絵が苦手だと、ずっと思ってきたあなたへ 7
見ることと描くことをつなげよう
目の前に広がる世界を、その通りに表現するには、目から入ってきた情報をうまく手に伝えることが必要です。
すでにお話ししたように、見ることは成長とともに身についています。でも、手は訓練不足ですから、思うようにそれを表せないのです。
ですから、ステップを踏んで手の訓練をすることで、見ることと描くことをつなげることがとても大切なのです。
また、絵を描き慣れてない生徒を見ていると、見ることと描くことをつなげるために、もう1つ課題が見えてきます。
それは、描いているときに、あまり対象を見てないということです。絵を描き慣れている人は、描いている対象をちらちら見ながら描いています。
正確には、描いている対象と自分の絵をちらちら見比べながら、確認しながら描いているのです。
時には席を立ち、自分の絵を対象の隣に置いて、遠くから眺めることもあります。
こういう客観的な観察をしないと、せっかく身についてきた観察力も生かせないのです。
でも、一足飛びにこういう習慣は身につきませんね。身につけるためには段階を踏んでいくことが大切です。
私はこれを「目と手の訓練」と呼んでいます。
続けていけば、少しずつ「絵を描くことの苦手意識」が薄れていくことに気づくと思います。
では次回から「目と手の訓練」のステップをひとつずつ踏んで、スケッチに至る授業を紹介していきましょう。中学1年生の最初に行う授業です。
それは、中学校3年間の美術のスタートであり、1人でも多くの生徒が「やれば自分にもできる」「美術って楽しいじゃん」「美術の時間が楽しみ」と感じてくれることを願って進めていきます。
「自分にとっての最高の作品を作る」ためにも、こういう思いがとても大切です。
大人のための美術教室もここから始まります。
読んでいただくだけでも、美術の世界が広がると思いますが「よし、やってみよう」と思い立たれたら、ぜひ実践してみてください。
また、「大人のための美術教室」も開催したいと考えています。具体化したらお知らせしたいと思います。
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