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2025年慶應義塾大学経済学部英語の総評

全体概観

こんにちは、みなさん!今年の慶應義塾大学経済学部の英語は、例年と同様に大問が5題でした。試験時間は100分で、長文読解が3題(英語)+日本語読解1題+自由英作文1題という構成ですね。長文は合計で2,500語程度なので、分量自体は昨年とほぼ変わらない印象です。

ただ、「ダム賛成派 vs. ダム反対派」や「地熱発電」「バイオマス」など、再生可能エネルギーをめぐる複数の視点・立場が次々に提示されるので、内容はやや複雑に感じられたかもしれません。一方で、文章そのものは比較的読みやすく、設問も素直なものが中心でした。大問I〜IIIの読解はほとんどが空所補充や内容判断といった選択式で、大きくひねった問題は少なかったです。

難易度としては、全体的に「標準〜やや難」程度とみられます。大問IVで日本語の論評を読んで英語の設問に答える部分があるため、日本語読解の的確さと英語での内容把握を行き来する必要がありました。さらに、大問I〜IIIとの関連を意識しながら読む必要があるため、文章どうしを整理して理解する力が試されたように思います。

自由英作文(大問V)は、昨年と同様に「長文中の内容に言及しつつ、自分の立場を述べる」形式でしたが、今年は「問題文からそのまま引用するのではなく、自分の言葉に言い換えて書くように」という指示が追加されていました。これは、ただ暗記した英文を貼りつけるのではなく、本当に内容を理解できているかを試される形といえます。


大問ごとの分析

◆大問I(テーマ:ダム推進派の意見・難易度:標準)

「ダムを作ることの恩恵」を肯定的に述べる文章でした。洪水対策から水力発電への活用まで、ダム建設により得られるメリットが順を追って説明されています。

  • 🔎設問形式

    • 空所補充や内容一致問題が中心でした。

    • 選択肢は比較的明快で、文章の流れを丁寧に追えば答えにたどり着きやすいです。

  • 📝攻略ポイント

    • 空所の前後で筆者がどのような「根拠」や「具体例」を挙げているかを意識すると、解答の根拠を見失いにくいです。

    • 「ダム推進」における主張の柱は何なのかを整理し、設問の意図に合わせてキーワードを探すと効率的に解けます。

◆大問II(テーマ:ダム反対派の意見・難易度:標準)

大問Iとは逆に、「ダム建設に反対する見解」を示した文章で、自然破壊やコスト面の懸念など、ダムが抱えるリスクが中心でした。

  • 🔎設問形式

    • こちらも空所補充・内容一致がメインです。

    • 「Iの筆者が賛成か、IIの筆者が賛成か、両方が賛成か、どちらも賛成しないか」を判定するような、2つの文章をまたいだ比較問題が特徴的でした。

  • 📝攻略ポイント

    • 大問Iとの対比を明確にすることが重要です。誰が何に賛成 or 反対しているかをメモしながら読むと、スムーズに解答できます。

    • 主張の根拠を読み落とさないよう、批判の要点(生態系か、費用対効果か)をしっかり把握してください。

◆大問III(テーマ:地熱発電の利点・難易度:標準)

再生可能エネルギーの一つである地熱発電を推奨する立場の文章でした。ダム論争と違い、論点は「地熱エネルギーの可能性」「具体的な発電コスト」などに焦点が移ります。

  • 🔎設問形式

    • 空所補充中心で、ときどき数値の扱いを問うような問題があったようです。

    • 地熱発電に関するメリット・デメリットを正確に読み取る必要があります。

  • 📝攻略ポイント

    • 地熱発電がどのような点で「再生可能エネルギーの中でも有用」とされるのか、筆者の論拠を明確に整理しましょう。

    • 数字が出てきたときは、必要に応じて軽い計算や割合イメージをもって読むと解答に迷いづらいです。

◆大問IV(テーマ:バイオマス活用に関する日本語読解・難易度:やや難)

日本語の文章を読んで、その内容に関する英語の設問に解答する形式です。前の大問IIIの英文と関連する話題になっており、「再生可能エネルギー」の切り口が少し広がっている印象です。

  • 🔎設問形式

    • 英語の選択肢で解答する内容一致問題が多かったと思われます。

    • IIIとIVの文章を照らし合わせて、「地熱発電とバイオマスの立場」に関する設問があるなど、やや複雑な読み合わせが必要になります。

  • 📝攻略ポイント

    • 日本語文を読んだうえで、それを英語で問われるというパターンに慣れておくことが大切です。

    • 大問IIIとの関係性をしっかり押さえ、「どの視点が共通しているか、どこが食い違っているか」を意識すると解答の根拠を見出しやすくなります。

◆大問V(自由英作文・難易度:標準〜やや難)

