◎ジーパン時代73-74名作選◎第55話「どぶねずみ」第二ステージ
コマーシャル明け、
夏場の捜査一係。
殿下と野崎がお茶を飲んでいる。
「長さん。よくあるじゃないですか?
模造の銃弾を付けたペンダント。
それじゃないですか、ね。」
純がやっと見つけたコロの首輪に
ついていたペンダントには、
使用済みのライフル銃弾がぶら下げられていた。
「そーなんだ、なあ?
それにモンタージュにも
全然似ていないからなあ。」と長。
そこに純が戻る。
「鑑識じゃ、ライフルの銃弾に
間違いがないって言ってます。」
「ライフル!?」と殿下。
「ライフルの銃弾なんて、
そう矢鱈(やたら)に手に入るもの
じゃありませんよ。」と純。
「しかし、そんなもの。
どうして他人の犬に付けるんですかね。」
「精神状態が 異常な人間だとしたら、
やりかね無いな。」と鬼。
「もし、奴が犯人だとしたら、、?」
「だとしたら、
どうだと言うんだ、ジーパン。」
「はあ。奴は、
誰か特定の人間を狙って、
ライフルを盗んだのじゃないのかも
知れません。
多分、奴は人間全てを憎んでいるんです。」
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場面は変わり
井上堯之バンド♫
オリジナルの「危機のテーマ」楽曲。
このスローバージョンが間奏される。
◆ 「危機のテーマ」だけで、
数曲あります。これを聴き分けられ方は
相当な太陽にほえろ!通です。
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男は、あの暗いアパートの自室で、
盗んだライフルを構えて
イメージした標的を狙う格好を 繰り返す。
危機のテーマは一旦途切れる。
そこに、廊下から、
スリッパか、サンダルの足音が。
「坂口さん。犬がいたそうねえ?」
「いましたよ。」
「犬や猫を飼ってはイケナイって
契約書に書いてある筈です!」
◆初めて容疑者の名前が、
ストーリー内で
一係刑事以外の口から
語られる55話。
坂口というこの男の部屋に、
アパートの大家(福田トヨ)が入り、
注意と小言を言う。
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◆この(福田トヨ)は、
第38話「オシンコ刑事誕生」にも
ゲスト出演している。
10代の内田シンコ(関根恵子)が、山村と共に、
刑事見習いで、初出動した折に、
連れ込み宿を捜査捜索しに訪れた時に
中居(女中)を演じた。
さらにシンコが、上下に動くベッドの上で、
SM冊子を見つけ、触り「キャーッ」と、
女子高生みたいに驚くシーンあり。
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「怪我をしていた犬を
治療してやっただけです。」
「もう居ないんでしょうね?」
「勿論居ませんよ!
いいじゃないですか?
怪我してた犬なんですよ。」
「兎に角、契約書に書いてあるんですから。
違反したら、出て行ってもらいますよ。」
「ドブネズミ!」と。
「えっ!?」
「ドブネズミ。あんた達の事ですよ。」
「まああ?フンっ!」と出て行く大家。
そのあとに、自室の襖に勝手に書いた
電車の絵を、的にライフルを向ける。
イメージ射撃をする。
弾はさっき装弾したばかりだ!
いつでも発射出来る。
「どぶねずみ!
皆んな、どぶねずみだ!」
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◆こうなると、的は誰でもよく、
早く人間を
もう一度撃ってみたくなる。
既に、三人を射殺しているこの男。
イメージの中で、走行中電車の窓に
向けてライフルを発射する坂口。
今度は、電車乗客を狙った大量殺人を
考えているのか?
三発目には頭のなかのイメージの中で
マネキンの右肩から
鮮血がブラウスに染み込んでいく。
「へへぇーへ、、
ははは、ああーっ」
「ははっはーっ!」
一人で、ライフルを構えて
高笑いする坂口が、そこにいた。
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場面は変わり、
街の薬局を訪ね歩く野崎と純。
薬局の女店員に対して、
「20歳くらいで、中背の痩せ型の男
なんですが、ね。」と純。
◆1973年当時は、コンビニと呼べる
全国チェーン店は無かったのでした。
野菜果物は八百屋へ、薬は薬局へ、
生活雑貨はスーパーへ、
行くしかなかった。
◆日本初のコンビニは、
セブンイレブンの第一号店。
明くる年の1974(昭和49)年5月に、
「セブン‐イレブン第1号店
(東京都江東区・豊洲店)」がオープンしたのです。
しかも名前の由来は、
朝7時から夜11時まで開いてますよ、の意。
筆者の田舎佐賀のセブンイレブンでは、
未だに2023年現在でも 夜11時で閉店です。
筆者の父の葬儀で帰省した折、
確認しました。吃驚‼️
京都市内とは、全然ちゃうやんか!
