台湾で交配育種されたワイン用葡萄品種
台湾でのぶどう導入の略歴
台湾はもともと、ぶどう栽培に最適とは言い難い気候条件ではあるものの、
それでも、ぶどう栽培やワインの醸造を広く進めるべく、
1950年代はじめから1960年代後半にかけて世界から導入された約140種類をはじめ、
これまで、生食用、醸造用を合わせて約1300種類を超えるぶどう品種の試験導入・試験栽培を進めてきました。
台湾でのブドウの交配育種の開始
その過程を経て、ワイン醸造用の主要ぶどう品種として
『金香』(ゴールデンマスカット)と『黒后』(ブラッククイーン)が、
定着していますが、
特にワイン醸造用ぶどうに関しては、ぶどうとワインのさらなる品質向上を目指し、
1974年から「菸酒公売局」(日本で言うとJTの前身の日本専売公社のようなところと言っていいでしょうか?)の「菸類試験所」という研究機関で、
台湾独自の、台湾にさらに適応する新品種を作るべく、ぶどうの交配育種の研究が始まりました。
その後、公売局の組織改編、民営化などにより、
ワイン醸造用ぶどうの交配育種研究は「行政院農業委員会台中区農業改良場」に引き継がれ、
現在、以下のような台湾独自のワイン用ぶどう品種が生み出され、新品種登録(植物品種権)されています。
台湾で交配育種された台湾独自のぶどう品種
『台玉』
『真香(台中1號)』
『台中2號』
『木杉|Musann Blanc(台中3號)』
『台中4號』
『台中5號』
また、上記のぶどう品種のように、その新品種登録はされていないものの、
これまでの育種交配研究の中で生み出されたぶどう品種で、
おそらく、数ある台湾産白ワインの中でも、当店がこの度輸入した白ワイン『カドナホワイトワイン』にだけ使われている
台湾生まれの以下のぶどう品種についてもご紹介したいと思います。
『6230』
『1312』
各ぶどう品種につきましては、それぞれ後日の記事でご紹介できればと思います<(_ _)>
≪参照文献・資料≫
『台灣栽培葡萄品種之特性』台中區農業改良場 張致盛
『台灣釀酒葡萄品質之檢討』冉亦文
『葡萄新品種引進及選拔』王為一
『釀酒葡萄新品種‘臺中1號’』張致盛;陳怡靜;張林仁;葉漢民|臺中區農業改良場研究彙報 102
『葡萄新品種‘臺中4號’之育成』張致盛、葉文彬、張林仁、劉惠菱、葉漢民
『台灣葡萄育種』宋家瑋、歐錫坤、陸明德
歷史沿革|臺灣菸酒股份有限公司
≪写真提供≫ 鵬群頂酒莊,譚先生
(左から)『真香(台中1号)』『1312』『6230』