勝俣 泰斗

1995年生まれ、東京在住。稀人ラジオ。

勝俣 泰斗

1995年生まれ、東京在住。稀人ラジオ。

マガジン

  • 今日のヨシナシゴト

    日記のようなものです。

  • 稀人ラジオ編輯後記

    キュレーターの勝俣泰斗と作曲家の植田響によるポッドキャスト、稀人ラジオの編集後記。 🎭稀人ラジオとは🎭 閉店間際の深夜のバーで、寝たら忘れる夜な夜なトークを収録。「稀人」とは、不定期に訪れる外部からの稀な訪問者を指す民俗学の概念。日常のバイオリズムの外側で、たがいの「稀人」として出会い直す2人が、異なる生活の実感を手土産に語る雑談話を、時にゲストを交えながら、創作論、カルチャー、社会集団、そして上記以外について、台本のない完全即興でお届けします。

  • NY雑記 2018.10.8-2018.11.17

    NY学生生活雑文日記。2018年10月8日-11月17日

  • 茶飯事

    東京のギャラリーで働く2人が日常的なものから得た着想を記録していくマガジン。 イラストとエッセイを軸に、自由に創作したものを収録していきます。オフライン版のZINEも発行。

最近の記事

『Here's to Never Growing Up』

Spotifyで音楽を垂れ流し再生しながら本を読んだり、作業をしたりしていると、ふと昔聞いていた音楽に辿り着くことがある。2013-16年あたりの洋楽のゾーンに突入してきて懐かしい気持ちになった。ちょうどアメリカの大学にいた頃なので、billboardのトップチャートを連ねた数々の楽曲は聴くたびに当時の空気を思い出させてくれる。それで、アヴリル・ラヴィーンの『Here's Never Growing Up』が流れてきたので、少し手を休めえて聴いてみた。この曲は2013年の曲で

    • 『デカルトからベイトソンへ』 第二章 読書メモ

      第二章では、封建経済が崩壊し、資本主義の社会体制が動き出したことによって、真理が有用性と結びつき、知がテクノロジーに回収される中で、実験、数量化、予測、操作を軸とする新しい世界観が形成される道筋を説明している。 中世の世界観と十七世紀の世界観の比較中世のアリストテレス的世界観と17世紀的世界観を比較している。 封建制度の崩壊と資本主義生産体系の確立アリストテレス的世界観では、封建制度と宗教的生活が基盤だった。しかし、封建制度は経済の面で、生産性の限界を迎え、破綻していくこ

      • 『デカルトからベイトソンへ』 第一章 読書メモ

        『デカルトからベイトソンへ 世界の再魔術化』を読み始めた。紹介によるとモリス・バーマンによる近代科学糾弾のパフォーマンスだという。読んでみた印象としては、アジテーションっぽい語り口だが、図式的で非常に読みやすい。 科学批判的な態度は小林秀雄がベイトソンを語りながら同じようなトーンで話していたのを思い出す。ベイトソンについては前々から気になっていたが、まだちゃんと読めてない。とりあえず、本書の後半にベイトソンに関する包括的な紹介が待っているみたいなので楽しみに読み進めていきた

        • 【稀人ラジオ 㐧一夜 編集後記】

          友人と稀人ラジオというポッドキャストを始めた。 第一回目の序盤ではタイトルとなった稀人ラジオの元になった折口信夫の稀人の概念について話している。稀人とは、「稀+人」。つまり、「稀に来訪する人=珍客」として捉えられるが、折口はこの言葉により広がりのある観念を付与している。曰く、 折口の考える稀人は、神でもあり人でもあるようなアンビバレントな存在。柳田國男の民俗学を独自に継承した折口は、類まれなる直感力と稀人というキー概念を元に日本の民間行事や祝祭、和歌や国文学がどのようにし

