」社風とおっしゃいましたが、それは若い人にも平等にチャンスはあるのでしょうか?

小野﨑:
なんでもかんでもってわけじゃないですよ(笑)。ちゃんとそこそこの検証をして妥当性がないとダメですよ。健全なレベルで開かれています。いい提案があったらいくらでも聞きます。

永澤:
逆に活用しないともったいない。TOKYO(原宿にオフィスをかまえるクリエイティブプロダクション)は新規事業部として、直接社長に企画提案して発足に至った例です。ちょうどあの頃も、閉塞感が漂う世の中でした。リーマンショックに東日本大震災、デジタルメディアが台頭しはじめテレビCMが押されはじめた雰囲気が漂う時代。同世代でデジタルを使った新しい広告を作っていた演出部の谷川英司(監督)が会社を辞めると言いはじめて、彼を中心に、どうせ辞める覚悟なら、違う形で出来ることを考えようと話し合ったんです。

ーー「映像xTECH」という新しいタイプの広告の芽となり花となりましたね。

永澤:
結果としてですけどね。王道CMに対するカウンター的な存在価値を証明したいという気持ちが原動力になっていたかな。だからTOKYOでは逆にターゲットをすごく絞り込んだんです。今でこそ大手ナショナルクライアントのお仕事も増えましたが、多くは、外資系企業やテック系企業、同じようなベンチャースピリッツを持ったクライアントと、新しいことや面白い挑戦をし続けたら、結果としてTOKYOらしいブランディングが築けた。こういった提案が活性化すると太陽企画はもっと面白くなりそう。

小野﨑:
つまるところ、会社は自分であり、全社員の集合体が会社だということを理解しないといけない。つまらなくするのも楽しくするのも自分次第じゃないかなぁ。この業界に限らず、今の世の中失敗が許されないでしょ?常に自分が何をしていたか申請をして、視覚化され、管理され、失敗の許されない時代を生きていると思うんです。特に若い人たちは失敗しないように型にハマろうとしているように見えます。それだと僕は世の中終わっていくなぁ、と考えるんですね。逆に、ハマりきらない人の背中を押してやるべきだと思っています。ハマりきらなくていいんです。

これからの【太陽企画】について
未来へのヒントを語る

ーー歴史的な変化の潮目を感じる広告映像業界ですが、これからの太陽企画が向かう場所は?

小野﨑:
仮にテレビというメディアが過去のものとなる日が来たとしても、広告は存在し続けるし、作るものの本質は変わらないでしょう。「心に響く」「クライアントが満足する」、その意識は変わらず、僕たちは時代の空気感を読み取りながら、進んでいくでしょう。そこで、「人の心に響くもの」って何だろうと考えた時、答えは二つしか無いと思っています。一つは「自分にとって近いもの」、そしてもう一つが「見たことのないもの」です。そしてこの二つを併せ持っていると最強なんです。僕の例で言うとね、ボブ・ディランやオアシス、マキシマム ザ ホルモンを初めて聞いた時の印象がまさにそれで、「親近感があるんだけど、聞いたことのない音楽!」、ものすごくグッときた。世の中に響いているものって「親近感」と「見たことのないもの」でできている。これは太陽企画のブランディングを築く上で、一つの指標となるんじゃないかと思っています。"太陽らしさ"を、突き詰めるとそれは結局は、各プロデューサーらしさ、もしくはディレクターらしさと、個人に落ちていくものかもしれません。それがまとまってなんとなくの太陽企画らしさになり、プロダクションで働く人の力になっているという感じかなと。

永澤:
そうだね、僕も同感です。そういう観点で言うと、僕は映画やドラマのオリジナルコンテンツを制作して発信することに興味がある。個人的な考えですが、動画市場は年々拡大しているけど、ハイクオリティな映像の需要は、広告映像業界では頭打ちな気がしていて、そこで勝負をし続けるという選択肢もありますが、太陽企画の強み、「人とモノづくり=プロダクション力」を最大限活かすためには、IPビジネスや教育、カルチャー分野の新規事業に可能性を感じています。例えば、映画の素晴らしさを伝えてアーカイヴするCINEMOREの運営もそうだし、こういったメディアを通しての知見やネットワークの蓄積も、オリジナルコンテンツの制作と将来的にいい相乗効果を生んでいくでしょう。そういった新規事業を進めていくためには、制作会社特有の「請負的マインドセット」、つまり今常識としている価値観を根本から変えて、発信する側にならないといけないですよね。請負型のままでいると、正直どこのプロダクションも大差ないけど、発信型になることで、より面白くなるんじゃないかなと。

小野﨑:
そうかもしれないね。太陽企画らしさとかさ、プロダクションの今後とかさ、なんだかんだ語ってるけど、僕たちが入社した時からずっと変わらないのは、常に自分と一緒にいる仲間たちがモチベーション高くいいもの作っていられること。そしてその家族の幸せ、それだけを考えて日々生きてるってことだよね。だんだん社長と同じこと言ってる気がしてきたよ(笑)。

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http://www.taiyokikaku.com

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