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2025年早稲田大学法学部英語の総評

🔎全体概観

2025年の早稲田大学法学部英語は、大問数が昨年度より1つ減り、全6題という構成でした。試験時間は90分と例年どおり厳しい時間制限で、読解問題が2題、文法問題が2題、自由英作文が2題というバランスです。

文章量は昨年比でやや減少し、出題の難易度もやや易化した印象です。ただし、長文読解が2題あるために、油断すると時間配分に苦しむことには変わりありません。読解は物語文とテクノロジー関連の論説文という二本立てで、前者は登場人物や舞台設定を正確に把握する必要があるため、やや骨が折れる内容でした。一方、文法や空所補充、自由英作文は比較的標準レベルで、しっかり対策していれば取り組みやすかったと思います。

また、自由英作文では「メールの文面を完成させる問題」と「地図やグラフを読み取って意見を述べる問題」の2種類が出題されました。特に後者は視覚情報を英語表現に落とし込む力が試されるタイプで、これまでイラストを使っていた形式が地図と人口ピラミッドを用いた形式に変化しています。総合的には、読み取る力・書く力を総合的に問ういつもの法学部英語らしさが感じられる試験でした。


🔎大問ごとの分析

◆大問I(物語文読解)【やや難】

夕暮れ時の情景を舞台にした物語文が出題されました。段組みで印刷されており、語数も1,300語を超えるのでやや長めです。登場人物の心情や関係性を理解しながら読み進める必要があり、内容一致・不一致や本文中から推論を引き出す問題など、正確に読み込む力が問われました。

  • 🔸攻略ポイント

    • 物語文の場合、登場人物の行動やセリフから状況を整理しておくことが大切です。

    • 設問の選択肢が長文の場合は、本文と1対1で照合するのではなく「全体の流れをつかむ→気になるキーワードを本文に戻ってチェック」という手順で進めると効率的です。

    • 「発音・アクセント」の問題も2問ほど出ているので、文脈に気を取られすぎず、落ち着いて音声面の基礎を確認しましょう。

  • 🔸難易度と時間配分

    • 小説調の英語に不慣れな人にはとっつきにくいかもしれません。じっくり読むと時間がかかりやすいので、目安として25分前後で仕上げたいところです。ここで時間をかけすぎると、後半の大問にしわ寄せがいくので注意してください。

◆大問II(テクノロジー論説文読解)【やや易】

ディープ・ラーニングの持つ両面性をテーマにした論説文が出題されました。こちらは大問Iよりは短めで、語数約700語弱。ディープ・ラーニングの利点・問題点に触れつつ、読者に注意喚起を促すようなトーンで書かれています。内容一致・空所補充・要約・同義表現選択など、設問数は多いですが、文章自体は論理構成がはっきりしていて比較的読みやすい印象でした。

  • 🔹攻略ポイント

    • 論説文では、筆者の主張や結論に至る論理の流れをつかむことが重要です。

    • 空所補充は前後の文脈を見れば解ける問題が多いので、見落としを防ぐためにも論理接続詞や指示語に注目するのがポイントです。

    • やや専門的な用語(deep learningなど)が出てきても、一般的な読解力で十分対応可能なレベルでした。

  • 🔹時間配分

    • 大問Iよりは読みやすいので、15~20分程度で仕上げられるのが理想。ここをスムーズに解いて、大問Iで使いすぎた時間をリカバリーできると安定します。

◆大問III(文法誤り指摘)【やや易】

5つある選択肢の中から誤りを含む箇所を選び、もし誤りがなければALL CORRECTを選ぶという形式です。比較的オーソドックスな出題ですが、今年度はALL CORRECTが正解になる問題が1問だけ登場しました。

  • 攻略ポイント

    • 典型的な時制・主語と動詞の一致・前置詞の使い方など、基礎的な文法知識が問われやすい形式です。

    • 「ALL CORRECT」の可能性を常に頭に入れながら解き、誤りを一つずつ丁寧にチェックしていきましょう。

    • 選択肢をざっと見たあと、英文全体の流れを読み取って確認するクセをつけておくと、誤りに気づきやすくなります。

◆大問IV(その他文法・語法:空所補充)【やや易】

150語程度の短めの英文に空所が数か所あり、その部分を埋める形式です。文脈自体が難解ではなく、正確に英文を読みさえすれば得点しやすい問題でした。

  • 🌱攻略ポイント

    • 全体の意味をしっかり把握することが一番大切です。1文1文の構造を丁寧に追っていけば解答に到達できます。

    • 選択肢が近い意味でも微妙にニュアンスや文法的役割が違うケースがあるので、接続詞・前置詞・副詞などの働きを意識して選びましょう。

    • 文の流れで“誰が何をどうするのか”を明確にイメージすれば、安定した正解率を得られます。

◆大問V(自由英作文:メール文完成)【標準】

与えられたメールの下書きと日本語で書かれた指示を踏まえて、締めくくりにふさわしい文面を完成させる問題です。ある特定の状況(例:腕の骨折による入院など)に絡めた内容を書くことが求められ、必要な情報はそこまで多くありません。語数指定があるため、無駄のない表現を考える練習が必要です。