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        記事

          【エッセイ】『幽霊池』の思い出,記憶の誤謬

          子供の頃、近所の公園でよく遊んでいた。緑の多い広い公園で、暗く生い茂った森の遊歩道に洗面台くらいの小さな池があって、そこがちょっとした心霊スポットになっていた。 どこからどう回ってきた情報なのか、その池の中に石ころを10個投げ入れると水の底から長い黒髪の女の人の顔が浮かび上がってくるという心霊話が出回っていて、僕は友達5人と一緒に本当なのか確かめに行ったことがあった。小学4年の夏のことである。 僕は当時も今も怖がりだが、そういう場であまりに怖がりすぎるといじられの標的にな

          【エッセイ】『幽霊池』の思い出,記憶の誤謬

          眩暈, 転倒, 骨折

          先日、夜中外出中に突然めまいがして、近くの階段にへたり込んだ。感覚的には、サウナでととのいすぎてバッドに入ったような状態で、意識が朦朧とし、気づいた時には道端に転がっていた。おそらくだが、10分ほど気絶していたようだ。小雨に打たれながら、なんとか立ち上がり、とりあえずタクシーを探した。 タクシーの運転手のリアクションで自分が血だらけになっていることに気づいた。しどろもどろしている運転手の反応に違和感を感じて、スマホで自分の顔を確認すると、口と顎から大量の血が流れていて、服は

          眩暈, 転倒, 骨折

          谷川俊太郎『二十億光年の孤独』を再読して

          前に知り合いのアーティストの方と話している時、『二十億光年の孤独』について、こんな話になった。 彼曰く「あの詩は、”万有引力とはひき合う孤独の力である“までで終わっているべきで、その後は蛇足だと思う」 『二十億光年の孤独』とは、谷川俊太郎氏が19歳の時に書いた詩である。僕も大好きな詩だった。 確かに「万有引力とはひき合う孤独の力である」の言葉が強すぎて、これだけで成立しそうな気もする。ただどこか引っかかるところがあった。後半は本当に蛇足なんだろうか。 これはすぐにでも

          谷川俊太郎『二十億光年の孤独』を再読して

          詩「わたしはすでに知っている」

          あなたを知らない わたしは出逢う わたしを知らない あなたに出逢う あなたを知りたい わたしは出逢う わたしを知りたい あなたに出逢う わたしを知らない あなたに話す あなたの知らない わたしのこと あなたを知らない わたしは聞く わたしの知らない あなたのこと わたしを知った あなたは気付く わたしも知らない わたしのこと あなたを知った わたしは気付く あなたも知らない あなたのこと あなたがわたしを 教えてくれる そうしてわたしは わたしを知る わたしがあなたに 

          詩「わたしはすでに知っている」

          一筆書き日記 *文体実験 

          下記に記される本文は、実験的な文章です。 この文章を書いた目的を、ステートメントとして残していますので、ステートメントを一読いただいてから本文に目を通していただけると幸いです。 文体の効果や感想などをいただけるとありがたいです。 ステートメント本文都会に暮らす僕らは少し離れたところに大自然が広がっていることを忘れがちだし、毎週でも来て心を解放しようという決意すら忘れてしまう生き物だけど、 やっぱりアゲハ蝶が水を飲んでる姿や蟻が餌を運ぶ姿に心打たれるわけで、人間だって自然

          一筆書き日記 *文体実験 

          「なんだかやる気が起きない」という重大なシグナル

          祖母は料理が得意な人だった。正月に集まれば冷蔵庫の中からせっせと食料を集めて、大量の夕飯を食卓に並べた。 「お腹いっぱい」と言っても手を休めず、遊びにいくとここぞとばかりに容赦なく作り続ける。台所に立つその後ろ姿はなんだか活き活きとしていた。 そんな祖母がどうやら最近ぱったりと料理を作らなくなったらしい。 喋りも達者でよく歩く祖母のことだから、たまに会う程度では気づかないのだが、どうやら認知症の症状が出ているとのこと。同じ話を何度もしたり、さっきまで手につけていたことを