タクシー初乗り料金730円でした。
しかし1.5キロ超えで80円追加。
という事は、京都市内より安い。
皆はこの初乗り料金に騙されるからです。
2023年5月1日から京都市内では、
タクシー料金改定となりまして、
東京料金となった。
初乗り500円。以降の追加は、
279mごとに100円ずつ追加されます。
四年前でも、長崎ではこの料金体系は
なされていました。
だから例えば京都駅正面から北へ、
大徳寺までなら、昼間で3400円前後を
覚悟しないといけません。
しかもジャリ銭は不要です。
今までよりも、凡そ120%の値上げですね。
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◆番組に1972-73年で登場するのは、
「光ストア」くらいですか。
後期ドック時代では
「光スーパー」と名を変えている。
ストア、という呼び名も古いのか?
マカロニ時代から登場している。
おまけに、この時代には
24時間スーパーなど無かったのだ。
「さあ?ちょっとおー?」と女子店員。
「ねー。思い出せませんかあ?」と純。
店が営業している時間に
聞き込みを終えなけれならないのだ。
野崎も、あまり無理強いは辞めようと
純の肩に右手を乗せる。
時間がない。
しかし聞き込み先は
まだ、山ほど多く残っているのだ。
だからカッカしやすい純を宥める。
女店員に怒鳴っても、仕方ないのだ。
やはり人手不足。
猫や犬の手を借りたい程。
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また、場面は変わり
七曲署警らパトカー(40系クラウン)が、
坂口らしい男を発見した。
坂口は銃を布で覆って
持ち歩いていたのだ。
山村、殿下の聞き込み情報が
移動警らパトカーにも伝達されたのだろう。
搭乗の警察官2名に発見され、
「失礼ですが、その包みは何ですか?」
「差し支え無かったら、
その中身を見せて貰えますか?」
素直に従おうとする振りで、
包みの矛先を、警官に向けて、
突然、ライフルを至近距離から撃つ。
こうなると警官も助かるわけがない。
助手席の警官は胸を、
運動席の警官は首を貫通した。
絵でそれが判る。
これで、射殺したのは計五人目。
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井上堯之バンド♫
「場面変更ジングル」
※これも、ジーパン時代で新しく作曲されたもの。
ここで二回目のコマーシャル。
次回予告から、30分23秒。
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「犬?ああ来ましたよー。」
薬局の店主人(加藤茂雄)は、
「犬の怪我ににヨードチンキを使って
いいかって。」
「それだ!」と純。
「で、その男は、
よく来るんですか?」は野崎。
「いいえー。」
「この近所に、下宿している学生さんじゃ
ないですか?顔をよく見ますから。」
(加藤茂雄)も番組の準レギュラー。
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野崎と純は、顔を見合わせる。
◆彼はジーパン時代、テキサス時代では
よく出演している。
一係に架電あり。鬼が取る。
「あー。遅かったよ。」
◆70年代で街のあちこちに
普及し始めていた
青いボックス公衆電話で、
鬼に連絡をした野崎に。
次の被害者が出た事を知らせている
鬼藤堂。
「ええっ?警察官が二人!」
電話ボックスの外で
またプカプカ一服の純。
「それで今、例のペンダントの銃弾と、
警官から出たものと比べてるんだよ。」
「あっ、ちょっと待ってくれ。」
ゴリが戻ってきて、
「同じものだそうです。」
鬼は
