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「ジェンダーとは?」対話カフェそもそも レポート#36

【開催日時】
2024年5月11日(土)
13:00~15:00

第36回のテーマは「ジェンダーとは?」です。

ジェンダーとは、社会的・文化的性差のこと。

男性はこうあるべき、女性はこうあるべき。
という考えはいまだに根強くあります。

ジェンダーの平等を進める活動は、国際的にも盛んになっていると言われていますが……。

ジェンダーについて対話したレポートです。

はじめの問い

まずはテーマについて抱いている問いや、思うことを挙げていきます。

「ジェンダー平等を達成した場合、文化的性別の差が無くなるということ? ファッションなら、メンズ・レディースの分け方が無くなる?」

「男子らしさ・女子らしさの排除は進んでいるところもあるけど、違うカタチで残っていたりする。例えば「女の子らしい色はピンクや赤」という文化は無くなったけど、小学校中学年くらいから、パステルの紫や緑を好む女子はとても多い。違う色に置き換わっただけで、女子に人気の色はある。「男子っぽいから」と、女子が避ける色もある。こういった男女の好みの傾向を完全に無くすのは難しいように思う」

「私は、ジェンダーを知ったとき、身近な問題と思えなかった。父はサラリーマンで稼ぎ、母は専業主婦か働いていてもアルバイトという環境で育った。それが当たり前で、何も疑わなかった」

「小学校で初めてジェンダーを学んだとき、だから何?と思ったのが正直な感想」

「ジェンダーは、社会人になって実際に偏見を体験して知った。同僚から「女性はいつか結婚して旦那に養ってもらうんだから正社員にならなくていい」と言われたとき」

「ジェンダーは、数多くある偏見の中で性別に関する偏見に名づけられたものだと思う。「○○出身は○○が多い」と似ている。なのに、なぜジェンダーだけ特別なのか? 人種問題と同レベルで語られている」

「人種問題と同レベルなのは、見た目ですぐわかることだから?」

「男女の性は誰しもが持っているので、誰でも語れて、誰でも判断できるから?」

「見た目でわかることなので、ルッキズムとも密接な関係にあると思う」

「偏見を持つ人は、自分が偏見を持っているという自覚がない。自分の偏見に気づきづらい」

「偏見を実感するのは、自分の価値観と、社会的な偏見が衝突したとき。生活環境が変わると出会う人も変わるので、偏見に遭いやすい」

これらの問いや意見挙がりました。

どのあたりから許容されるジェンダーか?

今も残るジェンダー観、何が許容されている?

「すべての文化的性差を無くすのは無理だとして……現実的にどれくらいのジェンダーなら許容されるのでしょうか?」

「「べき論」になってしまうと、許容されない。男はこうあるべき、女はこうあるべき、というのは制限や押し付けになる。例えば、誰かから「日本人なんだから毎日寿司を食べるべき」と言われても許容できない」

「男性にも食べやすいケーキ」は許せる?

「男性にも食べやすい」は今でも聞きます。

「ネットのクチコミで、「男性にも食べやすいケーキです」という表現を見た。これも間違いなくジェンダーによる偏見。でも、炎上しづらい内容だなとは思った」

「ジェンダーの偏見なら何でも炎上の火種になるかというと、そうでもない」

「多くの人にさらされたら、やっぱり炎上はするかもしれない」

「確認ですが、これは「男性は甘いものが苦手」という偏見が含まれたレビューってことですよね」

「そうだと思います。スイーツは女性が好むもの、男性は甘いものが嫌い、みたいな偏見や風潮は昔からある」

「これは「べき論」ではないので、炎上しづらいのでは」

「男性は甘いものが苦手というのは、共感を呼ぶ内容だから気にならないかも」

「べき論なのか、傾向・あるあるネタではかなり差がある」

なぜジェンダーは「べき論」になりやすい?

男は○○すべき、女は○○であるべき、となりやすい?

「まず、「べき論」のジェンダーは燃えやすい。傾向・あるあるネタは許容されやすい」

「歴史的背景が強いのかも。男子はこうあるべき、女子はこうあるべき、という教育をしていた時代の影響が根強く残っている」

「世代でジェンダー観も違うので、ジェネレーションギャップによるぶつかり合いのひとつなのかも」

「ジェンダーによる差別、平成くらいまでは当たり前のように行われていたと聞きます」

「つい最近まで、男のくせにとか女のくせにとか言っても普通な時代だった」

「法律が男女に差をつけていたこともあると思う。雇用機会均等法とか」

「参政権とかもそうですね」

「職業も、男性がやるもので女性がやるものではない、みたいなのがありましたものね。電車の車掌とか」

「国が違えば、車の運転は女性がすることではない、みたいなのもあると聞きました。女性の保護目的でなく、女性を卑下しての差別」

「なぜ、最近になって急にジェンダー平等を目指す流れが生まれたんでしょうか? 人の歴史からしたら
本当につい最近始まったことですよね」

なぜ最近になってジェンダー平等を目指す動きが生まれたのか?