大問I〜IVで論じられたエネルギー問題などを踏まえて、賛否や意見を述べる形式です。例年と同様、異なる立場を引用し、それに反論を加えるよう指示されていますが、今年は「引用する内容を自分の言葉に言い換える」ルールが導入された点が大きな特徴でした。

  • 🔎出題形式

    • テーマA・Bどちらか一方を選択し、300語程度の英作文を書く問題。

    • ダムの是非、もしくは再生可能エネルギー全般について、自分の意見を英語でまとめる必要があります。

  • 📝攻略ポイント

    • 設定されたテーマに対し、「自分が賛成か反対か」だけでなく、異なる立場にも触れて反論を入れるという構成を意識しましょう。

    • ただ情報を羅列するのではなく、論理のつながりや文法の正確さを両立させるのが得点アップのカギです。

    • 「問題文の主張をどう言い換えるか」も演習で慣れておくと、本番でスムーズに書けるはずです。


今年のポイント

  • 複数の意見を比較・整理する力が必須

    • 大問IとIIの「ダム建設の賛否」は対立する立場でしたし、IIIとIVでも「地熱発電」と「バイオマス」に言及されるなど、互いに関連し合う主張が多く見られました。それらを区別しながら読むだけでなく、「どこが共通点で、どこが相違点か」を把握して解答に反映させる必要があります。

  • 日本語読解×英語の設問への対応

    • 大問IVは日本語の長文読解ですが、解答は英語で選ぶ形式だったので、内容をきちんと把握したうえで英語表現に落とし込めるかどうかが問われました。日本語と英語を往復しながら読む練習を積んでおくと、こうした形式に慣れやすいです。

  • 自由英作文での「要約・言い換え」スキル

    • 大問Vでは、引用ルールが変わって「問題文の一部をそのまま書き写さない」ことが求められました。つまり、要約やパラフレーズ(言い換え)のスキルが試されます。日頃から、英文を読みつつ自分の言葉に置き換えて表現してみる練習をするとよいでしょう。


まとめ

  • 難易度の総評

    • 大問数や出題形式、分量は昨年と大きく変わりませんが、複数文章の比較や日本語読解→英語設問といった多角的な読解力が必要でした。語句や構文のレベルは一般的な入試問題と比べても極端には難しくないため、読み方を工夫して着実に点数を積み重ねたいところです。

  • 合格に必要な正答率のイメージ

    • 長文問題は7〜8割を安定して正解できるようにし、自由英作文で大崩れしないことが合格への鍵です。自由英作文は配点も比重が大きいので、ここで一定の完成度を出すと合否を左右しやすいでしょう。

  • 今後の学習アドバイス

    • 🐱読解は「対立する複数の意見」を意識して読む練習を!

      • 経済学部らしく社会問題や経済的視点を取り入れた英文が出題される傾向があります。筆者の立場が複数提示される場合は、対立点や主張の根拠を素早くまとめられるよう心がけてください。

    • 🐶自由英作文は「他者の主張→反論→自分の結論」という論理展開を確立!

      • 「意見論証型」のパターンに慣れておけば、どのテーマが来てもある程度応用できます。文法ミスを減らすのはもちろんですが、英語で論理を組み立てる練習を繰り返すことが大切です。

    • 🐰日本語資料と英語設問の行き来にも慣れておく!

      • 大問IVのような形式は、年度によって多少アレンジはあっても今後も継続する可能性があります。普段から、英語と日本語の要約・翻訳をセットで練習すると効果的です。

    • 🦊テーマが経済・環境など多岐にわたるので背景知識を増やそう!

      • エネルギー問題や環境保護などの時事ネタを英語で読んでおくと、単語・内容の両面で強くなります。新聞の英語記事や国際ニュースに定期的に触れておくと、意見を述べやすくなるはずです。

このように、慶應経済の英語は「標準的な英語力+複数の視点を論理的に整理する力+自由英作文の表現力」がバランスよく問われます。特に、長文と自由英作文の関連が強いので、読解練習の中で「要約・意見表明」の練習を同時に行うと効果が高いでしょう。日頃からさまざまなテーマに触れながら、丁寧かつスピーディーに読解・思考ができる力を養ってくださいね。応援しています!

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