「長さん!銃弾が一致した。
その男、調べてくれ!応援は出す。」
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井上堯之バンド♫
「青春のテーマ」
◆柴田純の走り、疾走以外のシーン。
聞き込みシーンでは、初演奏される。
◆野崎太郎聞き込み➡︎
純が本屋で聞き込み➡︎
野崎が麻雀屋で。
純がゲーム店で。
そして、やっと
純が国鉄線路脇を走るシーンへ。
角を曲がって野崎と合流。
純が聞き込んだ情報を野崎に報告。
そして、一緒に男のアパートへ。
やっと見つかったライフル魔のヤサ。
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野崎と純は男のアパートに向かったが、
既にもう部屋には居ない。
そーっと覗く大家のおばさん。
二回目の画面に登場します(福田トヨ)。
野崎が見つけたものは、、、。
アパートの襖に
「どぶねずみを殺せ!」との暴言落書き。
「電車の絵」が描かれていた。
◆電車の通過音が絵に被る。
「まさか?!」と
純はアパートを一人で飛び出す。
そして、辺りを捜索。
「東十条」行きの青い電車と並走して
線路脇を走る。
かならず、電車がライフルで狙える場所に
奴はいる筈だ。
純は、平地よりも高い屋上を見つけようとする。
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跨線橋に上がり、
純は、電車を狙える場所は何処だ?と
辺りを見回す。
「何処でやるつもりだ!」
「何処でやるつもりなんだ?!」
と、第53話テニスコートでの
あの時の【ジャガーの眼】になる純。
純はビルの屋上から、
元国鉄、、いまはJRの電車を狙撃しようと
ライフルを構える男、坂口を発見。
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◆純の視力はかなり良いんだな。
「ヤツだ!」
※53話と同様に「奴だ!」と突進して行った。
今回の楽曲は、
井上堯之バンド♫
「マカロニ刑事 行動のテーマ」
純の脚は暴走し始める。
市街地から、そのビルの屋上へ。
「どぶねずみ!」と口走る男が、
電車に向けて、弾き金を引く寸前!
ジャガーの唸り声。
「止めろーっお!」と純。
発砲を阻止しようとするも、
ライフルの発射で、
発した弾は、純の左手を掠め、出血してしまう。
しかし、非常用階段を降りて、
上手く逃亡していく男は、
住宅地から、遊園地方向を目指す。
途中で、野崎は
男を追跡中の純を見つける。
跨線橋で、しかも純に向け
ライフルを連射する男。
◆こうなると純は突進していく。
丸腰のまま、純は敵に向かっていく。
拳銃を持たないまま、突撃する。
後先も考えずに。
マカロニみたいに無鉄砲に突っ込む新人。
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「ジーパン!」
あの男よりも、今は仲間の純が危ない。
純は銃を持っていないのだ。
野崎は懸命に追う。
井上堯之バンド♫
「アクションのテーマ」
ラガーマンだった野崎の走りよりも、
やはり純の長い脚の方が速く、
追いつけないのだ。
※しかし長さんは、
本当に走りは速いです。
後期のスニーカー山下真司も感嘆しています。
「走ったら、俺たちと変わらないじゃないですか?」
との、台詞が後日のストーリーに出て来ます。
また警察学校でラグビー部に居たことになってます。
これは後のストーリーの「二人の刑事」にて、
長さんの台詞で明かされてます。
下川さんは、事実ラグビーで鍛えられてます。
長さんも、体育会系なんです。
※ただ、ラガー渡辺徹は、ラグビー経験はなく。
高校生時はサッカーをやっていたらしい。
変なのお!?