  • ✉️攻略ポイント

    • 自由英作文は「結論→理由・補足→再度結論」といった、シンプルな構成を意識すると書きやすいです。

    • メール形式ならではの書き出しや結びの表現(Dear~, Best regards, Sincerelyなど)も、模範的なパターンを暗記しておくと役立ちます。

    • 指定語数が30~40語程度の場合、短いながらも主張をハッキリさせることがコツです。

◆大問VI(自由英作文:地図&グラフ解釈)【標準】

従来はイラストを見て意見を述べる形式が多かったところ、今年は地図と人口ピラミッド(グラフ)を見て考えを述べるという形式になりました。視覚的な情報を読み取ったうえで、論理的に英語で表現する力が試されます。指定語数は90語前後とやや長めなので、ある程度まとまった構成力が求められます。

  • 🌍攻略ポイント

    • 地図やグラフの情報を列挙するだけでなく、「そこから何が言えるのか?」という分析や意見が必要です。

    • 過度に難解な表現は不要ですが、比較・因果関係・将来予測などのフレーズを使えると評価が高まりやすいです。

    • 時間が足りなくなりがちな受験生が多いので、前の大問まででなるべく余裕を作り、最後に集中して書き上げるのが理想的です。


🔎今年のポイント

  • 🎯時間配分重視
    長文2題があるなかで、自由英作文も2題という構成は例年の法学部英語らしさを保っています。文法問題や空所補充で素早く確実に点を取り、読解にじっくり時間を割くのが得点率アップの鍵です。特に大問Iの物語文は理解に時間がかかるので、メリハリを意識しましょう。

  • 🎯物語文&論説文の2本立て
    小説形式の英文に慣れていない人にとっては、大問Iが難所になりがちです。日頃からニュース記事や評論文だけでなく、英語のショートストーリーなどを読み慣れておくと対応しやすくなります。国際教養学部などの過去問を活用するのも有効です。

  • 🎯自由英作文は実用性重視
    文章表現では、日常的なやり取りを想定したメール形式や、グラフ・地図など視覚情報を説明する問題が出題されやすいです。定型表現を押さえつつ、自分の意見を整理して書く練習を積んでおくと安心です。

  • 🎯文法問題は基礎が肝心
    誤り指摘問題や空所補充問題では、時制・冠詞・前置詞・主語動詞一致など、基礎的な項目がきちんと問われます。応用以前に「絶対に落とさない基礎」を徹底しておきましょう。


🔎まとめ

今年の早稲田大学法学部英語は、6題構成になったことで全体の分量はやや減少し、難易度も少し優しくなった印象ですが、依然として速読力と的確な解答運びが必要な試験です。合格ラインとしては、6~7割程度の正答率が目安になると予想されます。特に長文読解と自由英作文で大きく失点しないことが合否を左右しやすいでしょう。

今後の学習アドバイスとしては、以下の点を意識すると効果的です。

  • 🚀長文読解の訓練
    物語文・論説文問わず、要旨を把握しながら速読する練習を繰り返しましょう。選択肢分析も含め、過去問演習や類題演習を積み上げると読解力が身につきます。

  • 🚀文法の徹底復習
    「なんとなく」ではなく、どこがどう間違っているのか理由を言葉にできるレベルまで詰めましょう。

  • 🚀英作文の型を身につける
    メール文やグラフ説明などの定番パターンをストックしておき、いざというときに素早く書けるように準備しましょう。

  • 🚀試験当日のペース配分
    大問Iの物語文で時間を取りすぎない工夫が必要です。大問II~IVで手早く確実に点をとって、作文に十分な時間を割けるように計画を立てましょう。

みなさんが持てる実力をしっかり出し切れば、十分に合格圏を狙える試験です。英語の運用力を磨くことで、法学部の学びにもつながる力が養われます。最後まで粘り強く準備を続け、自信をもって試験に挑んでくださいね!

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