どのような経緯なのでしょうか。

「ネットのチカラは大きいのでは? いろいろな人の意見が大きくなったり、集まって強くなりやすい」

「1970年くらいにウーマンリブ運動があって、そのあたりからなのかな」

「ウーマンリブとかも含めて、マスメディアの力は大きいと思います。マスメディアが取り上げることで、広まって、力が強くなる」

「マスコミがない時代はこういう運動は大きくなりづらい」

「公民権運動とか、人種差別問題も同じなのかもしれない」

「気になるのは、これがずっと続く流れなのか、という点。ジェンダー平等が進んだとして、それが可逆性のものなのか、不可逆なのか」

「揺り戻して、ジェンダーで差別するのが当然の社会に戻ったりするのか?」

「その逆で、今後はジェンダー平等を目指す動きがどんどん進むんでしょうか?」

今後、どんどんジェンダー差別は無くなる?

ますます進んで、完全に無くなるところまでいくのでしょうか?

「ファッションで言うと、第三の選択肢としてのボーダレスファッションは今後もっと増えると思う」

「男児向け・女児向けのおもちゃを、中性的なパッケージにすると売上が下がるという話を見たことがある。これが本当なら、企業としてはおもちゃのボーダレス化は難しい」

「中性的なパッケージで売れてるのはLEGOくらいとか」

「さっきもありましたが、9〜12才の女子が好む色はパステルカラーのパープルとグリーン。その色を男子は避ける」

「そこが完全に、一人一人の個性、それぞれが好きな色、となるんでしょうか?」

「ファッションの、メンズ・レディースという分類は無くなる?」

「男性マンガ、女性マンガという分け方は残ってますよね。あれは叩かれないのはなぜなんだろう」

「少年マンガ雑誌、女性マンガ雑誌、って今も分かれてますよね」

「考えていくと、体の性差、セクシャリティによる傾向があるなら、それは認めたそうが良さそう」

「ファッションのメンズ・レディースも、そもそも体格の違いで分かれてる。それぞれの体つきに合うように作られている」

「やはり、そもそもの性差を認めた上で、議論すべきだと思います」

「男女の趣味嗜好、体の差などを認めた上で議論できるのが一番良い」

「ネットとかでは荒れやすい話題ですよね」

なぜジェンダーの話題は荒れやすい?

揉めがちに思えるのはなぜ?

「ジェンダーのことで傷ついた人が多いから。傷ついているとどうしても感情的になりやすいし、意見も強めになりやすい」

「ジェンダー差別があったころのほうが都合が良かった人もいるから。男性だけでなく、女性も。権利が増えると責任も増える。昔の方が楽だった、という女性もいる」

「男らしく、女らしく、っていうのはひとつの行動規範ですよね。そういう規範があったほうが、人は生きやすいんでしょうか。自分は男だから、こういうときはこうする、みたいな」

「男性は「男性らしい生き方のレール」があったほうが楽なのか?」

「多くの人にとって「都合の良い偏見」なら、炎上はしないと思う。ジェンダーはやはり都合が悪い偏見なのでは」

「同じジェンダー観でも、場所によって炎上するかどうかか分かれますよね。どこで言うかで変わる」

「ジェンダー差別の解消と、恋愛・結婚を望むことは、相反しやすいと思う。ますます結婚する人が減りそう」

「男らしさ、女らしさに縛られるのは良くないとは思う。けれど、自分の性に基づく行動規範がないので、自分が何者かわかりづらくなり、不安定になってる中高生もいる。「恋する気持ちがわからない私はセクシャルマイノリティなんです」と簡単に自称する子はよく見かけるようになった」

このあたりで時間いっぱいとなりました。

ファシリテーターの思うこと

この先、ジェンダーに関する社会の動きはどうなっていくのか?
男らしさ、女らしさを完全に無くす方に向かうのか?
とても気になります。

また、ネットで荒れやすい話題とのこと。
荒れやすい話題だからこそ、冷静に話し合える、相互理解ができる、そんな対話の場がもっと増えたら良いのにな……と思いました。

参加してくださった皆様、ありがとうございました。

次回の開催案内

次回は2024年5月25日(土)開催。
テーマは「親友とは?」です。
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