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野崎と純は、
発砲しながら逃走する男を追跡したが、
あけぼの遊園地(これは二子玉川園)
に逃げ込まれ、見失ってしまった。
◆このストーリーでは、
野崎と純がアパートに到着するまで、
容疑者の氏名が判らず。
しかも、自分の名前を証明しえたものは、
大家との賃貸契約書のみ。これを、長と純は
見せてもらったのだろう。
これは絵では登場しない。
◆ストーリー内では、
一係の刑事たちは、
容疑者氏名「坂口」とは
一切呼んでいません。アパートの大家が
「坂口さん、犬が居たみたいね、、」と
初めてストーリー内で、視聴者に教えている。
射殺されるまで、一係捜査員も
「奴」「あいつ」「あの男」しか、
呼んでいないのです。
太陽!では、珍しい脚本であります。
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◆よくロケーションされる、
二子玉川園について。
↓はWikipediaの記事に
筆者コメントを追記してます。
1956年4月20日 - 名物となるフライングコースターを設置
(閉園時まで稼働)。
最高時速62km、全長580mの
フライングコースターは、当時、東洋一の規模。
◆マカロニ時代でも、ロケーションが
行われている。早見淳が
ジェットコースター上で
犯人に超接近するシーンを撮影した。
それが、このシーン。
1939年3月10日 - 玉川第二遊園地は読売新聞と
提携し「読売遊園」と改称された経緯もあり、
だから読売系の日テレも、
撮影許可が出たのだろう。
以降、番組終了近くまで撮影がされている。
昭和40年代初頭には、
当時同じ世田谷区内にあった円谷プロ製作
のウルトラシリーズのロケ地にも
使われるようになったという。
野外ステージでは「ウルトラマンショー」
などが行われた。
第55話では、公園入場口に、
当時放送されていたウルトラマンタロウ。
「ウルトラ怪獣大行進」ショーの
予告看板が見受けられます。
_____________________
公園内で、やっと追いつく野崎。
走ってきた純の
左手の出血をみた野崎は、
「馬鹿あーっ」
と、自分のハンカチを巻いて
止血してくれた。
覆面車は、旧型50系クラウン。
ネズミ色のクラウン。
旧型だけに、破壊される覆面車だと、
視聴者にも事前に解る。
また「どぶねずみ」だけに、
ネズミ色かな?
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そのクラウンに乗る鬼は、
「あけぼの遊園地の全ての出口を
封鎖しろ!」
警官隊を各出口に配備させた。
ゴリも 覆面車セリカリフトバックで到着。
鬼に寄る山村、殿下。
「中ですか?」と山村。
「ジーパンが追い詰めた。」と皆に。
「広いからなあ、ここは。」と殿下。
「遊園地の中に残っている皆さんに
申し上げます。すぐに遊園地から出て下さい。
銃を持った凶悪犯が
遊園地の中にいる恐れがあります。
危険ですから、直ちに遊園地から
出てください。」とパトカー。
これを、二回繰り返す。
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井上堯之バンド♫
「マカロニ刑事行動のテーマ
アコースティックギターバージョン」
「西出口方面、異常なし。」とゴリ。
「北の売店周辺、異常ありません。」と殿下。
「北の林の中、誰も居ないようです。」と野崎。
鬼が連絡を取っている覆面車クラウンに向けて、
銃弾が覆面車の窓に直撃した。
◆やはり、旧型は狙撃され、
フロントガラスは滅茶滅茶!
ジェットコースターの下で
デート中のカップルを発見。
「危ないー!伏せろ!」
と呼びかけた。
しかし、男性は右肩を撃たれ、女は悲鳴を上げて、
彼に駆け寄るでもなく
鬼は、近寄り覆面車の陰に身を隠した。
◆やはり、いざという時ほど
女は冷たく振る舞う。
鬼はジェットコースターの
レールの上から、狙撃している男。
これを見つける。
_____________________
場面は、公園正門に
日産黒パトが到着。
西山とライフルを携えた部下を
連れてきている。
本庁の刑事(大宮幸悦)だった。
コースターの下
鬼と全員が集合。
「いいか。奴のライフルは、
五発まで連射が効く。それだけを
覚えといてくれ。」
「追い詰めたようだな、藤堂。」
と西山が近づく。そして部下に。
「ここで、いいか?」
「大丈夫です。」
奴を狙える位置を確認している。
_____________________
「西山さん!」
「これ以上
被害者を出す訳にはいかんだろう!
場合によっては射殺してもいいという
命令が出たんだよ。」
「待って下さい。
遊園地の人間は皆、撤去させました。
あとは持久戦で大丈夫です。」
「ライフルを持って、あんな処に
立て籠る奴が居ると、
長引けば長引くほど、
それを、英雄視する馬鹿が多くなるんだ!」
「西山さん。貴方は見せしめの為に
彼を殺そうと言うんですか?」
_____________________
井上堯之バンド♫
マカロニ時代の名曲
「郷愁のギター」★
筆者が、勝手に名付けてます。
「我々の仕事は、犯人を捕らえる事で、
犯人を捌くことではありません。」
「奴は、無差別に何人もの人間を
殺しているんだ!
それも理由もなく。」
「だからと言って、
射殺していいって言うんですか?