          「なんだかやる気が起きない」という重大なシグナル

          素朴な生を実行すること

          世の中をフラットに見つめたいゴールデンウィークはとにかくアウトプットをしよう。思い立って書き始めた。とにかく書く。書くという行為は、世界を取り戻す行為だとサルトルはいった。自分の物差しを持ってひたすら事物との距離を測っていく。そうやってひたすらに書き残していく散文に価値があるのかと言われたらそれは分からない。ただそうした試みをしてみたいと思う自分の心の中には、何かしらの問題意識を感じているのだろう。世の中をフラットに見つめたい。そう思ったのは、以前自転車を盗まれた時だった。普

          素朴な生を実行すること

          内見

          引っ越そうと思って、内見に行くことにした。アパマンショップで出会ったお兄さんは小池といった。小池はなんでも確認を求める男で、見積りを出しても良いか、似たような部屋も案内していいか、車を用意していいかの確認を全て僕に求めてきた。 全ての確認に対して気前よく「はい」とか「いいですよ」と答えてはいたが、「いいえ」や「少し考えさせてください」と言ったらどうなるんだろうとも思った。ドラクエにたまにいるキャラクターみたいに、「はい」を選択するまで延々と同じセリフを繰り返すようになるのか

          誤字脱字納品随録 *文体実験

          下記に記される本文は、実験的な文章です。 この文章を書いた目的を、ステートメントとして残していますので、ステートメントを一読いただいてから本文に目を通していただけると幸いです。 文体の効果や感想などをいただけるとありがたいです。 ステートメント本文兎にも格にも誤字やら脱字やらが多くて困ている。伝えるべきことを伝えることも仕事の内なのに、やたらと稚依さなミスが連発する。書き言葉が吃ってしまつているというか。そんな感覚。 何故誤字るのか 原因I.予測変換 考えられる原因

          誤字脱字納品随録 *文体実験

          撮る。いつか思い出せるように。

          なんで思い出って鮮明に覚えていられないんだろう。 どんなに記憶に刻みたいと思っても、その瞬間の解像度を保てない。 過ぎ去ってしまった光景は、頭の中で回想することしかできなくて、脳内で感じ取ったあの色彩、あの空気、あの匂いは、こぼれ落ちるように記憶の深淵に潜り込む。 今この瞬間はその時にしか味わえない。そうとは分かっていても、どうしても残しておきたい景色がある。 そんな状況に立った時、僕はカメラを置くか…構えるか…迷う。 未来の自分にいずれ過去に

          撮る。いつか思い出せるように。

          一週間を振り返って

          「思い出す」という作業をあまりしない時期がある。漠然とあれがしたい、これがしたいと思い続けながら、日々を過ごして、過ぎ去った日々のことを思い出すことに時間を使わない。今この瞬間も明日になれば、思い出になるというのに思い出になるという意識がない。努めて思い出すという作業をすることが、日々その瞬間の解像度をあげるのに一役買うのかも知れないと思って、振り返る。 2020.8.17(月) 8時起床。月曜日から早起き大成功。偉い。12時消灯8時起床を心掛け始めた。いい感じのスタート

          一週間を振り返って

          衝動性とどう向き合うかに関するメモ

          最近、早寝早起きにハマっている。 と言っても、12時に寝て、8時間寝て、朝8時に起きるだけなので、一般的な社会人からしたら早起きでもなんでもないのかも知れない。それでも僕にとっては、だいぶ早く寝てるし、だいぶ早く起きている。 決まった時間に何かをするのがめちゃくちゃ苦手なこともあって、昔から就寝・起床という大枠の生活習慣すら守れない。毎週同じ時間にテレビの前に座ってドラマを見ることもできないし、週刊誌を購読することもできない。スケジュールに沿って行動するのも苦手で、基本的

          衝動性とどう向き合うかに関するメモ