どんな凶悪犯でも我々には、
人を殺す権利はありません!」
西山は、
「よし。30分だけ待とう。
これ以上待っていたら暗くなる。
もし、その間に被害者が出たら、
君に責任を取ってもらうよ!
藤堂くん。」
_____________________
純は、この話の最中に
こっそり現場を離れた。
男への説得。男の興奮を鎮める材料を
預かりに矢沢宅へ行く。
「コロを貸せって?」
「あいつが憎んでいないのは、
大事にしていたのは
コロだけなんです。」
「あいつには、コロは撃てない筈です。」
「でももし撃ったら、
コロが死んじゃうじゃありませんか?」
老婆の眼裏(まなうら)には
また寂しき心が蘇る。そして
涙を浮かべる。
「もしも、あいつがコロを撃ったら、
同時に俺も死にます!」
そう言った純は、
昨夜、夜間にも関わらず、
仕事の合間に、コロを懸命に
探してくれた熱き心に打たれたのか、
今度は、純の願いの為に、
純の若い行動に、静かにコロを託す、
預ける決心をしたトキ。
_____________________
◆この純なら、
コロを必ず守ってくれる筈だ、と。
◆ここでも、ゲストとしての武智豊子。
初めてであり、最後の太陽!出演。
老女が見せる、太陽!流「台詞無しの演技」。
「お婆ちゃん!」と純。
血が滲む左手とそれを抑える右手で、
コロを抱き上げ、トキに一礼をする。
マカロニ時代の名曲
「郷愁のギター」★
は、ここまで間奏される。
これも太陽!メインテーマのバージョン曲。
_____________________
一人の凶暴な殺人鬼の
一挙手一投足に青褪めている、
関係者が集まって
コースターを見守る現場に、
純はコロを抱いて現れた。
「ジーパン!」と殿下。
「あっ、馬鹿っ!」と野崎。
殿下もゴリも山村も鬼も、
唖然。
_____________________
純はコロを抱き抱え、
井上堯之バンド♫
「青春のテーマ-愛-」
3回目の間奏。
ジェットコースターのレールを
ゆっくり上がっていく。
「コロだあ!」
「コロだぞおーっ!」
「コロだ!解るか!」
「おいコロだぞお?」
「青春のテーマ-愛-」が
3回目の間奏中。
_____________________
ジェットコースターのレールを
ゆっくり登っていく純。
男も、コロを発見し、
確かに見た。
コロを見ようと、立ち上がる。
その時、
本庁の刑事がライフルで
左胸を射抜いてしまった。
およそ、400-450メートルの距離で
一発で射殺したことは、ゴリ以上の腕前。
※ゴリは、400メートルまで、接近しないと
撃てないのだ。
「やめろ!」と鬼。
「何をするんですっ」
全員が、レールから
およそ400メートル下に、真っ逆さまに
落下したあの男に近寄る。
_____________________
純は
「どうして、だあ!?」
「どうして、撃った?」
「どうして撃ったんだああ!」絶叫。
抱いていた右手から
コロを地面に落として、
此方に向かって走る純。
しかも、本庁西山に対しての
かなりの怒りが爆発している様子。
「止めろ!」と鬼。
すぐさま、ゴリと殿下が
純の両腕を抱えて、動きを封じる。
「放せえー!放せっ」
尚も、突進しようとする純。
純の怒りに引き摺られる二人の先輩。
_____________________
「君を助けてやったんだ?」と西山。
「あいつは撃つ気は無かったんだあ!」
「撃つ気は無かったんだあ!」と絶叫の純。
「そんなセンチメンタリズムが
刑事の仕事に通用するとでも、
思ってんのか?」
と吐き捨てた。
_____________________
井上堯之バンド♫
「愛のテーマ ピアノバージョン」
そんな西山を
皆して、冷めた目で凝視する。
本庁と一係の捜査の道は
かなり異なることを感じるラスト。
コロは死んだ男に近寄る。
死んだ男の顔をペロペロ舐める。
少しだけの時間、数日を過ごし
怪我の手当をしてくれた男に対して
感謝の気持ちが生まれたコロ。
そんなコロを抱き抱える野崎。
生命を終焉させた男は、救急隊の担架で
運ばれていく。
_____________________
「ボス。
聞いてやりたかったんです。
あいつに、何故、
何故、人間を憎むのか。」と純。
「それに、あいつには
撃つ気は無かったんです。」
それでも、奴を信じたい純。
ジェットコースターよりも
上空から捉えた、ラストシーン。
_____________________
🔵平成から令和の時代でも、
理由もハッキリせずに
人間を憎む奴が多くいるのは否めない現実。
その為に、最近でも起きてしまった、
現実の犯罪も少なからず。
誰でも、他人に
言い出せない思いがあるのか。
私たちひとり一人、皆、誰でもそうだ。
最後に純が言った、
「ボス。
聞いてやりたかったんです。
どうして人間を憎むのか。」
_____________________
とうとう、犯人の氏名と
それに至った動機。は?
ストーリー内で、この映像の中では
一切語られない珍しい物語だ。
65話「マカロニを殺した奴」も動機不明だった。
_____________________
アパートの大家の台詞のみが、
賃貸契約者が「坂口」である、と。
視聴者は其れが犯人だと。
この僅か台詞一行のみ。
誰にでも、起こり得ること。
しかも、
犯人の名前を
物語上でも公表してこなかった事は、
このストーリーが投げかける
番組からの視聴者へのメッセージでは
ないだろうか?
昭和から、平成➡︎令和時代を
生き続ける私たちへの
警鐘とも取れるストーリー。
これが、ジーパン時代73-74名作選とした
筆者の理由です。
また、ストーカーなどの言葉も、
無かった時代でもありました。
昭和40年代後半から少しずつ、
市井の人間たちが、おかしくなりはじめていた
時代を象徴するストーリーです。
_____________________
✅後日のストーリーに、襖の落書きは、
第395話「爆破魔」にも登場します。
医大を目指す真面目な受験生が爆破魔であった。
ライフルではなく、今度は手製爆弾。
※これは、安倍さんを殺した、
あの誰かさんみたいです。
インターネット登場前の時代。
電話をすると超短波無線を利用して、
遠距離でも仕掛けた爆弾が
火を噴き出す仕組みを考えた男。
この受験生はゴリにより
街中で射殺される。しかし、証拠が
見つからない。
後日その仕組みを流用、便乗した
札付きの悪党の第三者が現れた。
ロッキー、スニーカー時代。
直感を信じて突進する体育会系ゴリ。
ゴリの射殺は正当であり、証拠がなくても、
受験生がやはり犯人だとするスニーカー五代潤。
ゴリを信じている皆んな。そして
後方支援の鬼。
これは、「どぶねずみ」以上の名作です。
この395話に登場する警察への予告電話は、
ストーリー中、計4回も登場する。
山村名作選の第171話「暴走」で
使われた予告電話のリメイクだ。
◆間違っても、皆さんは真似しないように。
✅西山警視を演じる平田昭彦が
今回は、ゲストだ。しかし、
ゲストでなく、二週間後
準レギュラーとして登場するのは
第57話「蒸発」から。
ドック、ボギー、ラガー時代の回、
「七曲署・1983」までの10年間、
署長として出演し続ける。
マカロニ時代のゲストを含めると、
平田昭彦は太陽!で10人の新人刑事と
絡んで芝居をしたことになる。
◆更には署長の交代劇は
シリーズ初めて描かれるジーパン時代。
その55話。
◆四人目の署長はいつの間にか、
交代し、登場している、、といった具合だ。
_____________________
✅太陽にほえろ!終了後、
始まった新番組「ジャングル」の
次のシリーズ。
「NEWジャングル」でも
この55話ストーリーがリメイクされた。
新人俳優 江口洋介が、
松田優作の代わりに演じた。
第二話「浩平が泣いた」。
当時の視聴率12.6%。
CAST
永井久美:青木英美
西山隆行:平田昭彦
矢沢トキ:武智豊子
坂口明男:高木門
屋台の親父:大村千吉→準レギュラー
アパート大家:福田トヨ→二回目のゲスト
本庁刑事:大宮幸悦
薬局店主:加藤茂雄→準レギュラー
_____________________
これで松田優作の
ジーパン刑事登場編 三部作は終わります。
これを終え、次回から。
次回は、
熱き血潮の単純派。
体育会系30代男ゴリ。
「男石塚が暴れ狂う
ジーパン時代代表作」を。
ゴリ、ジーパンの初コンビの作品です。
10321字
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